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終了いたしました。


東京不知火座・原爆の図丸木美術館主催
ひとり芝居 天 の 魚 (てんのいを)


2009年 117日(土)

チラシPDFファイル
おもて(1.38MB) うら(2.27MB) 


「天の魚(てんのいを)」は石牟礼道子氏が水俣病患者の世界を描いた文学作品『苦海浄土』をもとに、東京の舞台人として活躍していた故砂田明氏が演劇化したひとり芝居です。
1993年に砂田氏が志半ばで倒れるまで556回の公演を重ね、81年には紀伊国屋演劇特別賞を受賞しました。
今回は砂田氏の弟子・川島宏知による、14年ぶりの復活。
丸木美術館に隣接する移築古民家「野木庵」での上演です。

また公演に先だって、東京・水俣病を告発する会の久保田好生さんをお招きし、「水俣病の今」と題した講演を行っていただきます。

お問い合せ、お申し込みは丸木美術館事務局まで
355-0076 東松山市下唐子1401
TEL:0493-22-3266
FAX:0493-24-8371
E-mail:marukimsn(at)aya.or.jp

2009年11月7日〔土〕
入場料:前売2000円 当日2500円 全席自由
(丸木美術館友の会会員は各500円引)
※丸木美術館の展示もご覧いただけます。

出演/川島 宏知
講演/久保田 好生「水俣病の今」
原作/石牟礼道子 構成・脚色/砂田明 演出/岡村春彦 
潤色/川島宏知
主催/東京不知火座・原爆の図丸木美術館
当日のスケジュール
15:40〜 久保田好生さん講演「水俣病の今」
16:45〜 川島宏知ひとり芝居「天の魚」
18:15終了予定

※丸木美術館へのご来館は市内循環バスが便利です。
【行き】15:05 高坂駅西口→丸木美術館北(約20分)
【帰り】19:16 丸木美術館北→高坂駅西口(約20分)



ひとり芝居「天の魚」について    最首 悟(さいしゅ さとる・評論家)
広島・長崎について、「過ちは二度と犯しませんから」と私たちは誓った。
軍部と国家権力にうかうかと騙され、朝鮮半島・中国からニューギニアに至るまで侵略した民族として、二度と愚かな残虐な戦争は起こさないと誓ったのである。
その誓いには当然にも、この戦争による被害者への償いを可能な限り早期にそして十分に行うという責務も込められてる。
戦後は六十五年になろうとしている。
しかるに政府は、原爆症認定について、いまだに積極的ではない。
どうしてそのようにしぶるか、誰もが疑問に思う。
しかしそのような政府を選んできたのは私たち自身なのだ。
戦後生まれた人たちは戦争に罪はない、しかし責任はあるとドイツ大統領のヴァイツゼッカーは言った。
戦争責任について、日々の暮らしのなかで、どのような位置を占めているか、心を引き締めてゆかねばならないと思う。

そして水俣である。
侵略の一半を担った野口コンツェルンすなわち朝鮮チッソは、戦後水俣に引き上げて植民地支配のやり方をそのまま続けた。
そして日本の復興に大きく寄与したと自負している。
水俣は広島・長崎と同じく、私たちの戦争責任の問題であるのだ。
水俣には在日朝鮮人として迫害を受け、原爆症にかかり水俣病になった人がいる。
そのような人達の苦しみについて、ほんとうに少なくとも心を閉ざしてはならないのだ。
戦争は終わっていない。
広島・長崎は終わっていない。
水俣は終わっていない。

水俣病は脳を冒す。
脳は全身の生理機能の連絡調整器官であって、その不調はさまざまな全身症状を引き起こす。
劇症の悲惨さはハンセン病と同じ差別をもたらした。
ゆるやかな波がある症状は金欲しさのニセ患者として差別された。
働くにも働けない、死ぬに死ねない、頭痛とカラス曲がり(筋がつる)の慢性症状の広がりがどれくらいあるかわからない。
水俣病の幕引きなどあるわけがないのだ。

水俣病はその悲惨さにおいて、原爆症と同じく目をそむけがちである。
しかし人は悲惨さのみのなかで暮らすわけではない。
人は誰もが哀歓に生きる。
悲惨さはその哀歓を細やかにし、光輝かせることもある。
石牟礼道子は水俣のそのような人間像を営々と書き続けてきた。

一人芝居「天の魚」の漁夫、江津野老はその代表、その結晶ともいうべき人間像で、悲惨さが哀歓によって、哀歓が悲惨さによって強められ、その相互作用の中から愛しかるべき〈いのち〉、はかなき〈いのち〉、たくましい〈いのち〉、おおらかな〈いのち〉が輝き出てくる。

石牟礼道子は、一日一日もう間がわるくて、かろうじて言葉を紡ぎ、言葉がなくなると自分を焚いたと言う。
揉み出されたようにして形をなした『苦海浄土』三部作の中でも、胎児性水俣病の孫の杢太郎少年を語る江津野老に水俣は、ひいては人間なるものが凝縮されている。