第5話『甦る逆転』第2回法廷(その3)

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成歩堂 龍一…黒
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
宝月 茜…桃
宝月 巴…藤
巌徒 海慈…紫
罪門 恭介…紺
市ノ谷 響華…水
原灰 ススム…黄
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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同日 午後12時14分
地方裁判所 第9法廷

裁: それでは、審理を再開します。
成: (あかねちゃん‥‥ケッキョク、
戻ってこなかったな)
御: では。事件当日‥‥
証拠保管室の警備にあたっていた
巡査を入廷させていただこう。

御: 証人。名前と職業を。
罪: 大都会の荒野‥‥古い荷を負って
ウシの群をかわして進む、旅人さ。
御: 大通りで立ち往生したお年寄りを
おぶって、交差点をわたる職業だ。
裁: あ。わかりました!
”おまわりさん”ですね。
罪: オレの名前なら‥‥サバクをわたる
からっ風が、悲しく呼んでいるよ。
御: セイカクには、罪門 恭介‥‥だ。
成: (御剣のヤツ、
”からっ風”あつかいか‥‥)
御: さて‥‥証人。
さっそく、うかがおう。
事件当日は、警備責任者として
証拠保管室の警備にあたっていた。
‥‥まちがいないだろうか?
罪: 書類上はな。‥‥検事サマ。
裁: ‥‥どういうことですかな?
罪: 紙キレ1枚で、荒野のならず者を
シバることはできないさ。
裁: どうやら、さっさと尋問に
移ったほうがいいようです。
事件当日のことを
証言していただきましょう。
‥‥この国のコトバで!

(事件当日のこと)
罪: 『オレのシゴトは、あの暗い墓場を
暗い目で見守るコトなのさ。』(証言1)
『1日に3回、見回りに行くキマリが
あるそうだよ。‥‥関係ないがね。』(証言2)
『警備室は、2重の防犯システムで
守られて‥‥オレは必要ないのさ。』(証言3)
『事件があった時間は、たしか‥‥
街道ぞいのサルーンにいたかな。』(証言4)
『この事件には、無関係の旅人さ。
‥‥弾丸がないなら、帰るぜ。』(証言5)
裁: ‥‥どうも、あなたのタイドは
感心できませんねえ。
罪: ‥‥たぶん、アンタのヒゲが
気に入らないんだろうさ。
成: ‥‥ちょっと、
気になったんですけど‥‥
”2重の防犯システム”
というのは‥‥?
罪: 防犯カメラに、IDカードの
ナンバーを記録するシステムさ。
アンタも知ってるだろ?
カウボーイ。
成: あの。保管庫には、<<指紋>>の
ロックもありますけど‥‥これは?
罪: しもん‥‥?
聞いたことねえぜ。
成: (”ねえぜ”と来たか‥‥)
御: キカイに弱いというか、
使命感に弱いというか‥‥
罪: ヒトは弱いモノ、だぜ。
なあ、検事のボウヤ‥‥
裁: 何やら、モンダイのありそうな
証人ですな。
それでは、弁護人。
尋問をおねがいします。

(「証言5」に「罪門の指紋」をつきつける)
成: ‥‥罪門さん。
オカシイと思いませんか?
なぜ、あなたが‥‥
ここに呼ばれたのか?
罪: ‥‥‥‥‥‥‥
成: 事件のあった時間、あなたは
警備室にいなかった‥‥
罪: ‥‥だが。オレはこうして
ここに呼ばれている。
聞かせてもらえるかい。
その”理由”とやらを。
成: カンタンなことです。
あなたは、現場に大きな
”足跡”を残しているのです。
‥‥いや。セイカクには
”手”のアトですが‥‥
罪: ハッ! ヒトのハナシは
聞いておくべきさ、カウボーイ!
オレは、あの墓場の番人なんだよ。
月に1回ぐらいは、墓参り‥‥
見回りをするさ。
オレの指紋が残っているのは、
大自然のオキテ、だよ。

(成歩堂「異議あり!」)
成: ザンネンながら、そうは行かない!
なにしろ‥‥
その指紋は、
血にまみれていたのですからね!

(ざわめきが起こる)
裁: しょ、証人!
どういうことですか!
殺人現場に、血染めの
指紋、とは‥‥!
成: 血のアトは、ふき取られていた。
‥‥しかし!
ルミノール試薬によって、
ハッキリ検出されたのです!
さあ証人! いかがですかッ!
罪: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
どうやら‥‥自分のアタマで
考えるヤツは、いないようだよ。
成:‥‥!
御: つまり、”セツメイできる”
‥‥そういうコトかな?
その”血染めの指紋”について!
裁: それでは、つづけて
証言をおねがいします!
現場に残された、あなたの
”手のアト”について!

