2002.4.2.(火)〜6.29.(土)

作家トーク
(全7回/いずれも丸木美術館にて午後1時半より)
4月21日(日)井口環誠 6月2日(日)八鍬瑞子
4月28日(日)福田恒太 6月8日(土)豊田直巳
5月12日(日)上條明吉 6月9日(日)上條陽子
5月26日(日)大榎淳
作家トーク当日は無料送迎車を運行します。
(東武東上線森林公園駅南口 午後1時発)

展覧会趣旨           針生一郎
 昨秋の「同時多発テロ」への「報復」として、ブッシュ政権がアフガニスタン攻撃に集中したのは、イスラエルのパレスチナ人弾圧と連動しているといわれる。
 たしかに、イスラエルの占領・植民―パレスチナ人の反撃―イスラエル軍の何倍もの報復攻撃の循環こそ、テロ対策を口実にどこにでも出兵し占領する、アメリカの一極武力支配の原型かもしれない。

 世界に四散して各地で人種差別・迫害をうけたユダヤ人が、ユダヤ国家復興を企てたシオニズムが、130万のアラブ住民を無視して「約束の地」パレスチナを選び、しかも帝国主義と同じ植民で、英米独ソなど帝国主義・社会帝国主義諸国と取り引きしながら、建国にこぎつけた点に禍根がある。
 その間ナチスのホロコーストの裏返しのように、パレスチナ人差別・迫害・追放・殺戮方式も体得する。

 たとえば初代首相ベン・グリオンは、パレスチナ集落を襲撃させてパレスチナ人の大量離散を誘う一方、「イスラエルに国境はない。必要な領土は奪いとる」と宣言して憚らない。
 実際、四次の中東戦争にイスラエルはアメリカの援助で連勝し、占領地に居座ってユダヤ人入植を促進した。
 数年前のオスロ合意で占領地撤退とパレスチナ自治区尊重を承認したが、なお占領地と自治区への入植をやめない。
 そして、パレスチナ人のどたん場の反抗も許せぬテロ、アラファトを「悪の元凶」とよぶイスラエル流語法も、ブッシュにうけつがれた。

 丸木美術館が反響をよんだ〈Oh No! 報復戦争〉展につづいて、〈今またパレスチナで〉展を企画するのは、明らかにアメリカ一極支配の悪代官領の道を歩むイスラエルを鏡として、アメリカの軍事的植民地となりながら、逆説的に帝国主義の一翼にとどまることを許されそうな、日本の現実を透視するためでもある。
 東京在住のパレスチナ人画家と、イスラエル領パレスチナ自治区を訪れた日本人美術家7人、さらにパレスチナの子どもたちの作品からなる展覧会を、多くの人々にみてほしいと思う。


〈パレスチナの子どもたち〉について
特定非営利活動法人 パレスチナ子どものキャンペーン

 難民となって50年以上が経つパレスチナの人たちは、いまも大変に厳しい生活をしています。人口の過半数を占めるのは故郷を知らない第三世代、第四世代になる子どもたちです。将来への希望を持てないまま、進学も就職もできずにいる若者たちへの支援が、中東と世界の平和にとって、とても重要になっています。
 2001年夏、レバノンでのボランティア・キャンプでは上條陽子さん、八鍬瑞子さん、武田晶子さんの熱意でパレスチナの子どもたちのためのアートクラスが実現しました。学校教育で美術を学ぶことのできない子どもたちにとっては、未知の画材や技術に出会うチャンスとなり、刺激に満ちたチャレンジでした。アートを通して他者と結びつき、自己表現することで、子どもたちは新しい世界と出会い、希望を感じることができました。今回、作品の展示と参加した子どもの来日が可能になったことは、新しい夢の実現です。
(パレスチナ子どもの作品展〈パレスチナのハート〉カタログより)

*今回の企画展では「パレスチナ子どものキャンペーン」のご協力のもと、パレスチナの子どもたちの絵画50〜60点の作品を展示しています。



ヴラディミール・タマリ
Vladimir Tamari



1942 エルサレム生まれ
1970より東京在住
パリの Institute du monde Arabe 美術館をはじめ、各国の美術館にコレクションされる、パレスチナを代表する画家の一人。
井口環成 
Kansei Iguchi



1941 福岡県生まれ
1998 鶴ヶ島アートフェスティバル MIXUP展(ギャラリーシバアート)
1999 KOREA+JAALA展(ソウル市立美術館) 墨絵展(地球堂ギャラリー)
大榎 淳 
Jun Oenoki


1962 佐賀県生まれ
1999 東京からの7天使(Al Wasiti Art Center・エルサレム 他)
1999 ふくいビエンナーレ8(福井市美術館・福井/Radio Home Run in the Netとして)
2001 空間・情報・身体 (熊本県立美術館・熊本)
上條明吉 
Akiyoshi Kamijo



1934 長野県生まれ
1999 KOREA+JAALA展(ソウル市立美術館) 東京からの7天使
2000 相模原市無錫市交流展(無錫市博物館)
上條陽子 
Yoko Kamijo



横浜生まれ
1999 東京からの7天使
2000 相模原市無錫市交流展
2001 パレスチナ難民キャンプ(レバノン)で子どもたちに絵画指導
建畠朔弥 
Sakuya Tatehata


1944 サイゴン(現ホーチミン市)生まれ
日本大学芸術学部教授
1999 東京からの7天使 ゴールデン街アートウェーブ
2001 時計仕掛けの彫刻展(日本橋高島屋6階美術画廊)
豊田直巳 
Naomi Toyoda


静岡県出身
フォトジャーナリストとして民族問題・難民問題・日本の現在などをテーマに世界各地を取材・撮影。週刊誌・月刊誌で発表している。
福田恒太 
Tsuneta Fukuda



1925 栃木県生まれ
1978 日本アジア・アフリカ・ラテンアメ リカ美術家会議(JAALA)結成に参画
2001 戦争展(地球堂ギャラリー)   川崎平和展、立川平和展
八鍬瑞子 
Mizuko Yakuwa



1947 仙台生まれ
1999 東京からの7天使
2000 ピョンテック国際芸術祭(ピョンテック)
2001 個展「パレスチナ・パレスチナ」
 

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