犬夜叉・再演
| 2001年01月29日(月) | 赤坂ACTシアター | 19:00〜 |
| 2001年02月10日(土) | 赤坂ACTシアター | 14:00〜 |
昨年春の初演から1年経たずに敦啓くん主演の「犬夜叉」の再演。(*^^*)
劇場の赤坂ACTシアターは昨年12月に寛之が出演したジョン・レノン追悼イベントが行われた場所。なので2回目で迷うことなく……って赤坂BLITZSのお向かいさんだから、迷いようがないか。(笑)
キャパは初演のときの2倍くらいになったのかな?1300近く入るみたいで、劇場が大きくなった分、余程のことがない限り席の位置のせいで、舞台が観にくいということはないと思われる(あくまで主観)。
開演前に会社から終業後直行してお腹が空いていたので(^^;) ロビーでおやつをいただいていたら、近くでガタイの立派なスタッフさんらしき人たち(IDカードを首からぶらさげていたのでそう判断した)と関係者とおぼしき人が雑談されはじめ、「う〜ん、タレントさんとも見えないし、何方だろう?」などと小柄な女性を眺めていたら、この方を見つけて会釈などされる方もいらしたので、きっと高名な方なのだろうが……。
最初のシーンの犬夜叉への追手の方々の滑舌がイマイチでセリフがあまり聞き取れなかったのが残念。というか、確か初演のときも聞き取りにくかった記憶がなきにしもあらず……。
7ヵ月ぶりに見た敦啓くんは、前に見たときが舞台続きで結構やせているような感じだったので、幾分そのときよりも元に戻ったかしら?な感じでほっとした。声もまだまだかすれていなかったし。ただ、舞台の初めよりも終りの頃の方がかすれていたような気がしたので、ちょっと心配かも。
初演のときに、少々冗長な感じがしてたシーンのうちの多くは、コンパクトにまとめられてずっと見易くメリハリがよくなっていた。根本となるストーリー展開には変化なし。
相変わらず、犬夜叉の「オレは強いぜ!」やラストシーンでかごめを誘うシーンは激マブで見惚れるばかり。!(^^)!
再演の舞台で若干変わっていた小ネタで秀逸だったのが、かごめちゃんが山賊に襲われ、大切な大切な2000円札を渡すときの2000円札に対するコメント。
本当に2000円札って影薄いもの。見たのって発行日初日に同僚がわざわざ記念で取っておくために銀行で両替してもらってきたのを見せてもらったその1度きり。(^^;)
その存在感のなさをものの見事にえぐって見せる、その時事問題に対するかごめちゃんの洞察力は、到底中学生(設定は中学3年なのだ(-.-;))とは思えない鋭さで(当たり前?(笑))、存分に笑わせてもらった。
こういう笑いの取り方、好きかもしれない。
次に笑わせてもらったのは、逆髪の由羅への奈落お姐さまの突っ込み。原作やアニメは読んだり見たりしていないけど、奈落お姐さまのお言葉からすると、逆髪の由羅ちゃんは原作やアニメでは1、2を争う美少女キャラなのだそうだ。ふむぅ、美少女、ね。確かに、逆髪の由羅を演じている女優さんは、美女かそうでないかはさておいて、“少女”の範疇からは逸脱してしまっているのは確かだ。その突っ込みと、「アニメはアニメ。原作は原作。舞台は舞台。」と言い切った逆髪の由羅さんには、「その通り!」と合いの手を入れて拍手喝采したい気分。
鬼一族との対面シーン(?)を終えて、裏陶に「いずれ劣らぬ精鋭ぞろい。」と言われ、「そうかぁ。そうかなぁ。」と言った奈落お姐さまの、言葉とセリフ回しが超インパクトで、ぞっと耳と心に残っている。
さて、犬夜叉くん。前にもちょこっと書いているが、いやぁ、最初のシーンの捕り手に向かって見栄を切るところは、もう最高!!!