(血染めの手のアト)
罪: 『その保管庫にオレの指紋が
残っているのは、当然なのさ。』(証言1)
『そのうちのひとつが、たまたま
血の手形と一致したんだろうね。』(証言2)
『ハンニンはグーゼン、オレの指紋の
上から、その保管庫に触ったのさ。』(証言3)
『”血痕”と”指紋”は別のモノ。
‥‥知らなかったかい。』(証言4)
『そもそも、犯人は手袋をしていた。
ホラ。オレとは無関係だろう?』(証言5)
裁: ふむう‥‥たしかに、
スジはとおっているようですな。
‥‥いくらか、ギモンの余地は
あるようですが。
罪: ギモンがあるからこそ、人生は
楽しい‥‥オレはそう思うさ。
裁: とにかく、弁護人。
尋問をおねがいしましょう。
成: (‥‥罪門さんは、この事件に
関係しているはずだ。
今度こそ、それを
ハッキリ立証する‥‥!)

(「証言1」をゆさぶる)
成: 『月に一度、墓参りをするから』
‥‥ですか?
罪: それもあるが‥‥ジツはな。
オレの保管庫なのさ。そこは。
裁: え! ど、どういうことですか?
罪: たいしたことじゃないよ。
捜査官だったころ、使っていた
保管庫を、今も使っているだけさ。
まあ‥‥入ってるのは、ガラクタの
ようなユメばかり、だけどね。
成: そうだったんですか‥‥
罪: 自分の保管庫だ。指紋ぐらい、
たっぷりつけさせてほしいなァ。
成: (どうやら‥‥登録された指紋の
データが、そのままみたいだな。
ご本人は、指紋のロックのコト、
知らずに使ってるみたいだけど)

証拠品<<罪門の指紋>>のデータを
書きなおした。

(「証言5」をゆさぶる)
成: ど‥‥どうして、そんなコトを
知っているんですか!
罪: これでも、警察の関係者だぜ。
報告書ぐらい、読んでるさ。
御: ‥‥現場に、1つ。犯人が
残したと思われる血痕があった。
成: ああ‥‥‥イトノコ刑事の
保管庫に残っていたヤツですね。
御: その”手のアト”からは‥‥
指紋が検出されなかったのだ。
成: (たしかに‥‥ぼくたちも
やってみたっけ)
裁: ‥‥ふむう。そうなると、
その手袋をつけた犯人は‥‥
やはり、罪門巡査の指紋の上に、
グーゼン手形を残したワケですか。
罪: ‥‥そう考えざるを
得ないだろうねえ。
‥‥そろそろ、アンタも
わかっただろ? カウボーイ‥‥
成: な、なんですか‥‥?
罪: こんな血判状‥‥荒野じゃ、
ハゲタカのエサにもならない。
成:‥‥‥!
罪: ただ1つ。たしかな現実は
‥‥コイツさ。
成: (防犯カメラの映像、か‥‥)
罪: 映像に、オレの足跡がないかぎり
‥‥オレは認めねえさ。
裁: ‥‥ハラのさぐり合いは
イミがないようです。
弁護人。よく考えて
尋問をするように。
成: は、はい‥‥
裁: それでは、証人。
証言をつづけてください!
罪: 『カメラの映像に、オレの姿でも
映っていればよかったのになあ‥‥』(証言6)

(「証言6」をゆさぶる)
成: ‥‥どういう意味ですか?
罪: オレを、この事件と結びつけたい
‥‥そうなんだろ? カウボーイ。
成: ‥‥‥‥‥
罪: それならば‥‥直接的な証拠は
このカメラの映像しかねえぜ。

(成歩堂「異議あり!」)
成: し、しかし! この映像には、
”死角”が多すぎます!
裁: しかく‥‥?
成: ”見えていない”部分です!
カメラはクビを振ってるし、
床は映っていないし‥‥
カメラの位置を知っていれば、
姿を映さずに部屋を脱出できます!

(御剣検事「異議あり!」)
御: ‥‥弁護人のグチを
聞いているヒマはない‥‥
裁: どうなのですか? 弁護人。
防犯カメラの映像には‥‥
罪門 恭介の”痕跡”が
映っているのですかな?

