晶子曼荼羅・観劇記

1998.01.24(土) 帝国劇場 12:00〜


与謝野晶子 佐久間良子
与謝野鉄幹 宅麻 伸 
山川登美子 片平なぎさ
河野鉄南   若林 豪 
林  滝野  江波杏子 
鳳 籌三郎 内海光司 
増田雅子   毬藻えり

異説・晶子曼荼羅

 京都で、某同人誌の主宰者・某氏を囲んでの詩作の会が、3人の美女らも参加する華やかな雰囲気で行われている。口にこそ出さないが女性3人は某氏に想いを寄せ互いに牽制しあっていた。貫禄と押し出しのご立派さでは某嬢が、押しの強さでは某嬢が、清く正しく美しげな風情では某嬢が勝っており、いずれも譲らぬ壮絶なバトルがいつ果てるともなく続いていた。

 そして、貫禄と押し出しの強さで某嬢が某氏を射止め、押しの強い某嬢も別の男性と結婚し、清く正しく美しげな某嬢は相変わらず某氏の廻りをうろちょろし、いつしか時が流れて行った……。

 貫禄と押し出しのご立派な某嬢の歌集が大ヒットする中、押しの強い某嬢が夫と死別し同人に戻り、女性3人の合同歌集が貫禄と押し出しのご立派な某嬢の歌集の収益を元に発行準備が進んでいた。間もなく、印刷所に原稿を渡すというある日、会計係が殺され収益金が奪われるという事件が起きた。

 印刷所への支払ができないため、合同歌集がお蔵入りしそうになったので、ついに押しの強い某嬢が切れた。(ブチッ)

「私、同人活動の他に、あるときは横浜では地検の検事を、またあるときは小京都を取材しながらそこで起こる様々な殺人事件を解決するジャーナリスト、またあるときは京都の葬儀社を舞台に怪しい死体から殺人事件を暴く女社長ですのよ!この事件、私が解決して合同歌集を発行できるようにしてみせますわ!!!」

「ああ、あなたならできます。及ばずながら、同人活動を副業に、京都府警の警部を本業にしている私もお手伝いします。」

「ありがとうございます。警部さん。心強いですわ。」

「いや、私もこう見えても、横浜署で検事と組んで操作をしていた警部補ですからね。私もご協力いたします。」

「あなたのご協力はありがたいけど、あのでしゃばりの法医学教室の助教授の奥様はごめんこうむり……。(晶子の顔がひきつるのを見て)いえ、なんでもありません。」

「さぁ、そうとなったらアシスタントはあなたしかいないわ!(籌三郎に向かって)行くわよ!サブローちゃん」

「僕は籌三郎でサブローじゃありませんよ〜。」

「何言ってるの。知り合いの女性カメラマンのいつもの相棒がイチローちゃんでこの間の臨時の相棒がジローちゃんだったから、私の相棒はあなた・サブローちゃんしかいないのよ!しかもサブローちゃんは、ちょっと前までイチローちゃんとは親よりも長い時間を一緒に過ごした仲で、その上、わずかな期間だとは言えコンビも組んだ間柄でしょ!わかった!さ、行くわよ!サブローちゃん!!!」

「そんな無茶苦茶なぁ。ま、待って下さい。(それでも後を追うけなげなヤツ)」

 こうして某嬢の指揮のもとあるときは山を駆け巡り、あるときは押しの強い某嬢の「イチローちゃんが、1つの事件でかならずするのだからサブローちゃんも!」の理由にならない理由のリクエストにお応えし女装も披露し、またあるときは犯人に物陰から後頭部を殴打されて気絶しの、ぼろぼろになりながらもひたすら某嬢につくし、徐々に犯人に追い迫って行くのであった。

 そうして、その獅子奮迅の努力が認められ某嬢主演の新たな2時間ドラマの相棒役をゲットするのであった……。女検死官シリーズなら某警部補役、女推理作家キャスターシリーズならカメラマン役か。

以上は、みやの妄想の産物であり、実在の人物・団体・作品には何ら関係はありません。m(_ _)m

 な〜んてストーリー展開に変わってたら、喜んで見てしまうのにと行ったが、若干、暗転が短く感じられた他は、演出・構成になんらの変化もなかった。(^^;) 思いっきり妄想の羽をはばたかせて行ったのだが、所詮、妄想は妄想でしかなかった。(;_;)

 2場の楊貴妃のお芝居のお稽古のシーンで突然帰ってきたお父さんを見て慌てて逃げ出そうとするところで、本来ならわざと滑ったふりをするところを本当に滑って左膝を打ってしまったようで、その後何気なく3回ほど脚に手をやっていた。その姿が愛らしいのである。
 晶子が鉄幹との出会いのシーンで彼のことを、「少年のような瞳を持つ星からの使者」と例えているが、この例えに当てはまるのは鉄幹ではなく籌三郎くんだと思う。晶子は弟を過小評価し過ぎだ。(^^;)
 晶子が結納の席を抜けて鉄幹の宿屋を訪ねるシーン。部屋に上がるときには舞台に向かって鉄幹のゲタより左側に草履を脱ぐのだが、翌朝、庭に下りるときは、向かって右側が草履になっている。誰がゲタと草履の位置を入れ替えたのか?滝野が見張っていたとか???(爆)
 召集令状が来たため急ぎ帰郷する籌三郎くんと晶子との別れの抱擁シーンはどう見ても、姉弟というより親子だと思う。(^^;) 姉弟と主張するなら、登美子と籌くんだったら姉弟でOKなのでが……晶子と籌くんでは苦しすぎだな。(^^;)(苦笑)
 暗転が若干短くなっていたような気がしたが、それでもあの暗さと暗転中のBGMは睡魔を呼び寄せるのに十分だった。今回、この睡魔を退治してくれたのは、暗黒の闇の中に咲く一輪の白百合の騎士さま(=籌三郎くんともいう)ではなく、通路をはさんで隣のおぢさんだった。周囲に轟く「ぐーーーーー。ぐーーーーー。」に振り返る人数名。先にあれだけ高鼾をかかれると人間眠れなくなるものだ。(苦笑)


 次の舞台出演を楽しみにしている。できたら浜木綿子さん主演の舞台を希望する。よろしく。
その前にコンサがあったらなお幸せだが。(笑)