一身に光を浴びてこれ以上ない!ってくらい輝いて、舞台を支え切っていた。
他のシーンでも、敦啓くんが演じているけれど、そこに、犬夜叉として存在していた。犬夜叉と敦啓くんのキャラクターが上手く融合して、舞台の上での犬夜叉として、彼以上に犬夜叉たりうる役者さんはいないであろうと思わせる程に犬夜叉になっていた。
「言霊の念数」(僧侶の方が首から下げているお数珠。/これをかけると自分でははずせず、かごめちゃんのある言葉(おすわり)を聞くと、身体がその通りに動いてしまう設定))を、かごめちゃんと弥勒さんが犬夜叉をはめようとして、楽しそうに首にかけて回して見せてるところなど、一緒に首を動かして、本当に心底やってみたい!って表情をして見せている。
で、この回、首にして回してみせて、かごめちゃんに「お・す・わ・り!」と言われて思いっきり身体を止めて、見事にダイブして倒れて、勢いすぎて念数が首から、すっ飛んでしまった。これは初めて見るハプニングだったので、どうするか、どきどきわくわく期待しながら見ていると、何事もなかったかのように立ち上がって、念数を拾い、また首にかけて、何事もなかったかのように芝居を続けた。ふむぅ、役者よのぉ。なるほど。
初演と同じストーリーでも、風刺のギャグを利かせて、贅肉を切り落として、一回り大きな舞台になり、初演を複数回見ているファンも、また更に再演で複数回見ても楽しめる芝居に仕上がっていたように思える。
帰りの電車で購入したパンフレットを見ていたら、開演前にロビーで見かけたのと、とても良く似た女性の写真を発見!原作者の高橋留美子さんとのことで、はぁ、ビックリ!確かに作品はよく拝見させていただいてるけど、ご本人のお顔は存じ上げていなかったのだ。
再演2回目。そして最後の観劇。
弥勒さんの変わらぬテンションには脱帽。そして弥勒さんのボジティブな考え方には脱帽。500年未来には、弥勒さんのように手に風穴(奈落お姐さまの呪いにより、弥勒さんのお祖父さんの代から手に穴があき、その穴は異空間につながり、様々なものを飲み込み、ついには風穴を持つものもその風穴により異空間へと吸い込まれてしまう。弥勒さんのお祖父さんもお父さんもそうして亡くなられた。)を持つものは、いないのをかごめちゃんから、聞いて、自分、もしくは自分の子孫が奈落お姐さまを討ち果たし、その呪縛から逃れられる日が来ると信じられると言った。
確かにそう。ポジティブに考えれば。ついネガティブに考えて、もう1つの可能性。奈落お姐さまを討ち果たす前に、子孫全てが風穴に飲み込まれ、子孫が絶えて……などと。そんなこと考えちゃダメよね。
初演のときから、ずっと気になっていたのは、鬼釜で桔梗さんを蘇らせるときに、裏陶が笑ってか息が切れてか、セリフが不明瞭になること。見た限りいつもだったから、それともそういう演出だったのかしら?
初演のときに、好評で再演された舞台。キャストだけでなくスタッフにとってもやりがいのある芝居だったから、キャストだけでなく、スタッフだけでなく、その両方の気持ちがぴったり重なった芝居だったから、こんなにも早く、同じキャストで再演が実現したのだろう。
そんな素敵な舞台と犬夜叉という大切な役に、舞台出演2作目にして巡り会えた敦啓くんの幸せ。
それはまた、幸せの裏側に、大きな重荷をも孕んでいるのかもしれない。この舞台を観てしまった観客は、次にも、敦啓くんに、犬夜叉で魅せてくれたような感動を、求めてしまうかもしれない。または、いつまでも犬夜叉の面影を次の舞台でも追い求められてしまうかもしれない。これから先、それらの期待を背負いつつ、プレッシャーに打ち勝っていくのは並大抵のことではないかもしれない。
でも、敦啓くんなら、それをさらっと、そんなことを微塵も感じさせずに、やってしまって魅せてくれるかもしれない。
次の舞台は4月。初舞台「ララバイまたは百年の子守唄〜ハッシャバイより」のときの、鴻上さん作の舞台。
そこでどんな新たな一面を魅せてくれるか楽しみだ。