(「映像の”痕跡”を提示」を選択)
成: ‥‥いいでしょう。
あなたの”ミス”を
教えてあげましょう。
御: もしくは‥‥これからキサマが
犯すことになる”ミス”か。
裁: それでは‥‥映像の
検証に移りたいと思います!
この映像に残された‥‥
証人・罪門 恭介の”痕跡”とは!

(「左端の保管庫の白い布」を選択)
成: ぼくたちの目を、防犯カメラの
映像に向けてしまったのは‥‥
どうやら、シッパイでしたね。
‥‥罪門さん。
罪: ‥‥‥‥‥‥‥‥
テキサスは、日が短い。だから、
オトコたちの気も短い‥‥
言いたいコト、25文字以内で
まとめてくれないかな。
成: ‥‥いいでしょう。
<<この映像に、あなたの姿が
ハッキリ映っているのです!>>
罪: ピッタリ25文字、か‥‥
悪くないぜ、なかなか。
成: モンダイは‥‥
映像に映った”保管庫”です。
裁: 白い布がハミ出ている‥‥これは
たしか、証人の保管庫でしたな。
成: それでは‥‥この映像を、少し
戻して見てみましょう。
裁: あ‥‥‥ああああッ!
白い布が‥‥消えています!
いったいコレは!
どういうことなのですかッ!
成: 事件が起こった瞬間‥‥
白い布はまだ、ありませんでした。
‥‥それが、コツゼンと現れた。
そのコタエは、1つです。
罪門さん! あなたは事件当時、
証拠保管室にいたのです!
そして、カメラに映らない
タイミングで、保管庫を開けた!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
たしかに、そうとしか考えられ
罪: 待てッ! 悪いが、カウボーイ‥‥
それは認められないよ。
成: ‥‥‥‥‥‥‥
罪: オレの保管庫が開けられた‥‥
だから、なんだと言うのさ?
そいつを開けたのは、
オレとはかぎらないだろうよ!
御: ‥‥‥‥‥‥
罪: ハンニンは、何かをかくす
必要があった。
それで、たまたま開けたのが
オレの保管庫だったのさ!
裁: ‥‥‥‥‥‥
罪: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
なんだ、アンタたち。
おたずねモノを見る、その目は‥‥
成: (罪門さん‥‥
トボけているワケじゃない!
ホントにわかってない
みたいだな‥‥どうやら)
たいへんキノドクですが‥‥
この保管庫を開けられたのは、
あなただけなんですよ。
罪: ば、バカな!
じゃあ‥‥じゃあ、見せてみろ!
あの保管庫を、オレが開けた
‥‥そんな証拠があるのかッ!

(「証拠保管庫」を選択)
罪: し、<<指紋>>のセンサー‥‥だと?
成: 先ほども、少しハナシが
出ましたが‥‥
保管庫は、担当捜査官しか
開けることができないのです。
罪: そ、そんな‥‥バカなッ!
成: (そういえば‥‥
イトノコ刑事も言っていた)

糸: 『とにかく、パッと見た感じが
あまりに自然なシカケなので‥‥
捜査官の中には、指紋のロックを
知らない連中もいるみたいッスね。』

成: さあ、罪門さん!
反論があるのならば!
25文字以内でおねがいします!
罪: ‥‥いいだろうさ。
<<ちくしょおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおお!>>

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
証人! これは、いったいッ!
罪: トンだ、お笑いグサさ。
モト捜査官が聞いてあきれるぜ‥‥
成: さあ‥‥
聞かせていただきましょうか。
事件が起こったとき、
あの保管室で、何をしていたか!
罪: ‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: 証人! オーレ!
成: (闘牛士だぞ、それ)
ザンネンですが、罪門さん。
ここまで来れば、コタエを
聞かなくても、想像はつきます。
裁: そうなのですか!
成: 上面図を見てください。
あの証拠保管室に、
身をかくせる場所はありません。
それなのに‥‥原灰巡査は、
罪門さんの姿を見ていない。
裁: それでは、いったい‥‥
証人は、どこにいたのでしょう?
御: どうやら‥‥弁護人には
考えがあるようだ。
成: (そう‥‥
コタエは、1つしかない!)
裁: それでは、弁護人の考えを
うかがいましょう!
事件が起こったとき‥‥
罪門巡査は、どこにいたのか?

