第1話『逆転の切札』第1回法廷(その1)

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王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
牙琉 霧人…紫
裁判長…緑
亜内検事…茶
浦伏 影郎…青
逆居 雅香…水
成歩堂 みぬき…赤
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)



ショーダウンだ。
‥‥アンタの負けだよ。

うおおおおおおおお!

きゃあああああああッ!


‥‥すまないが、
メンドウに巻き込まれたようだ。
うん。そんなところだ。
‥‥死んじまったよ。
思い切り、殴られたみたいだ。
よしてくれ。
とにかく、これから警察が来る。
たのむぜ。
‥‥もしものときは、な。


4月20日 午前9時37分
地方裁判所 被告人第3控え室

王: (うう‥‥やっぱり、
キンチョーするよ‥‥)
?:やあ、おはよう。
王: あ。お、おはようございます、
先生!
霧: やれやれ。ずいぶんカタくなってる
みたいだね。
王: そ。そんなコトないです!
カンゼンに大丈夫ですから、オレ!
霧: 声がウラ返ってるよ‥‥
まあ。ムリもないかな。
初めての法廷が、殺人事件とは。
まさしく”オドロキ”ってヤツだね。
王: だ、大丈夫です!
今朝は5時に起きて、
発声練習をしてきましたから。
霧: そうみたいだね。
声がウラ返った上、カスれて
聞き取りにくいよ。
王: ‥‥げほ。
(やりすぎたか)
霧: きみも知ってのとおり、
今日の依頼人は、私の親友です。
助けてやりたいのですよ‥‥
なんとしても。
王: え、ええ! わかってます!
霧: 事件があった晩も、
彼とはディナーをともにしました。
最後まで、見捨てるワケには
行きません。
王:あ。
だ、大丈夫ですから、オレ!
霧: ああ、それから。
あまり”大丈夫”を
連呼しないほうがいいですね。
いろいろ、ゴカイを生むから。
王:はあ‥‥
霧: じゃあ、私は手つづきを
すませてこよう。
きみは、依頼人にアイサツでも
しておいてくれるかな。

王: オレの名前は王泥喜 法介
(おどろきほうすけ)。
なんというか、新米弁護士だ。
今日は、初めての法廷‥‥
ベ、ベツに、
どうというコトもないけどね。
依頼人‥‥彼の容疑は”殺人”か。
先生に言われるまでもない。
オレだって、助けたい。
だって、彼が‥‥彼が、
そんなコトをするはずがない!

?: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
王:あ!
?: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
王: ‥‥お。おはようございます!
?: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
おはよう。
今日は、よろしくお願いするよ。
王: (‥‥このヒトを前にすると、
よけいにキンチョーするよな)
?: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
王: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
(うううう‥‥気まずい‥‥)
?: たしか、きみは‥‥
王: あ、ハイ!
オレ、大丈夫ですッ!
?: ああ‥‥”大丈夫くん”か。
王:え。
?: 変わった名前だとは覚えていた。
王: (さっそく、ゴカイされちまった)
あの‥‥ホントに
よかったんですか? オレで。
?: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
王: 牙琉(がりゅう)先生は、
超一流の弁護士です。
それなのに、どうして‥‥
?: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
いずれ、わかる。
王:え。
?: きみなら、やれる。
自信を持つことだ。
王: あ。あの‥‥
こんなコトになって、
ホントに、ザンネンです。
だって、オレは‥‥
?: そろそろ時間だ。‥‥行こうか。
王: は、はいッ!
(‥‥そうさ。
今は、とにかく集中するんだ。
オレの‥‥王泥喜 法介の、
初めての法廷に!)


