リナっ、リナ! なあ、聞いてくれ!
なによガウリイ。そうぞうしいわね。
オレとうとう、魔法が使えるようになったんだ。
へー。どんな魔法が使えるようになったのよ。ちょっとやってみなさい。
おう。まずは……明り(ライティング)!
おおっ!? ほんとに使えた!! まーすごい、ガウリイ、あんた呪文を丸暗記するだけの脳ミソがあったのねー。
まだまだこれからだぞ。次は……火炎球(ファイアーボール)!
うそっ! ガウリイが火炎球を!? どんなトリック使ってんのよ!!
驚くのはこれを見てからだぞ。――覇王雷撃陣(ダイナスト・ブラス)っっ!
なにこれ!? どうしてガウリイが!? 並の魔道士だって、こんなの使えないわよ!!
どうだ? これで少しは剣術バカから進歩しただろ。
少しどころの話じゃないわ! ゼルの使う魔法ぐらいのレベルなのよ! どーなってんのよ。いったいどこでこんな魔法を……。
んー、オレもよくわからん。なんか気がついたら使えるようになってたみたいだ。
いいかげんな……。まあいいわ。ガウリイの戦力がアップした、ってことは間違いない事実なんだから。これからは戦闘のとき、ガウリイの魔法もじゃんじゃんアテにしていくわよ。
おう! まかせとけ!
パターンA
あそこか? 依頼人の娘さんをさらったっていう盗賊団が根城にしてるのは。
そうよ。あの洞窟の中。でもさらわれた娘さんがいる以上、あの洞窟ごと吹っ飛ばすってわけにもいかないから、まずは陽動のために呪文をぶっ放して――
よしわかった! 火炎球っ!
…………
リナっ! やつら洞窟の中から出てきたぞ!
へ……? あ、ああ、そうね。よおし、ここはあたしの攻撃呪文で一発――
よしわかった! 火炎球っ!
……………………
全部やっつけたみたいだな。じゃあ人質を……って、リナ、おまえさんほっぺすりむいてるぞ。ここに来る途中、枝にひっかけたな?
…………え? あ、ホント? それじゃリカ――
治癒(リカバリィ)。ほら、大丈夫か?
………………………………
リナ?
…………ガウリイ、あんたやっぱり、魔法禁止。
えええぇぇぇぇぇっっ!!??
パターンB
ガウリイっ! 盗賊団よ! 一発でお願い!
おうっ! 火炎球!
ガウリイっ! 今度はゴブリンがたくさん出てきたわ! 魔法を的確な場所に撃ち込んでね!
おうっ! 火炎球! 火炎球! 火炎球ーー!!
ガウリイ大変っ! レッサー・デーモンの大量発生よ! 魔法と剣術合わせたあなたに敵はないわ!
おうっ! 覇王雷撃陣! おおおぉぉっ!
いやー、ガウリイが魔法使えるようになって、助かっちゃった♪
(ハア、ハア)…………リナ、オレやっぱり、魔法やめる。
ええー!? どうしてよ!!
どうしてって、おまえなあ……(バッタリ)