(「被害者の場所」を選択)
成: 罪門さんは、このポイントに
立っていたのです!
裁: そ、そこは‥‥
被害者の、多田敷捜査官が
いた場所ではないですか!
成: ‥‥正しくは、
”多田敷捜査官”ではなかった。
そう! カメラに映っている
”被害者”は‥‥罪門さん!
多田敷捜査官のカッコウをした、
あなただったのです!

(御剣検事「異議あり!」)
御: バカなッ! 原灰巡査は、
現場で多田敷捜査官を見ている!
カオを見れば、
気づかないハズがないッ!

(成歩堂「異議あり!」)
成: しかし、ハラバイ巡査は
多田敷捜査官を知らなかった。
‥‥それに彼は、
こんな証言をしています!

原: 『保管室に入った本官は、IDカード
の提示を求めたであります!』
成: 『それで‥‥IDの提示を求められた
多田敷捜査官は? どうしました?』
原: 『なんとッ! いきなり、本官に
ナイフを向けたであります!』

成: ‥‥ずっとフシギでした。
IDカードを持っていたのなら、
なぜ、見せなかったのか?
裁: たしかに‥‥それを使って
保管室に入ったわけですからな。
成: コタエは、シンプルです。
『見せることができなかった』
御:‥‥‥!
成: IDカードには、
写真が入っています。
裁: あ‥‥‥
成: これでは、IDカードを
見せた瞬間に、バレてしまいます!
多田敷捜査官のカッコウをした
”別人”であるコトが‥‥
いかがですか、罪門さん!
罪: ‥‥‥‥‥‥‥‥
カウボーイにしておくには
もったいない想像力‥‥だよ。
だがね。そういうのをオレたちは
”状況証拠”って呼ぶらしいさ。
成: ‥‥じょうきょうしょうこ?
(まだ、認めないか‥‥)
罪: ザンネンだが‥‥捜査官を
自白させるには、ツメが甘いさ。
このオレが、被害者に変装していた
‥‥それを立証する証拠がないと。
裁: ふむう‥‥
あなたの、その非協力的なタイド
‥‥どうかと思いますぞ。
罪: ‥‥たぶん、アンタのヒゲが
気に入らないんだろうさ。
裁: いかがですか、弁護人!
何か、証拠はあるのですか?
この罪門さんが、ジッサイに
被害者に変装していた証拠ですッ!
成: そ、それは‥‥
(ムリだ! そんな証拠は‥‥)
罪: ‥‥そうそう。追いつめられた
インパラの目‥‥悪くないぜ。
どうやら‥‥荒野にホネを
さらすのは、アンタのほうさ。
成: ぐ‥‥ッ!
(バカな‥‥
どう考えてもアキラカなのに!
なにか、手はないのか‥‥?)
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
フッ‥‥
ここへ来て‥‥経験不足が
カオを出したようだ。
成:‥‥!
御: 私も、あるヒトに
よく言われたものだ。
追いつめられたときこそ‥‥
キホンに立ち返れ、と。
成: き、キホン‥‥
(ぼくのキホンは‥‥
千尋さんの、あのコトバだ!)


『なるほどくん。
発想を逆転させましょう!』

成: (”罪門さんが変装していた”
その証拠を探すのではなく‥‥
変装したことによって
”発生した”証拠を探すんだ!)
御: ‥‥そもそも。なぜ、
この保管庫は開かれたのだろうか?
裁: どういうことですかな?
御: フツウに考えれば、わざわざ
犯行時に保管庫を開く必要はない。
なのに、こんな大きな手がかりを
残した。‥‥と、いうことは‥‥
成: (保管庫を開けたのは、
”計算外”のコトだった‥‥!)
裁: 弁護人の主張によれば‥‥
罪門 恭介は、事件当時。
多田敷捜査官に変装していた。
そして、”事件”のあと‥‥
なぜか、自分の証拠保管庫を
開けています。
御: 保管庫から”白い何か”が
ハミ出ている以上‥‥
それをしまうため、保管庫を開いた
‥‥そう考えるべき、だろう。
裁: いったい‥‥その”白い何か”の
正体は、なんだったのですかな?
成: おそらく‥‥
すべてのコタエは、
カメラがとらえているハズです!
(”証拠”はない。何かあると
すれば、この映像だけだ‥‥!)
罪: ‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: それでは‥‥もう一度。
映像の検証に入ります。
犯行後、証人は”白い何か”を
しまうため、保管庫を開きました。
証人が、保管庫を開けざるを得なく
なった”理由”を示してください!


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