原爆の図丸木美術館企画展
2002.10.1.(火)〜12.21.(土)
出品作家によるシンポジウム
「今日の戦争と絵画」
10月6日(日)午後1時半〜
司会:針生一郎
当日は無料送迎車を運行します。
東武東上線森林公園駅南口 午後1時発
    〈五人の反戦画家〉展に寄せて                針生一郎
 昨年末から今春まで、丸木美術館で開催された〈Piece For Peace 2001 ――「Oh No! 報復戦争」詩画展〉の出品作家中、多くの注目を集めた五人の画家をとりあげ、前回とは別の作品を数点ずつ展示する。とはいえ、彼らはいずれも自己の戦争体験に固執する、反戦絵画家として有名なわけではない。むしろ、これまで「平和」な日常に背をむけ、あるいはそれを突きぬけて幻想やブラック・ユーモアをくりひろげてきた作家たちに、グローバル化した世界帝国の支配者気取りのブッシュ政権が、自爆テロの形で露呈した内乱=革命の可能性を予防するため、精密工業化した武器を駆使して一方的攻撃を加え、無数の死傷者や難民を残す戦争の現実が、一挙に追いついたといえる。そこに彼らの作品の新鮮さと興味深さがある。
 個別的にみると、デザイナーである佐藤俊男は天皇や各国元首と兵士・民衆・その生活情景を、写真の転写によるモンタージュで矛盾をきわだたせながら、痛烈にまたユーモラスに批評する作風をつづけている。上條明吉は山野にかさなり横たわる骸骨の群れに、多年私的な好みで固執してきたのが、本人にも意外なほどにわかに公的、普遍的な意味をおびてきた。西元利子は書から出発したが、フェミニズムの思想から文字と文字を変形したイメージを組みあわせて、従軍慰安婦の苦悩を追求するうち、いや応なく戦争の状況全体にたちむかわざるをえない地点にさしかかった。加藤義勝は国家の枠とともにヒューマニズムの枠をこえて、幻想を宇宙的に拡大したユートピアないしデトーピアを絵画と小説でさぐってきたが、アフガン戦争こそまさに彼のデトーピア幻想の現実化とみえたことだろう。水谷イズルはアジアのフォークロア的幻想を絵画とインスタレーションで追求してきただけに、アフガン、イラク、パレスチナなどの民衆の視点で、容易に戦争を冷眼視することもできたと思われる。
 これら五人の眼で見ると、今もつづく戦争や占領の本質が新しく照らし出されるにちがいない、とわたしは信じている。
出品作家 プロフィール
加藤義勝 Yoshikatsu Kato
1970 東京生まれ
1992 大阪芸術大学芸術学部映像学科卒業
1997 個展 牧神画廊
1999 個展 牧神画廊
2000 絵本「螺旋家」発表(牧神画廊・トムズボックス)
2001 個展 牧神画廊
日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ美術家会議(JAALA)会員
SCUM2000主宰


上條明吉 Akiyoshi Kamijo
1934 長野県生まれ
1957 日本大学芸術学部美術科卒
1980 東京展(〜現在まで)
1999 KOREA+JAALA展(ソウル市立美術館・韓国ソウル市)
   「東京からの7天使」パレスチナ巡回展
2000 相模原市無錫市交流展(無錫市博物館)
2001 個展 地球堂ギャラリー



佐藤俊男 Toshio Sato
1940 東京生。
'66〜'72 ヨーロッパ特にスウェーデンに4年滞在。
シルクスクリーン、銅版画を学ぶ。
'73〜86' 日本デザイン専門学校で教職。
1980〜 JAALAに参加、〈第三世界とわれわれ展〉等
'個展12回、グループ展など多数参加
グラフィックデザイナーとして社会科学思想関係書籍の装幀を多く手がける



西元利子 Toshiko Nishimoto
東京生まれ。日本書道専門学校卒業
1995 個展
1997 個展〈哭する女たち〉
1999 個展〈楽に寄せて〉
   KOREA+JAALA展
2000 光州ビエンナーレ「芸術と人権」部門出品
2002 個展〈冷めない悪夢―今、戦争とは?〉


水谷イズル Izuru Mizutani
1961 愛知県名古屋市生まれ
2000 個展「Born in the Babylon」(ガレリア・フィナルテ)
2001 個展「Lamentations 哀歌」(ギャラリーアパ)
1980-2002 JAALA展(東京都美術館)
1990 日仏現代美術展(グランパレ美術館ほか)
1991 KOREA+JALLA韓国ソウル美術展(ソウル市立美術館)
2002 人人展(東京都美術館)

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