韓国を中心に、世界的に活躍する安星金の、〈旭日旗〉をテーマにした注目の新作。
初期水墨画作品も展示します。

関連企画 大串孝二パフォーマンス
10月18日(土) 午後2時半
出品作品

〈旭日旗〉

2003年 インスタレーション

〈私たちの時代 1〉

1985年 墨、綿布
960*225cm

〈沈黙する人〉

1985年 墨、綿布
145*280cm

〈悪寒〉

1985年 墨、綿布
145*280cm

〈正座〉
1985年 墨、綿布
145*280cm

〈抗議の叫び〉
1985年 墨、綿布
145*280cm

〈Watcher 2〉

1985年 墨、綿布
145*280cm

〈人間のために〉

1985年 墨、綿布
160*280cm

〈旭日旗〉
安星金展のたのしみ
針生一郎(美術評論家・丸木美術館館長)

 安星金との出会いは、1985年、日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ美術家会議(略称JAALA)展に初来日のときである。
当時の彼女の作品は、僧侶たちの肖像を描いた迫力ある水墨画だった。
彼女は少女時代から仏教に惹かれて尼僧を志したが、山岳仏教の伝統のつよい韓国の山寺で人里離れては暮らせないと思い、弘益大で美術を学んだという。

 それからまもなく安星金はパリに移り、作品にインスタレーションをとりいれながら、仏教への関心は変わらなかった。
その後彼女がヨーロッパ、韓国、日本で発表した作品は、経文を墨書した巻物状の紙や布を壁から床までのばし、まわりの床に米粒を捲きちらすインスタレーションを経て、朝鮮半島の南北分断を象徴するかのように、中央で左右に切断されたブロンズの仏坐像を、床に多数の対として林立させる方式に達した。
この切断された仏像のインスタレーションは、なお継続しているが、そこから多様な方向が平行して展開される起点ともなっている。

 2000年の第3回光州ビエンナーレで、わたしがキュレーターをつとめた特別展示〈芸術と人権〉では、安星金は2メートル以上の高い脚をもつ、「玉座」とよびたい椅子ひとつと、テレビ・モニターの廃品を平べったい立方体に積みあげた形で、独裁権力下の北朝鮮と工業化の韓国を象徴し、入口の壁にドルと円の紙幣をならべて、米日の経済支配が南北分断を固定化させていることを明示した。
同年秋、ソウル最大の画廊ガナ・アートでひらかれた回顧展では、中庭のつき当たりの丘の上にやはりテレビの廃品でミサイル基地を築き、喫茶店を兼ねる中庭のパラソルに発射されたミサイルの形を縫いつけ、廊下にウォール街の株価を報道する英字新聞の束を鉢植えのように鉢につみあげてならべた、《アンチ・グローバリゼーション》と題する近作もあった。

 帝国主義、覇権主義、グローバリズムへの反対を構想の基軸とする安星金は、米国の軍事覇権と同様その米国に従属する日本の軍事大国化にも批判を怠らず、また近年多くのコインをならべて金銭批判の作品もこころみている。
インスタレーションの要素をとりいれても、モダーニズムの方向にはむかわない。
そういう彼女は丸木美術館で個展をひらくにふさわしく、この個展でどんな文明批評を作品化してみせるか、大いに期待し、またたのしみにしているのはわたしだけではあるまい。
安星金(アン ソングン) 
1958.......大韓民国出身
1983.......弘益大学校美術大学東洋画科卒業
■個展
1983.......寛勲美術館、ソウル
1984.......耕仁美術館、ソウル
1985.......ギャラリーQ、東京
...............ト`ソンギャラリー、ソウル
1988.......ギャラリーカルロス・フルス、ベルリン
.............「円と音から」ト`ソンギャラリー、ソウル
1990 「音のヴィジョン」ギャラリールーカス、カンデイヤ、スペイン
..............「音のヴィジョン」ベルガルート文化院、ベルガルート、スペイン
..............「音のヴィジョン」麥香(メクヒャン)画廊、大邱、韓国
..............「声−絵画」ギャラリー・カルロス・フルス、ベルリン
..............「観音ギャラリーASG」名古屋
1991.......「Buddha Sound」ギャラリーカルロマリアウエーバー、トリノ、イタリア
..............「Buddha Sound」ギャラリーパスカルルーカス、バレンシア、スペイン
1992.......「Avvistamenti」ギャラリースプロビエリ、ローマ、イタリア
..............「Buddha Klang」ギャラリーエルメ、ベルリン
1993.......「Buddha Sound」内藤画廊、名古屋
..............「Buddha Sound」ギャラリーパスカルルーカス、バレンシア、スペイン
..............「Buddha Sound」ギャラリーセノ、ミラノ、イタリア
1994.......「第7回名古屋現代美術画廊祭」名古屋市民ギャラリー、名古屋
..............「Buddha Sound」ギャラリーマロニエスペース5、京都
...............「第9回画廊美術祭」芸術の殿堂ハンカラム美術館、ソウル
............... 集雅堂画廊、大阪
1995.......「Buddha Sound」メイヤーギャラリー、ロンドン
.............. 「Buddha Sound」朴栄徳画廊、ソウル
1996.......「Buddha Sound」ギャラリーセノ、ミラノ、イタリア
.............. 「Buddha Sound」ギャラリーマロニエ、京都
1997.......「Buddha's Garden」ギャラリールーカス、バレンシア、スペイン
2001.......「On the War・On the Show」ガナアートセンター、ソウル
2003.......ギャラリーQ、東京
.............. 丸木美術館、埼玉

