2012年度 企画展

福島から広がる視線1
池田龍雄展

2012年5月26日(土)〜7月7日(土)

戦後社会の矛盾を見つめてきた美術家・池田龍雄が、原発事故によって汚染されたフクシマを見つめ、また、 フクシマから私たちの現代社会を見つめ返す。
【詳細ページ】



福島から広がる視線2
新井卓銀板写真展

2012年7月14日(土)〜9月1日(土)

ダゲレオタイプ(銀板写真)を撮り続ける写真家の新井卓が、原発事故後の飯館村や南相馬の風景や人びとをとらえる。
7月15日には崔善愛による被爆ピアノのソロコンサートも予定。
【詳細ページ】



発掘:戦時下に描かれた絵画(仮称)

2012年9月8日(土)〜10月13日(土)

「国四郎」の偽のサインが入った作者不詳の油彩画「南京弾痕光華門」の謎を多彩な資料で考察。
同時に水彩画家・吉田博のアトリエから多数発見された中国大陸の未公開水彩画も初公開。
【詳細ページ】



今日の反核反戦展2012

2012年10月20日(土)〜11月17日(土)

池田龍雄を呼びかけ人とし、反核反戦をテーマとする自由参加形式の展覧会。
2005年に故・針生一郎が提案し開催した企画展の志を受け継ぐかたちで毎年恒例となっている企画。
【詳細ページ】



本橋成一写真展「屠場」

2012年11月23日(金)〜2013年1月19日(土)

大阪・松原屠場の労働現場を20年にわたって記録し続けた写真家・本橋成一による写真展。
【詳細ページ】



丸木美術館クラブの10年

2013年1月26日(土)〜3月2日(土)

10年にわたって毎月開催してきた「丸木美術館クラブ」工作教室の作品展。
【詳細ページ】



遠藤一郎展

2013年3月9日(土)〜3月24日(日)

車上生活を続けながら全国各地で芸術活動を展開し、震災後に精力的に東北支援も続ける 「未来美術家」遠藤一郎の個展を予定。
【詳細ページ】



これまでの企画展

1999〜昨年までの企画展の案内はこちらのページをご覧ください。


池田龍雄展

会期中イベント 出品作品リスト 

福島から広がる視点1 池田龍雄展

散りそこねた桜の碑

芸術は心や魂の領域にあるのだから、
人々の意識に働きかけることによって
緩やかに間接的に
世界を変えることは可能だろう

革命は、血を流すことなく
時間をかけてゆっくり、
心と魂の側から
なされるべきだ

1928年に佐賀県に生まれた池田龍雄は、海軍航空隊に入隊し、特攻隊員として17歳で敗戦を迎えました。
戦後、一時は師範学校で教師を目指しますが、「軍国主義者」と見なされて追放され、既成の権威や秩序に縛られずに 自由な表現の世界に生きようと決意して多摩造形芸術専門学校(現・多摩美術大学)へ入学します。
やがて岡本太郎や花田清輝らの研究会に参加し、前衛芸術の道を歩むようになりました。
1950年代には、社会問題への関心を高め、絵画によるルポルタージュの可能性を探り、炭鉱、内灘・立川などの基地闘争、 水爆実験、日本の再軍備などをテーマとした作品を次々と発表し、注目を集めました。
その後も美術界の第一線で活躍し、丸木美術館で毎年開催している「今日の反核反戦展」にも出品を続けています。

場の位相 ―戦場―

今展では、福島原発事故を主題にした《蝕・壊・萌》三連作を軸に、戦争や社会の歪みを表現してきた池田の近年の 作品を紹介しながら、現代文明が抱えている問題をとらえなおします。
「芸術は人々の意識に働きかけることによって間接的に世界を変えることができる」と語る池田の一連の作品は、
私たちの想像力を刺激し、未来に向けてどのように歩んでいくべきかを考えさせてくれるのではないでしょうか。

画像(上):散りそこねた桜の碑
(池田龍雄、2008年)
画像(下):場の位相 ―戦場―
(池田龍雄、2005年)

オープニング企画・池田龍雄講演会

池田龍雄

5月26日(土)午後2時
参加自由(当日の入館券が必要です)
当日は、午後1時30分に東武東上線森林公園駅
南口に美術館の送迎車が出ます。

=この企画は終了しました=

「蝕」―津波―
「壊」―原発―
「萌」―復興―


ヒロシマに原爆が炸裂し
核の魔力で数万の命が奪われたとき
一人の詩人が叫んだ
 ニンゲンヲカヘセ!
だがその声は何処に届いたのか


フクシマで原発が破裂し 核が暴れだし
人間が虫けらのように追い払われている
土地が奪われ
暮らしが壊され
作物も
牛も鶏も
犬猫さえも見棄てられた
だから われわれは詩人に代わって再び
声高に叫ばなければならない
 ニンゲンヲカヘセ!
 クラシヲカヘセ!
 スベテノイノチヲカヘセ!