同日 午前10時
地方裁判所 第2法廷

裁: それでは、これより開廷します。
亜: 検察側、準備完了しております。
王: あ。弁護側は、その。
大丈夫です!
(やれやれ。オレとしたことが、
アタマがまっ白だよ)
裁: きみは‥‥王泥喜くん、でしたね。
今日が初めての法廷、とか。
王: は。はいッ!
モチロン、その。大丈夫です!
裁: ホントですか? 声がウラ返って、
カスれてよく聞こえませんが。
王:‥‥はあ。
裁: ええと。牙琉弁護士?
霧: ‥‥なんでしょうか。
裁: この件は、あなたが担当するものと
聞いていましたが‥‥?
霧: 私もそのつもりでいました。
しかし‥‥。
弁護士は、依頼人の希望を最優先
させなければなりません。
この王泥喜くんは、依頼人の
ご指名なのですよ。
裁: ふむう‥‥わかりませんな。
現在、最高の弁護士と言われる
牙琉 霧人(がりゅうきりひと)。
それをさしおいて、
こんなワカモノがねえ‥‥
王: (だ、大丈夫。発声練習の量なら、
先生にも負けないさ!)
裁: ‥‥では、審理を始めましょう。
被告人を入廷させてください。

?: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: まことにザンネンです。
ひさしぶりの対面が、
このようなカタチになるとは。
‥‥成歩堂 龍一
(なるほどうりゅういち)くん。
成: 忘れてほしいですね、
ムカシのことは。
今のぼくは‥‥そう。
しがないピアニスト、ですから。
王: (成歩堂さん‥‥)
裁: ‥‥多くは言いますまい。
亜内検事。事件の説明を
おねがいできますかな。
亜: まさか、こんなカタチでキミに
引導を渡すことになるとはねえ‥‥
成: あいかわらず、ですね。
‥‥亜内検事さん。

亜:さて。
事件は、ロシア料理のレストラン
<<ボルハチ>>で起こりました。
被告人・成歩堂 龍一が、
客である被害者を‥‥その。
殴り殺したのです。
いきなり! ポカッとこう!
裁: ふむう‥‥レストランの客を‥‥。
しかし。
たしか、被告人は‥‥ええと。
亜: ピアニスト、だったようですな。
<<ボルハチ>>専属の。
裁: ぴあにすと、ねえ‥‥
あなたが。
亜: これが、被害者の命を奪った凶器。
‥‥グレープジュースのボトルです。
彼のお気に入りで、
いつも飲んでいるようですな。
裁: ‥‥その凶器のボトルを
証拠品として受理しましょう。

証拠品<<凶器のボトル>>のデータを
法廷記録にファイルした。
霧: オドロキくん。
証拠品はすべて、<<法廷記録>>に
ファイルされます。
いつも、
カクニンしておくといいでしょう。
王: <<法廷記録>>‥‥大丈夫です!
聞いたコト、ありますからッ!
霧: <<Rボタン>>で
いつでも見ることができる。
まあ‥‥
キミなら大丈夫だとは思うけどね。
王: (<<Rボタン>>‥‥ね。
チェックしたほうがいいな)
裁: ところで。被害者は
レストランの客でしたな。
浦伏 影郎(うらふしかげろう)
さん、というのは‥‥?
亜: 旅行者、と思われます。
裁: りょこうしゃ‥‥ですか?
亜: パスポートによると、
数年、海外にいたようです。
最近、この国へ戻ったようですが、
足取りはつかめておりません。
裁: 被告人と、なんらかの関係が
あったのですかな?
亜: ‥‥今のところ、つながりは
発見されておりません。
事件の夜、<<ボルハチ>>で
初めて会ったものと思われます。
裁: では、いったいなぜ、
そのような事件が?
ピアノのウデを
コキ下ろされたのですかな?
亜: そういうコトでは
ないようです。
キッカケは、ピアノとは
別のところにあった‥‥。
ここに、現場写真があります。
事件の現場では、ゲーム‥‥
ポーカーの最中だったのです。
裁: ちょっと待ってください。
”ぽーかー”といえば‥‥
いわゆる、トバク‥‥。
それ自体が犯罪ではないですかッ!

