2015年度 企画展

島田澄也展 蒼き昭和時代

2015年4月18日(土)~7月11日(土)

戦前・戦中・戦後の記憶を200点ほどの油彩画に描いた画家・島田澄也の個展。小河内・山村工作隊に参加した1950年代の絵画やスケッチなども紹介。

特別展示 発掘! 知られざる原爆の図

2015年6月3日(水)~9月12日(土)

15部連作として知られる《原爆の図》は、ほかにも数多く全国に眠っていた。ふだん見ることのできない“番外編”の《原爆の図》を発掘紹介!

福島菊次郎写真展 原爆と人間の記録

2015年7月18日(土)~9月12日(土)

敗戦直後の広島で被爆者家族を10年にわたって撮影し続けた94歳の写真家・福島菊次郎。被爆70年にあたり、その衝撃と告発の写真を展示する。

没後20年 丸木位里展

2015年9月19日(土)~11月14日(土)

1995年に没した水墨画家・丸木位里の画業を回顧し、スケールの大きな水墨画を中心に紹介する展覧会。

今日の反核反戦展2015

2015年11月21日(土)~2016年1月16日(土)

昨年に続き実行委員形式で開催される自由参加の「反核反戦展」。今日の問題意識が多数の表現者によって浮かび上がる。

私戦と風景

2016年1月30日(土)~2月27日(土)

5人の若手アーティストと1人のゲスト・アーティストによる、日々遭遇している「風景」と、そこから想像し展開された「私戦」をテーマにした時代を鋭く切り取る展覧会。齋藤恵太によるキュレーション。

POST 3.11 光明の種

2016年3月5日(土)~4月9日(土)

東北ゆかりの芸術家・白濱雅也・安藤栄作らを中心に、「繁栄と享楽の影に潜んでいた」私たちの社会の根底をあぶり出す意欲的な企画

●アートスペース特別展示 山内若菜展 牧場
(同時開催)

これまでの企画展

1999~昨年までの企画展の案内はこちらのページをご覧ください。


特別公開 2016/3/19~6/18 原爆の図はふたつあるのか



 丸木夫妻は、1950年末頃に米国で《原爆の図》を展示したいとの依頼を受け、作品が紛失したときのためにと、当時アトリエに寄宿していた濱田善秀や若い画家とともに三部作を「模写」(再制作)しました。

 結局、渡米直前に不安を感じて断りましたが、それらの作品(仮に「再制作版」と呼ぶことにします)はその後、《原爆の図》の全国巡回展が盛況になり、同時に複数の場所から依頼が来るようになると、「本作」と同様に各地で頻繁に展示されます。

 《原爆の図》巡回展を手伝った大学生によると、作品がオリジナル(仮に「本作」と呼びます)と異なることに気づいた学生たちの間で、「再制作版」を展示することに対して、ちょっとした議論が起きていたそうです。「小説と違って画家は絵を印刷できないのが悩みだ」「ピカソが《ゲルニカ》を模写して展示するなんてありえない……」。俊も、「絵の前で冷汗を流しながら、言葉だけはだんだんはげしくなっていくのです。絵で感じられない感動を言葉で伝えようとするのでしょうか」と苦悩を記しています。

 一時は、作者自身が「門外不出」にした時期もありましたが、1974年に丸木美術館栃木館(栃木県岩舟町)が開館すると、丸木夫妻は加筆し、「本作」と異なる独自の表現の《原爆の図》として栃木に送り出します。そして1996年の栃木館閉館にともない、「再制作版」は広島市現代美術館に寄贈されました。

 従来知られる「本作」とともに《原爆の図》として扱われながらも、やがて異なる数奇な道を歩んだ「再制作版」。もちろん巡回先では、「模写」や「再制作版」と断って展示したわけではありません。当然、絵を観る人たちの反応も、「本作」とは変わりませんでした。

 今展では、広島市現代美術館の協力を得て、この「ふたつの原爆の図」をならべて比較するという、これまで試みられたことのない展示を行います。「本作」と同様の役割を果たした「再制作版」は、ただの“影武者”だったのでしょうか。それとも「本作」とは別の、独立した作品なのでしょうか。

 「原爆被害を伝える」という社会的使命を担った作品における「再制作」の意味とは何か。「模写」を「加筆」した作品の、オリジナリティはどのように考えるべきなのか。こうした問題は、たんに《原爆の図》だけにとどまらず、芸術表現の根源に迫る機会になるのかもしれません。

※5月中旬より、兵庫県立美術館への貸出のため、「本作」(丸木美術館蔵)の第1部《幽霊》は複製展示となります。どうぞご了承ください。


原爆の図 第1部 幽霊(再制作版) 
丸木位里・丸木俊・濱田善秀ほか 1950-51年頃 広島市現代美術館蔵


原爆の図 第2部 火(再制作版) 
丸木位里・丸木俊・濱田善秀ほか 1950-51年頃 広島市現代美術館蔵


原爆の図 第3部 水(再制作版) 
丸木位里・丸木俊・濱田善秀ほか 1950-51年頃 広島市現代美術館蔵

●第2部:原爆の図の周辺と1950年代
4月16日(土)~6月18日(土)
《原爆の図》再制作版の展示に合わせて、初期《原爆の図》制作の前後に描かれた丸木夫妻の人体デッサン(原爆の図丸木美術館と広島平和記念資料館所蔵)を展示します。また、当時の巡回展にかかわった峠三吉やヨシダ・ヨシエの肖像スケッチをはじめ、関連資料を紹介します。

  
左より、原爆の図 八月六日 丸木位里・丸木俊 1950年11月 広島平和記念資料館蔵、峠三吉氏像 丸木俊 1950年10月 広島市中央図書館蔵、ヨシダ・ヨシエ氏像 丸木俊 1950年夏 原爆の図丸木美術館蔵

また、第2部会期中を通して、1950年代はじめの《原爆の図》制作と全国巡回展の様子を記録した映画『原爆の図』(1953年公開、新星映画社、岩崎昶製作、今井正・青山通春監督、モノクロ17分)を上映します。



↓チラシはこちらからご覧ください。