画像:「蝕」―津波―「壊」―原発―「萌」―復興―
(池田龍雄、2011年)

〈同時開催〉 福島原発の闇


C水木プロ

1979年の『アサヒグラフ』10月19日号・26日号に、フリーのルポライター堀江邦夫さんの原発労働者のルポルタージュと、水木しげるさんのイラストレーションが掲載されました(当時の題は「パイプの森の放浪者」)。
33年前に発表されたルポルタージュであるにも関わらず、その内容は原発の現場がいまも昔も変わらぬものであるということに驚かされます。

この作品は、昨年3月11日の福島原発事故発生後に単行本として新たに編集され、8月に『福島原発の闇 原発下請け労働者の現実』として朝日新聞出版より刊行されました。原発労働を体験するため身元を隠して福島原発で働いた堀江さんの迫真の報告、そして水木さんの力の入った細密なイラストレーションの迫力には圧倒されます。

『福島原発の闇』の解説によれば、水木さんは「原発で働く労働者の姿に、無責任な大本営体制のもとで末端兵士として死にかけた自らの戦争体験を重ねていた様子だった」そうです。
この一連の作品の原画は見つかっていませんが、丸木美術館では、“福島から広がる視点”の特別展示の一環として、当時の『アサヒグラフ』のイラストレーションを拡大複写して紹介することにしました。

展示に際しては、ルポを手がけた堀江さんより、画像データや当時の貴重な『アサヒグラフ』を提供していただきました。
当時のレイアウトの都合上、イラストの上に文字が載せられており、その部分は今回の拡大複写では再現できませんが、作品の迫力は十分に伝わることと思います。
なお、堀江さんのテキストは、『福島原発の闇』から一部を引用して紹介しています。

出品作品リスト

タイトル 制作年 所蔵 備考
散りそこねた桜の碑 2008 作家蔵
場の位相 墓地 2010 作家蔵
場の位相 都市 2010 作家蔵
場の位相 田園 2010 作家蔵
触 −津波− 2011 作家蔵
壊 −原発− 2011 作家蔵
萌 −復興− 2011 作家蔵
場の位相 (A) 2002 作家蔵
場の位相 (B) 2002 作家蔵
場の位相 (C) 2004 作家蔵
場の位相 −戦場− 2003 作家蔵
場の位相 −壁と穴と−(A) 2004 作家蔵
場の位相 −壁と穴と−(B) 2004 作家蔵
場の位相 −壁と穴と−(C) 2004 作家蔵
場の位相 −壁と穴と−(D) 2004 作家蔵
場の貌 (A) 2002 作家蔵
場の貌 (B) 2002 作家蔵
場の貌 (C) 2002 作家蔵
場の貌 (D) 2002 作家蔵
シリーズ 場の位相 (A) 2003 作家蔵
シリーズ 場の位相 (B) 2003 作家蔵
シリーズ BRAHMAN 第5章 点生 1981 作家蔵
シリーズ BRAHMAN 第5章 点生 1981 作家蔵
絨毯に銃弾 −イラク− 2005 作家蔵
コンピュータ戦争 −イラク− 2005 作家蔵
遊園 (A) 1996 作家蔵
遊園 (B) 1996 作家蔵
青空の下を再び焦土にするな 2007 作家蔵
時の裂け目 2003 作家蔵
プルートー −シリーズ百仮面の内− 1962頃 作家蔵
戦士 1994 作家蔵
ヘルメット 1960 作家蔵
落ちたイカロス −原発建屋のお粗末− 2011 作家蔵
彼方で 2003 作家蔵
遠い声 2006 作家蔵
地球は青くなかった 1970年代 作家蔵
1970 作家蔵