第2話『逆転エアライン』中編(その2)

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御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
狩魔 冥…水
木之路 いちる…緑
白音 若菜…紫
ジンク・ホワイト…青
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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同日 午後2時23分
G−390機内 1F CAルーム

冥: あなたね。機長の許可も取らずに、
機内の捜査をしたCAというのは!
木:‥‥‥‥
冥: あなたの行動は、マニュアルから
あまりにもイツダツしているわ。
一体、どんな目的があって
あんなことをしたのかしら?
木:‥‥わ、わたくしは‥‥
御:コノミチさん‥‥
木:あ。御剣さま!
御: くわしく話を聞かせて
もらえないでしょうか。
木:‥‥‥‥わかりましたわ。

(「木之路 いちる」と話す)

(「機長の許可」を聞く)
御: どうして、機長の許可が出たなんて
ウソをついたのですか?
木: ‥‥‥‥‥‥‥‥
わたくしでは、きっと機長の
許可を取るなんてムリでしたわ。
御:どういうことですか?
木: 機長は、いつも白音さんの話しか
聞きませんから‥‥
冥: 機長からは、さっき話を聞いたわ。
ずいぶん、あのCAのことを
気に入ってるみたいね。
木: それに‥‥
わたくし、カンチガイで御剣さまを
犯人だと疑ってしまった。
そのツグナイをしたかったんです。
御: そのことについては、
お礼を言わせていただきたい。
あなたのおかげで、私は容疑者では
なくなることができた。
木: 本当ですか!
御剣さまは、もうヌレギヌを
晴らすことができたんですね。
良かった‥‥
冥: 木之路さんだったわね。
‥‥もうひとつ聞かせて
もらえるかしら。
あなたは、エアポケットの前に
機内ショップに行っている。
そうね?
木:はい。
冥:何をしに行ったのかしら?
木:それは‥‥
御: (ん? どうしたのだ?
急に様子が変わったような‥‥)

(「機内ショップ」を聞く)
木: 機内ショップには、ただ様子を
見に行っただけでございますわ。
冥: 仕事だったということかしら。
木: ええ。あそこは
わたくしの担当ですし、
仕事以外の用事はないですから。
冥: そのあと、CAルームにも
立ち寄っているわね。
木: CAルームは、ちょっとお化粧を
直しに行っただけで‥‥。
お話するようなことは、何も
ないんですよ。すいません‥‥
御: (機内ショップには、仕事以外の
用事はない‥‥
はたしてそうだろうか?
アレについて話を聞いてみるか)

(「ゴーユー・スーツケース」をつきつける)
御: コノミチさん。
コレを見てください。
木: あ。
そのスーツケースは‥‥!
御: このスーツケースはあなたが
デザインしたものだそうですね。
あなたが、機内ショップに
足を運んだ理由。
私には、
分かるような気がします。
木: ‥‥‥‥あなたの前では、隠し事は
できないみたいですね。
御: 聞かせていただけるでしょうか。
木: はい。私、自分のデザインした
スーツケースの売上が‥‥
気になって気になって!
ああ! 接客のプロとして
そんなことではいけないのに、
こっそり様子を見に!
あのひとつが、最後の売れ残り
でしたから‥‥!
御:
(最後の‥‥だと?)

(「最後のスーツケース」を聞く)
御: コノミチさん。そのスーツケース、
今、最後のひとつと言いましたか?
木: ええ。もう大人気で、飛ぶように
売れておりまして!
御: (どうも、聞いた話と
ちがうようだ‥‥)
木: 機内ショップにあるのが、
最後のひとつですわ!
御: 先ほど、そのスーツケースを
ハイケンさせてもらいました。
木: そうですか! お買い上げ
ありがとうございます!
御: いや、まだ買うとは言っていない。
木:言ってください!
御:そ、それは‥‥ことわる。
木: そ‥‥そんな!
なぜですか!
きっと御剣さまに
お似合いだと思います!
接客のプロとして、
保証いたしますわ!
御: むぅ。あれは、そう。なんというか。
‥‥悪趣味だ。
木:いっ‥‥イヤァァァッ!
御: (うム。少し言い過ぎたか)
しかし、問題は、
あのデザインではない。その数だ。
木:数ですか?
御: 機内ショップのスーツケースは、
2つあった。
木: 2つ?
そんな‥‥。オカシイです!
たしかに残りは
ひとつだったハズ‥‥。
冥: どうやら、彼女の言っていることは
ムジュンしているようね。
木: 機内ショップに行ったとき、
スーツケースは‥‥
たしかに、あとひとつしか残って
いませんでしたわ!
御: (どういうことだ? なぜ、
こんなムジュンが起こる?
ん?)
コノミチさん。
ところで‥‥
ここにあるスーツケースは
なんだろうか?
木:そ、それは‥‥
御: スーツケースは、
残りひとつだったのでは?
木: そ、そのスーツケースは‥‥
私が、ずっと前から
使っているものですわ。
御: (ずっと使っていたもの‥‥か)
コノミチさん。やはりあなたは、
ウソをついている。
木:えっ?
御: あなたが、このスーツケースを
ずっと使っていたはずがない!
(ずっと前から使われているもの
ではないことを示すのは?)

