
追悼 大道あや展
大道あやは1909年に広島県安佐郡飯室村(現広島市安佐北区)に生まれました。
やがて結婚して広島市内で美容師となり、原爆を体験。戦後は花火製造業に転じるものの、
工場の爆発事故で夫を失うなど波乱の人生を歩みます。
兄は水墨画家として知られる丸木位里、母の丸木スマも70歳を過ぎてから天真爛漫な絵を描いて注目を浴びる
という家族環境のなかで、あやも60歳を過ぎてから本格的に絵筆をとり、日本美術院展や女流画家協会展で
入選を重ねました。
緻密な筆づかいと鮮やかな色彩によって描かれた生命力あふれる絵画の根底には、
彼女が体験した数多くの喜びや悲しみがひそんでいることでしょう。
本展では、2010年9月14日に101歳で生涯を閉じたあやの画業を、《しかけ花火》や《野育ち》といった代表作を
中心とする日本画21点、『こえどまつり』などの絵本原画17点によって振り返ります。
晩年のあやが原爆体験を思い起こしながら描いた絵本『ヒロシマに原爆がおとされたとき』の原画も全点展示。
位里と妻の俊の共同制作《原爆の図》連作や、丸木スマの原爆作品との対比も興味深いところです。
あやは、絵画を制作した時期のほとんどを埼玉県内の東松山市と越生町で暮らしており、川越、秩父など
周辺の地域を題材にした作品も手がけています。
この機会に「埼玉を描いた画家」としての大道あやの一面も、多くの方に知って頂ければと思います。
画像:けとばし山
(大道あや、1982年、個人蔵)
会期中イベント アーサー・ビナードさん、小沢節子さん講演会
日時:9月23日(金/祝)
午後1時30分開始
講師:アーサー・ビナード(詩人)「大道あやは、大道あやである。」
講師:小沢節子(近現代史研究者)「描くことの苦しみと喜びのはざまで―大道あやの表現」
当日の入館券をお持ちの方、丸木美術館友の会会員の方はどなたでもご参加いただけます。
予約受付はいたしません。
※午後1時に森林公園駅南口に送迎車が出ます。
画像:小江戸祭
(大道あや、1979年(第34回春の院展入選)、個人蔵)
出品作品リスト
| タイトル | 制作年 | 所蔵 | 備考 |
|---|---|---|---|
| しかけ花火 | 1970 | 個人蔵 | 第25回女流画家協会展入選 |
| 野育ち | 1971 | 個人蔵 | 再興第56回院展入選 |
| 鬼になる日 | 1972 | 個人蔵 | 第27回春の院展入選 |
| いのり | 1972 | 個人蔵 | |
| 彼岸花 | 1972 | 個人蔵 | |
| 見すてられたオンドリ | 1973 | 個人蔵 | |
| 瀬戸内 | 1973 | 個人蔵 | 第28回女流画家協会展O夫人賞 |
| 五百羅漢 | 1973 | 個人蔵 | 第28回女流画家協会展O夫人賞 |
| ちちぶの夜祭 | 1975 | 個人蔵 | |
| 日曜日のハメルン | 1976 | 個人蔵 | 第31回春の院展入選 |
| ロンドンのフィッシュマーケット | 1976 | 個人蔵 | |
| マイエンフェルトの鈴音 | 1976 | 個人蔵 | |
| 小江戸祭 | 1979 | 個人蔵 | 第34回春の院展入選 |
| 越生のしし舞い | 1980 | 個人蔵 | 第34回女流画家協会展入選 |
| 軍鶏 | 1980 | 個人蔵 | |
| けとばし山 | 1982 | 個人蔵 | |
| 収穫 | 1982 | 個人蔵 | |
| 海に咲く花 | 1982 | 個人蔵 | 第35回女流画家協会展入選 |
| 婆ちゃんのお宝 | 1984 | 個人蔵 | 第38回女流画家協会展入選 |
| 絵本原画 ねこのごんごん | 1975 | 個人蔵 | |
| 絵本原画 こえどまつり |
1976 | 個人蔵 | 第6回ブラティスラヴァ世界絵本原画展優良賞(1977年) |
| 絵本原画 けとばしやまのいばりんぼ |
1980 | 個人蔵 | |
| 絵本原画 ヒロシマに原爆がおとされたとき |
2002 | 個人蔵 | |
| かぐら | 1975 | 広島市立 飯室小学校 |
|
| 蛇祭り | 1978 | 小山市立博物館 | |
| 解放 | 1980 | 原爆の図 丸木美術館 |
