丸木スマ展
不思議な色彩と表現の世界
2004.9.7.(火)〜11.26.(金)





おんどりめんどり 1955年
  


丸木スマは70歳を過ぎて絵を描き始めた画家として知られています。
身近な生きものや野菜、花、農村の生活風俗などを伸びやかに描いた作品は、発表当時から人びとに注目され、新鮮な感動を与えました。

「色彩が素朴、新鮮で、天衣無縫、何ものにも捉われず、自分の感情の走るままに描いたもの」(堅山南風)、
「その無垢な感覚と気持を集中した表現には、80年の質実な実感と体験が裏づいており、そこに誰の亜流でもない、どの形式にもなずまない、立派な真実が出てくる」(河北倫明)、
「何という自然讃歌だろう。スマさんの絵心に畏れを感じた。誇張でなく哲学的で、一見童画風ながら、まったくちがう。人生の苦惨を経た人の、無心な絵に心をうばわれた」(水上勉)、
「日本という、かつては香しかった地が、人類史の悪しき必然の中で、本来の姿を喪ってしまった時に、丸木スマという藉(せき)やしていた老いた女に悲しみの地の霊が宿り、神には約束の土地の、血を受け継ぐものに、香しいしるしの世界を、ひらかせ給うたのではあるまいか」(石牟礼道子)
など、多くの作家たちからも称讃を受けています。

1875年、広島県安佐郡伴村(現広島市沼田町)の農家の娘に生まれたスマは、20歳のときに丸木金助と結婚、家業の船宿業と農業に従事し、長男位里をはじめ3男1女を出産します。
やがて広島市三滝町に転居し、そこで原爆を体験して翌年夫を失いました。
その後、位里夫妻の勧めにより絵を描き始め、1956年に亡くなるまでの間に700点以上もの作品を残しています。
幼少の頃より窮屈が嫌いで学校にも行かず、生涯読み書きをしなかったスマですが、対象の本質に迫る鋭敏な感覚と独特のユーモアあふれる表現は、いまも多くの人を魅了し続けています。

目で外側から見ただけの写実ではなく、彼女流に実体をつかみ取る“原始的な真実性”に支えられた主題が、独特の色彩感覚によって、現実と空想のはざ間のような画面のなかに、生命のまんだら図のように表現されていく――そうした彼女の芸術の特性を、本展覧会では代表作からデッサン風の小品まで80点の作品を通して様々な角度から見つめていきます。
丸木スマが描き出した不思議な色彩と表現の世界を、ぜひこの機会にお楽しみ下さい。
(丸木美術館学芸員・岡村幸宣)

梅が咲く 1952年



わたしとクマ 1951年



野 1950年



白い鳥 1951年


出展作品
白い鳥 1951年
おんどりめんどり 
1955年
野 
1950年
池の友達 
1952年
内海の魚 
1954年
柿もぎ 
1949年
村の夕暮れ 
1954年
梅が咲く 
1952年
仙人 A 
1952年
ダリア 
1952年
生けた南天 
1953年
塔 
1950年
塔とねずみ 
1950年
母猫 
1951年
つつじ 白 
1952年
鳥の林 
1952年
にわとり 
1953年
黄菊白菊 
1956年
もくれん 赤
もくれん 白
ひまわり
暮れる畑 
1952年
もみじ谷 
1953年
せみが鳴く 
1952年
せどの山 
1952年
花と猫 
1954年
めし 
1950年
なすときゅうり
なす、うり、みかん、トマト
やさい 
1953年
簪 
1955年
わたしとクマ 
1951年
一粒百万倍 
1950年
おはなし
夏みかん 
1951年
白椿 
1952年
ピカのとき 
1950年
おとぎ話 
初期
原爆の図デッサン 
初期
春の山 
晩期

黄菊白菊 1956年

塔 1950年
コスモス 最初期
ひょうたんの花 
晩期
いちさんの赤かぶ白かぶ 
晩期
二本の竹の子 
初期
白い犬 
初期
あざみの一株 
晩期
ピカ ―三滝の橋― 
片瀬(中期)
りんごと柿のはちもり 
晩期
すすきと太陽 
中期
黒い鳥にあやめ 
中期
俊の像 
中期
月見 
晩期
ゆりの花 
中期
ほうせんかとくま 
中期
カンナ 
中期
山へのぼる長男たち 
中期
海の幸 
晩期
お人形 
1953年
雪の降った庭 
中期
花影の少女たち 
中期
花影 1953年
白い母猫 1 
初期
白い母猫 2 
初期
俊の像 
中期
絵を描く自画像 
初期
美人の像 
初期5
息子 
初期
黒い着物の人 
初期
夕立 
初期
たばこ 
初期
座椅子に坐る息子 
初期
母子像 
初期
さむらい 
初期
ポパイ 
初期
美人の像 
初期
自画像 
初期
自画像 
初期
原爆の図 人物デッサン 
初期
物語 飛ぶ馬 
初期
動物たちと西洋人 
晩期




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