原爆の図丸木美術館 HOME
利用案内 原爆の図 企画展 共同制作 丸木スマ イベント 美術館クラブ パネル貸出 アートスペース
Shop 友の会 FOR PEACE 略歴 美術館の四季 おもなあゆみ 美術館ニュース Links  美術館データ





美術館ニュース一覧に戻る


2001.4.13.発行 第70号

Piece For Peace2000 報告

リレーエッセイ・2/井上佳江子


企画展報告
Piece For Peace 2000

1999年度に続き、2度目の開催となった「PFP」展が終了しました。
今回の展覧会を開くにあたって、出品作家のうち2名、尾関氏と徐氏は「作品のテーマとして『平和』を意識している わけではない」ことから出品に戸惑いを感じたといいます。
しかしこの企画では、「平和」を意識せずに作られた作品が、一つの「かけら」として「平和」に関わっていく可能性 とでもいうものを提示するという意図がありました。
だからこそ「平和」と密接なテーマを描いている作品はもちろんのこと、そうではない作品をも必要としたのです。
そんな企画側の思惑を超えて二人の作家は「平和」という言葉の意味を捉えなおし、自らのテーマも「平和」と 無関係ではないという考えのもとに出品を承諾してくれました。

1月14日に行われた「作家トーク」には、6名の作家が顔をそろえ、集まった30名ほどの観客に向けて、 それぞれの作品について話しました。
今回の出品作家は、日本人三名(版画、写真、インスタレーション)、在日コリアン(彫刻)、韓国人(版画)、 クルド人(油彩)と、来歴も作品形態も様々だっただけに、現在置かれている立場や状況の中でどのようにして作品を 作っていくのか、という話もたいへん興味深いものでした。
その中で印象的だったのは、作品を作り始めるときには、それが一体どんなものなのかよくわかっていない、 作っていく過程の中で自分にとっての意味が見えてきたり、また完成した後に観客が見ることによって気づかされることも 多々ある、ということです。

彼らが提示した作品という「かけら」は、色も形も千差万別であるからこそ、私たちにさまざまな思いをもたらしました。
作家や作品が制作や展示の過程で変化していくように、私たちの中にも、ほんの小さなものかもしれませんが、 なにがしかの変化が起こったのではないでしょうか。
今回集った作品がそうであるように私たちもまた、ひとつのかけらです。
大きさもかたちも違ったとしても、互いの輪郭の一部でも重ねることができるならば、ほかの部分を尊重することも できるかもしれない。
今回展示された多様な作品群は、その可能性を確かに顕しているのではないでしょうか。

今年度も三回目の「PFP」展を開催する予定です。果たして今度はどんなかけらと出会えるのでしょうか。 いまから楽しみです。

ページトップへ


リレーエッセイ//2
井上佳江子(丸木美術館評議員)
1982年、優生保護法改悪阻止の動きが全国の女性団体などを中心として活発な中、東京の大田区で地域の仲間として、 現在の事務局長の鈴木茂美さんと、その連れ合いの鈴木栄里子さんと知り合い、その後、彼女達が、 「今の学校教育でない新しい教育を」と、東松山の地に引っ越され、“夢の実学園”を作り、 丸木美術館と関わることになったことで、私も丸木美術館に度々訪れるようになっていったというわけです。
ちなみに現在の理事の山本理平さん、評議委員の石川みのりさんとも同じ大田区で長年、地域の仲間として お付き合いしている間柄です。

さて最近、位里さん俊さんに話したいようなことがありました。
それは、昨年の12月8日から12日の4日間にわたって東京の九段会館で、“女性国際戦犯法廷”が開催されたことです。

この法廷は、加害国の日本と被害を受けたアジア各国のNGOなどで作る国際民衆法廷です。
朝鮮、中国、インドネシア、オランダなど8カ国から集まった性暴力被害者(従軍慰安婦)による、 胸が苦しくなるような証言の数々、国際法等の専門家の証言・証拠・資料等により、「日本政府は、 慰安所の設置と運営について国家責任を負うと判定する」「天皇ヒロヒトは強かん及び性奴隷制についての責任があり、 人道に対する罪で有罪とする」との判決が出されました。
民衆法廷であり、判決に拘束力はありませんが、連日の4千人を越す参加者、内外メディアの報道は力強いものでした。

位里さん、俊さんと一緒に母屋の台所でうどんを食べながら、話してみたい。そんな気持ちの帰り道でした。

ページトップへ