2001.07.07 (土) 明治座 16:00〜
明治座16時開演。1回目30分、2回目25分の休憩をはさんでの3幕の芝居が終了したのは20時近く。お尻が痛くなった。
地方巡業をしている芸人一座。女座長の染千代(竹下景子さん)、その女座長の育ての親の副座長(赤木春恵さん)、ひげの濃い女形(佐藤正宏さん)、座員の玉ちゃん(藤田朋子さん)、時ちゃん(石野真子さん)、貫次(内海くん)、旅館の番頭で後に一座に入る林太郎(愛川欽也さん)、一座にお金を貸しているお大尽(金田龍之介さん)が、主なところか。2幕のみに女形さんの奥さん役で東てる美さんが出てるけれど、1シーンだけだし……。
幕は東北の地方巡業中、とある地での幕開けのために、町を練り歩いて宣伝し、座員を紹介するところから始まる。ここで、初っ端から内海くん登場。第一印象は、「内海くん、やせた?」だ。なんだか頬がこけて見えたのだ。ここで女形さんをのぞく貫次以外の2人の男性座員さんがヅラをかぶっていたのに、貫次だけヅラなしで普通の髪だったのが、観ていて違和感を感じた。
ここで、貫次は玉ちゃんとジャグリングを披露。2人とも必死に真剣に演っているのが愛しい。(*^^*)
で、劇中劇の国定忠治。貫次くんの役は忠治に亥の一番に切りかかって、あえなく切り捨てられてしまった。それまで切りかかるぞ!!!オーラ全開でさんざん気を持たせておいてあっけなく、バッサリ。お堂の中に倒れ込んで、ちょっと倒れ込んだ位置がまずかったのか、位置をそっと修正していた。(笑)
貫次くんは時ちゃんといい仲で、貫次くんは玉ちゃんに時ちゃんを泣かさないように釘をさされても、へらへらしていろんな女性といろいろ遊びたい☆みたいなこと言ってる、ぷれいぼうい気取り。
一部は、役&設定紹介っぽくて、花形役者(染千代さんの相手役)さんが病気でダウンし穴埋めのため現在旅館の番頭でかつて芝居経験のある林太郎がスカウトされて入座するのが大きな山場。
2部でストーリーが動く。女形さんは芝居がしたくて家出して女形さんになってたのが、奥さんと娘さんが迎えに来たのですったもんだの末、家に帰ることになり、時ちゃんが流産しそうになってやっと持ち直し、貫次くんと時ちゃんはあっさり貫次くんの田舎にもどって結婚して農業後継者になりに去って行った。ん〜、絵に描いたような犬の卒倒な展開。(^^;)
貫次くんも、それまでナンパを絵に描いたような役柄を見せていたのに、急転直下、いきなり出し抜けにな〜んのすったもんだもなく時ちゃんと一緒になるっていうのには、一抹の不自然さを覚えた。
染千代さんLOVEの林太郎くんは染千代さんに認めてもらおうと必死。ところが、染千代さんに上手くあしらわれているうちに、身を持ち崩し、一座はその尻拭いのために借金が膨れあがり、ついには解散。あ〜あ。
染千代さんは地方の料理屋で仲居をしながらお金を貯めて借金返済の日々。そこに、かつての座員たちが、出せる範囲のお金を持って勢揃い(除く林太郎)して、お金を染千代にプレゼント。目出度く借金完済。
自分に愛想を尽かした林太郎くんは、電車に飛び込もうとしたところを、運良く染千代さんに救われて、心を入替え、2人で新たに一座を結成することに。
その結成興行の日、ちらし配りや口上を述べても人に見向きもされないでいると、かつての座員の皆さんが、再び座員にしてくれと、衣装で登場。はい目出度く染千代一座の新たなる門出。
内海くんの出番は予想していたよりも多かったし、ジャグリングや、劇中劇の国定忠治の博徒役で裾はしょりして太股までサービスや、2幕で一座が男性と女性とが隣り合った2軒の家に住んでいる設定で、男性側の2階から女性側の2階に軒を飛び越えるところや、いろいろ見ててプリティだったりしたところもあった。あったけど、おいしいシーンってもしかして時ちゃんと一緒になってく故郷に帰るって言ったシーン?もちっとごねるかと思いきや唐突に帰るってので面食らってしまっておいしいシーンとか考えられなかったけど。(^^;)
竹下景子さん座長公演。最もおいしく楽しく観劇できたのは愛川欽也さんのファンの方ではないかな。おいしいとこも舞台を動かしているのも染千代じゃなくて林太郎だったような気がするもの。
内海くん、次の芝居は今までの人のよい好人物から卒業し、例えていうなら、「クレオパトラ」で赤坂くんが演じたオクタヴィアヌスさまのように、出番は多くなくても、印象に残る深みのある役柄に挑戦してほしい。