《原爆の図》紹介

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第1部 幽霊
原爆の図 幽霊
第2部 火
原爆の図 火
第3部 水
原爆の図 水
第4部 虹
原爆の図 虹
第5部 少年少女
原爆の図 少年少女
第6部 原子野
原爆の図 原子野
第7部 竹やぶ
原爆の図 竹やぶ
第8部 救出
原爆の図 救出
第9部 焼津
原爆の図 焼津
第10部 署名
原爆の図 署名
第11部 母子像
原爆の図 母子像
第12部 とうろう流し
原爆の図 とうろう流し
第13部 米兵捕虜の死
原爆の図 米兵捕虜の死
第14部 からす
原爆の図 からす
第15部 長崎
原爆の図 長崎

原爆の図 第3部 《水》

原爆の図 水

足の方を外側にして、顔を中心にして、死体の山がありました。
顔や口や鼻がなるべく見えないように積み重ねてあったのです。

焼き忘れられた山の中から、
まだ目玉を動かして、じっと見ている人がいました。
本当にまだ生きていたのでしょうか。
それともうじが入っていてそれで動いたのでしょうか。

水、水。人々は水を求めてさまよいました。
燃える炎をのがれて、末期の水を求めて……

傷ついた母と子は、川をつたって逃げました。
水の深みに落ち込んだり、あわてて浅瀬へのぼり、走り、
炎が川をつつんであれ狂う中を水に頭を冷やしながら、
のがれのがれて、 ようやくここまで来たのです。

乳をのませようとしてはじめて、
わが子のこときれているのを知ったのです。

20世紀の母子像。
傷ついた母が死んだ子を抱いている。
絶望の母子像ではないでしょうか。
母子像というのは、希望の母と子でなければならないはずです。

(原爆の図 第3部 《水》 1950年 屏風四曲一双 縦1.8m×横7.2m)