(ざわめきが起こる)
亜: そのとおり。
どうやら、この被告人は‥‥
犯罪者になり下がって
しまったようですな。

(牙琉弁護士「異議あり!」)
霧: たしかに被告人は事件当時、
被害者とポーカーをしていました。
しかし。それは純粋なゲーム‥‥
”勝負”だったのです。
亜: しょうぶ‥‥ですと‥‥?
霧: 静かな情熱‥‥青い炎を
背にまとったカードだけが、
その勝負の行方を
知っていたのですよ。
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
よくわかりません。
亜: 現場のテーブルの上にあったのは、
たしかにウラが青のカードでした。
弁護士お得意の、シャレたコトを
言ってケムに巻く作戦でしょう。
‥‥女の子にモテるための。
裁: どうやら、最初にうかがわなければ
ならないようですな。
その”ポーカー”について。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: それでは、被告人。
事件当夜の<<勝負>>について
証言をおねがいします。
成: ‥‥いいでしょう。
王: (いよいよ、始まる‥‥
オレの法廷が!)

(<<勝負>>について)
成: 『ピアニストということになってるが、
‥‥ピアノはほとんど弾けない。』(証言1)
『物好きな客の相手をするのが仕事。
モチロン”ポーカー”だ。』(証言2)
『現場になった部屋は、店の名物でね。
そこでの”勝負”がウリなのさ。』(証言3)
『ルールも、かなり本格的だ。
2組のカードを使ってゲームをする。』(証言4)
『‥‥もちろん、純粋なゲームさ。
お客もマンゾクしてるよ。』(証言5)
裁: ‥‥ふむう。
ピアノが弾けないピアニスト
‥‥ですか。
亜: 弁護ができない弁護士よりはマシ、
でしょうな。
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥
では、弁護人。
<<尋問>>をおねがいします。
王: は、はい!
(<<尋問>>‥‥
きたぞ、ホースケ!)
霧: 大丈夫かい?
おデコがテカテカだけど。
王: え、ええ! 大丈夫です!
霧: 声がウラ返ってるよ。
カスれて聞こえにくいし。
王: ノーミソもウラ返って、
カスれてきたような気がします。
霧: たしか、私の尋問なら
何度か見ているハズだが‥‥
キミ自身はやったことがない。
一度、おさらいをしておこうか?
王: (どうしよう。<<尋問>>のコト、
先生に聞いておくか?)

(「<<尋問>>の説明を受ける」を選択)
王: (こんなトコでつまづいてたら
始まらないもんな!)
おねがいします!
イチから教えてください!
霧: いいかい、オドロキくん。
”証言”と”法廷記録”‥‥
この2つをよく見くらべて、
ムジュンを探すんだ。
そして、
ムジュンを見つけたら‥‥
その証言と食いちがう法廷記録の
データを<<つきつける>>‥‥
王: でも! 今の証言、
オカシイところなんて‥‥
霧: そんなときは、
証人を<<ゆさぶる>>といい。
王: <<ゆさぶる>>‥‥
霧: 彼は優秀なオトコです。
”情報”を引き出しましょう。
王: (‥‥成歩堂さん、
依頼人なんだけどな‥‥オレの)
霧: どうかな? できそうかい。
王: はい! さすがは、先生!
なんだか、オレにも
できそうな気がしてきましたよ!
霧: ‥‥できてくれないと
困りますけどね。
とにかく‥‥
<<証言>>の”ムジュン”や”ウソ”
を見つけだして、それを立証する。
それが<<尋問>>です。
押さえておいてもらおうか。
王: (”ウソ”や”ムジュン”‥‥
あの、成歩堂さんが‥‥?
あり得ないッ!
そいつを、立証してやるんだ)
裁: それでは、弁護人。
<<尋問>>をおねがいします。

(「証言2」をゆさぶる)
王: ポーカーをしているだけで
お金がもらえるんですか?
成: そういうこと、みたいだね。
”プロ”だから。ぼくの場合。
亜: フン、いいご身分ですなあ。
マジメに働くニンゲンには
想像もつかない世界だ。
成: そう‥‥あなたには
想像もつかないでしょう。
亜: な、なんですと!
成: ぼくは、あの小部屋で7年間
ポーカーをしている。
その間、一度たりとも
負けたことはない。
王:え‥‥
成: 当然だろう?
”一度も負けたことがない
ポーカープレイヤー”‥‥
だからこそ、物好きな客が
集まってくるのさ。
‥‥ぼくを倒すためにね。
王: で、でも!
一度も負けない、なんて‥‥
成: それが”プロ”だよ。
王: (一度も負けたことがない‥‥
トランプの勝負で?
そんなコト、
可能なんだろうか‥‥)