■グループ展
1985.......「東京展」東京都美術館,東京
1990.......「TOTALNOVO」シシリア地方図書館、パレルモ、イタリア
1993.......「音に触れる」アポロハウス、アイントホーフェン、オランダ
...............「未来のむこう側に」'93大田エキスポ彫刻公園、大田市、韓国
1994.......「私の母の肖像」フランスエコス文化院、エジンバラ、スコットランド
................イギリスフランス文化院、ロンドン、イギリス
1995 ......「韓国現代美術50年展」国立現代美術館、ソウル
................「シカゴアートフェア」シカゴ
................「伝統と今日の作品」善載(ソンジェ)美術館、慶州、韓国
................「虎のしっぽ」パラチョメンツラミンアイカルミーニ、ベニス、イタリア
................「戦争と芸術」大阪国際平和財団,大阪
................「解放50年歴史美術館-私たちは何処にいるのか-」芸術の殿堂、ソウル
................「情報と実際」フルーツマーケットギャラリー、エジンバラ、イギリス
................「'95光州ビエンナーレ-境界を越えて」光州、韓国
1996 .......「祖国-河」 ソウル市立美術館、ソウル
................「トリトンコンテンポラリーアートフェア」 サンフランシスコ、アメリカ
................「文字とイメージ 」ハンリム美術館, 太田、 韓国
................「母のイメージ」 フォーラムデザール、パリ、フランス
................「彫刻家とそのドローイング」メイヤーギャラリー、ロンドン
1997 .......「美術館で満ちあふれるユーモア」省谷美術館、ソウル
................「ケルンアートフェア」ケルンメッセ、ケルン、ドイツ
1998 .......「民族芸術祭り'98"」芸術の殿堂、ソウル
................「彫刻の85年」メイヤーギャラリー、ロンドン
................「私達の母」市立写真ギャラリー、モンテペリエ、フランス
................「新世紀に向かって」光州市立美術館、光州、韓国
................「Im Jahr des Tigers」 Haus der Kulturen der Welt, Berlin/Achen、ドイツ
................「ネオ・ラグーン-北東アジアの現代美術」 新潟県民会館ギャラリー、新潟
1999 .......「アジアの森から」 金津創作の森、福井
................「女性芸術祭 '99」芸術の殿堂、ソウル
................「北東アジアと第3世界の美術」ソウル市立美術館、ソウル
................「アジアート"現代美術館」Villa Croce、ジェノヴァ、イタリア
2000 .......「The Travelling Art Museum」 国立現代美術館、ソウル
................「第3回光州ビエンナーレ(芸術と人権セクション)」第3回光州ビエンナーレ、 光州
2001 .......「No Cut」 ギャラリーサビナ、ソウル
................「韓国における米国犯罪の国際戦争犯罪法廷」インターチャーチセンター、ニューヨーク
................「1980年代のリアリズムと時代」ガナアートセンター、ソウル

■パフォーマンス
1985 .......「Budda Statues at Seashore」 Daecheon Beach、韓国
1989 .......「Touch for Sound」 Studio Panoyaux、パリ
................「Touch for Sound」 エスパスジャポン、パリ
1990 .......「Touch for Sound」 Merve Verlag、ベルリン
................「Touch for Sound」 Het Apollohuis, アイントーヴェン、ベルギー
................「Piccolo Piccolo Piano Piano」ギャラリーASG、名古屋
................「Touch for Sound」内藤画廊、名古屋

同時開催 ギャラリーQ 安星金展
10月6日(月)〜18日(土)11:30-19:30(最終日17:00) 日曜休廊

【ギャラリーQ】 104-0061 東京都中央区銀座1-15-7 マック銀座ビル2階
TEL:03-3535-2524 FAX:03-3535-2523
 ホームページ http://www2.tky.3web.ne.jp/~galleryq



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