(「値札」を選択)
御: あなたは、値札も取らずに
スーツケースを使うのですか?
木:あっ!
冥: これは、どういうことなの?
なぜ、そんなウソを?
木:‥‥‥‥
御: (自分のセンスが認められたと
思ったのに、
結果が出なかったというのは
あわれだが‥‥
真実を明らかにするには、
いたしかたあるまい)
コノミチさん。
私には分かりましたよ。
あなたの隠そうとしていることが。
このスーツケースがもともと
置かれていたのは‥‥

(「機内ショップ」を選択)
御: 値札が示すように、この
スーツケースはついさっきまで‥‥
機内ショップで売られていたと
考えられる。
そして、このスーツケースを
買ったのは‥‥

(「木之路 いちる」を選択)
御: 木之路 いちるさん。
あなたですね。
あなたがデザインした
このスーツケース‥‥
お気の毒ですが、あまり売れては
いないようですね。
木:‥‥‥‥
御: あなたは、自分のデザインした
スーツケースが売れないことに、
ココロをいためていた。
だから、自分の手で買って、
在庫を減らしたかった。
そんなところではないでしょうか?
冥: じゃあ、あのとき機内ショップと
CAルームに行ったのは‥‥
木: ごめんなさいッ!
私‥‥自分のデザインが採用された
ときは、本当にうれしかった‥‥
私、仕事しかとりえがなくって‥‥
こんな私でも‥‥
できることがあったんだって‥‥
御: しかし、スーツケースは
売れなかった。
木: 私のデザインが
悪かったのですね‥‥
御: (売る場所も、
悪かったと思うが‥‥)
木: ひとつも売れずに機内ショップで
ホコリをかぶっている‥‥
スーツケースがフビンで
しょうがなくて。
フライトのたびに、ひとつずつ
買っていたのです。
御: フライトのたびに、毎回ですか。
冥: それで、今日もひとつ買いに行った
というわけね。
木: はい。これがそのときの
レシートですわ。
御: (む。たしかに、午前5時40分に
購入したと記録されている)

<<スーツケースのレシート>>を
捜査手帳に記録した。
木: じつは在庫がたまっていて。
今日のフライトが終わったら、
処分される予定なんです。
御: コノミチさん。
その在庫はどこに?
木: あとは、<<貨物室>>に在庫が
いくつかあるはずです。
冥: では、犯人が使用した
スーツケースは‥‥
御: <<貨物室>>から
来たと考えられる。
木: あの! 御剣さま。犯人が、
スーツケースを?
御: ええ。犯人は、あなたの
デザインしたスーツケースで‥‥
死体を運んだのです。
木: そんな! ヒドイ!
あのスーツケースは、お客様の
おともとして世界を巡る。
ただ、それだけの祈りをこめた
モノなのに!
御: コノミチさん。エレベータを使う
以外に、貨物室に行く方法は?
木: あとは、そちらのドアが貨物室に
続いていますわ。
御:カギは?
木: そのドアには、特にカギは
かけていませんわ。
CAルームに入るのには、
スタッフの持っている
<<カードキー>>が必要ですけれど。
御: それならば、犯人はCAルームに
入れた人物‥‥
すなわち乗客ではなく
従業員、ということになるな。
木:そ、そんな‥‥。

(狩魔冥「待った!」)
御:どうしたのだ、メイ?
冥: 見苦しい。聞くにたえない
イツワリのコトバばかり‥‥
御:どういうことだ?
冥: スーツケースは、
<<貨物室>>から来た。
そのことが、
すべてを物語っているわ。
御: ああ。だから、犯人は
<<カードキー>>を使える従業員‥‥
冥: 御剣 怜侍!
犯人は、<<貨物室>>から
エレベータに乗った。そうね?
御: うム。そう考えるべきだろうな。
冥: もう一人のCA‥‥
白音と言ったかしら。
彼女からすでに聞いているわ。
御:(白音さんからだと?)
冥: <<貨物室>>にエレベータを
下ろすには‥‥
<<もう一枚のカードキー>>が
必要なの。
御:もう一枚のだと?
冥: そう。そして、そのカードを
持っているのは、たった一人‥‥
木之路 いちるッ!
アナタだけなのよ!
木:きゃあああああああ!
御: な、なんだとッ!
本当ですか? コノミチさん!
木: は、はい‥‥。<<カードキー>>は、
私のロッカーに保管していますわ。
御: そのカード、
見せていただけるだろうか?
木: は、はい‥‥

木:えッ! そんな!
御:どうしたのだ?
木: カードが、<<カードキー>>が
ないんです!
冥: なるほどね‥‥。やるじゃない。
カードキーを隠すことで、誰かに
盗まれたかのようにみせる‥‥。
考えたものだわ。
木:ち、ちがいますッ!
冥: 詳しい話は、取り調べでするのね。
連れて行きなさい!
警:ハッ!
木:み、御剣さ‥‥ま‥‥。
御:‥‥‥‥‥‥‥‥
冥: どうしたのかしら?
納得できないという顔ね。
御: メイ。たしかに、捜査の指揮権は
キミにある。しかし‥‥
冥: 待って! ムダ話はそこまでにして
もらえるかしら。
御:
冥: あなたにも分かっているはず。
証拠なきもののコトバには、
何のチカラもない。
たとえ、ここが法廷でなくてもね。
御:‥‥‥‥‥‥‥‥
冥: 私はこれから<<貨物室>>を
調べるわ。
御剣 怜侍。
あなたはどうする?
御:‥‥同行させてもらおう。


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