(「証言3」をゆさぶる)
王: 現場写真の部屋が‥‥
”名物”なんですか?
成: そうみたいだ。
<<ボルハチ>>はムカシ‥‥
この街の暗黒街の連中が
集まる店だったらしいからね。
王: あ。あんこくがい‥‥?
成: もちろん、”暗黒街”なんて
今じゃあ映画の中の世界だ。
とにかく、そのころ。
”裏取引”が行われていたのさ。
‥‥この小部屋でね。
裁: 言われてみれば。
この写真を見ていると‥‥
”ワル”になった
気分になります!
成: 警察の目を逃れて、テーブルで
ボスたちが密談をする。
そして、小窓から部下が
ソトを見張る‥‥
そんな感じだったんだろう。
王: (たしかに‥‥見張り以外、役に
立たないような小窓があるな)
成: あの部屋には、
他にもシカケがあってね。
常連客ならば、知っている者も多い。
いわくつきの小部屋に
こもって、ポーカーを楽しむ‥‥
無害なスリルを楽しめる、
という寸法さ。

(「証言4」をゆさぶる)
王: 2組のカード‥‥?
成: イカサマができないように
するためさ。
2組のカードを交互に使えば、
すり替えるコトもできないだろ?
裁: たしかに‥‥
テーブルの上だけでなく、
床にもカードが散らばっています。
霧: そのとおり。机の上のカードと、
床のカード‥‥
それぞれ1組ぶんずつ、
のようですね。
現場は、大量の青いカード‥‥
哀しみで彩られていた。
どこか”詩”を感じますね。
成: ちなみに、<<ボルハチ>>で
使われているカードには‥‥
<<赤>>と<<青>>の
2種類があるんだけどね。
裁: ふむう‥‥
ポーカーといえば、5枚のカードで
”役”を作って勝負するゲーム。
たしかに、イカサマが
起こりやすいのでしょう。
成: フッ‥‥
”役”を作るゲーム、ねえ‥‥
王:‥‥?
裁: あなたの言う<<勝負>>‥‥
だいたい、
わかったような気がします。
王: そ、そうですよね!
やっぱり、
”ゲーム”だったんですよね!
裁:それはどうでしょうか。
王:え。
裁: 単なるゲームで
殺人事件は起こりません。
被告人。事件が起こった瞬間、
あなたは現場の部屋にいた‥‥
それでも、事件とは
無関係と言い張るつもりですかな?
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
フシギ、ですね。
裁: なにが、ですかな?
成: ぼくは今、あの晩の<<勝負>>に
ついて、証言しているハズだ。
したがって。事件についての
質問は、ルール違反。
当然、弁護側から
”異議”があると思ったのですが。
王: あ‥‥‥
(しまった!
つい、聞きいってしまった‥‥)
霧: ちょっと待って、オドロキくん。
王: せ。先生‥‥?
霧: 成歩堂。私としても
ハッキリさせておきたいですね。
事件との関係について‥‥
キミのクチから。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
きみがそう言うなら、いいだろう。
裁: それでは、被告人。
証言を修正してください。
王: (これが<<ゆさぶる>>か‥‥
こうして、新しい証言が
みちびき出されるんだな!)
成: 『事件については、黙秘する。
とにかく、凶器には触れていない。』(証言6)

(「証言6」に「凶器のボトル」をつきつける)
王: 凶器‥‥このボトルには、
さわらなかった。
‥‥そう言いましたよね?
成: 言ったね。
王: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: どうかしましたか。弁護人。
亜: ふっふっふっふっ‥‥‥‥
どうやら、弁護側は‥‥
トボける気はないようですなあ。
裁: な。なんですかな?
亜内検事。
亜: 凶器として使われた、
このボトルには‥‥
被告人の指紋が、
ベットリついているのですよ!

(ざわめきが起こる)
王: ‥‥弁護側には‥‥
異議がありますッ!
裁: そんな大きな声で叫ばなくても
聞こえますッ!
王: ‥‥はあ。
霧: ムダな大声は、裁判長の耳を
ハカイして、命取りになりますね。
王: (ううう‥‥
セッカク、発声練習したのに)
と。とにかくッ!
レストランで、ビンに指紋が
つくのは、トーゼンのコトです!
裁: まあ‥‥たしかに。
それだけで、ハンニンとは‥

(亜内検事「異議あり!」)
亜: たしかに、当然でしょうな。
それが、ただの指紋なら‥‥ね。
王:‥‥え。
亜: 凶器に付着した指紋は‥‥
”逆手”の状態だったのですよ。
裁: ”さかて”‥‥ですか‥‥
亜: ビンを”逆手”に持つ状況。
考えられるのは、ただひとつッ!
‥‥そう。
ヒトを殴るトキなのですゥゥッ!
王: あああああああああああ‥‥ッ!

(ざわめきが起こる)
王: 牙琉先生! オレ! かえって
不利になっちゃいました!
霧: ‥‥なあに。
大丈夫ですよ、オドロキくん。
王: せ。先生‥‥
霧: ‥‥大切なのは”真実”です。
そこには、かならず。
なんらかの”イミ”があるはず。
裁: 被告人ッ! この、ボトルの指紋。
説明していただきたいですなッ!
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
言ったはずです。
‥‥事件については黙秘する、と。
‥‥今はね。
裁: ふむう‥‥
その、非協力的なタイド‥‥
モンダイがありますな。
亜: さよう。かくさなければならない
”事情”でもあるのでしょう。

(牙琉霧人「異議あり!」)
霧: ‥‥裁判長。
ひとつ、お忘れのようです。
裁: なんでしょうか、牙琉弁護士。
霧: モンダイの夜‥‥警察に”事件”を
通報したのは、誰だったのか?
裁: 通報‥‥ですか?
亜: それは、まあ‥‥たしかに。
被告人の成歩堂くんなのですが‥‥
裁: そ‥‥そうなのですか!
亜: ま。まあ、その。
記録によると、通報は‥‥
現場付近から、被告人の携帯電話で
入ったようです。
王: 現場”付近”‥‥?
亜: 現場の上面図を
見ていただきましょう。
被害者が殺害されたのは、
地下2階の小部屋でした。
当然、携帯電話の電波は届きません。
被告人は、この廊下の階段から地上
‥‥レストランの店内に上がって、
そこから通報をしたようです。
裁: ‥‥なるほど‥‥この電話ですか。

証拠品<<成歩堂の携帯電話>>の
データを法廷記録にファイルした。
霧: 被告人は、
そのまま逃走することもできた。
しかし。市民のギムを果たして
事件を通報した。
これでも‥‥
彼が”非協力的”だと‥‥?
亜:むぐ。
王: (さすが、牙琉先生‥‥
オレも、負けていられない!)
霧: ‥‥さて、検事さん。
ジラすのはじゅうぶんでしょう。
亜: な。なんのコトですかな?
霧: あなたは先ほど、こう言いました。
『事件が起こった瞬間、
被告人は現場にいた』と。
なぜ、そんなことが
断言できるのか‥‥?
裁: あ、たしかに‥‥。
どうしてなのですかッ!
霧: コタエは、ひとつです。
‥‥決定的な、証人。
亜: フッフッフッ‥‥
さすがは、名高い弁護士さんだ‥‥
王: (事件の夜、あの部屋には、
もうひとりの人物がいた!
当然、事件を目撃している‥‥)
霧: さあ、練習はここまでですよ、
オドロキくん。
‥‥ジュンビはいいですね?
裁: それでは。その証人を
入廷させていただきましょう!


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