第5話『甦る逆転』第1回法廷(その4)

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成歩堂 龍一…黒
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
宝月 茜…桃
宝月 巴…藤
巌徒 海慈…紫
罪門 恭介…紺
市ノ谷 響華…水
原灰 ススム…黄
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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同日 午前11時56分
地方裁判所 被告人第2控え室

茜: あの‥‥成歩堂さん。
成: ん? なに?
茜: いつも、こんな調子なんですか?
なんていうか‥‥
見上げたら、頭上5センチのトコに
巨大なペンチが落ちてきていた‥‥
‥‥そんな、やるせない
手遅れっぽい感じ。
成: まあ、そうだね。
今日落ちてきたのは、ペンチじゃ
なくて、巨大なベンチだったけど。
‥‥ところで、ともえさんは?
茜: なんだか、裁判長さんの部屋に
呼ばれたみたいです。
成: ああ‥‥たぶん、
あの布きれのコトかな。
茜: さあ! ここから、キセキの
大逆転が始まるワケですよね!
あの、一見どうしようもない、
ちっぽけでササイな布きれから。
成: 正直なトコロ‥‥自分の存在が
あの布きれみたいな気分だよ。
罪: ヘイ、カウボーイ!
ウシってヤツは、赤い布きれを
見るとゲンキになる‥‥
オレは、そう聞かされて
大きくなったものだけどな。
茜: 罪門さん‥‥!
罪: 気になったからね、来てみたさ。
どうやら、遅れちまったようだよ。
あいかわらずの厳戒態勢でね。
巡査が抜け出すのもヒト苦労、さ。
成: そういえば‥‥
何か、あったんですか?
‥‥きのうから、ようすがヘン
ですよね、ケイサツのヒトたち。
罪: ヒトのシンパイをしてる場合じゃ
ないだろう? カウボーイ。
主席検事さんの、赤いマフラーの
巻き方でも考えておくことさ。
茜: あの‥‥罪門さん。
”マフラー”は、エリマキのコト
じゃなかったんですよ。
お姉ちゃん、あのときはマフラーを
していませんでしたから。
罪: ヘェ‥‥そうなのかい。
そいつは、オカシイなァ。
茜:‥‥‥?
罪: 彼女の細いクビには、いつも
赤い風がそよ吹いているのさ。
オレは、見たよ‥‥あの日も。
彼女のクビに、赤いマフラーを。
茜:え‥‥!
罪: あの日の午後の式典でね。
御剣のヤツも、見ているはずさ。
成: (で、でも‥‥
現場で撮影された写真では‥‥
マフラーは消えている!)
茜: ‥‥おキョウさん。
見マチガイ‥‥じゃなかったんだ。
罪: ‥‥さあ。そろそろ、時間だね。
チエをしぼるより、チチをしぼれ。
‥‥あらくれ野郎どものコトバさ。
考えたって、どうにもならない。
コタエは”時”がシボり出すさ。
成: (ううう‥‥
なんだか、イヤな予感がする)
茜: いったい‥‥今度はナニが
落ちてくるんでしょうね。
罪: 巨大なウシなら、オレがサバいて
ステーキ弁当にしてやるさ!


同日 午後12時32分
地方裁判所 第9法廷

裁: それでは、審理を‥‥再開‥‥‥‥
成: (なんだ? 裁判長、検事席の方を
見て、カタまってるけど‥‥)
裁: どうされたのですかな?
御剣検事。
カオがマッサオで、クチビルが
ムラサキ、ひたいのアブラアセ‥‥
ミケンのシワに、その歯ギシリ、
ぶるぶるフルえた上、ナミダ目‥‥
さらにその目は焦点が合っておらず
全身がシボんで、背中はネジ曲がり
御: ‥‥あり得ぬッ!
こんな‥‥こんなコトがァァァ!
茜: な、何かあったのかな、
御剣検事さん‥‥
裁: それでは、気にせず
つづけたいと思います。
さて。先ほどの休憩中、
検察側には、緊急の調査を‥‥
御: ‥‥バカなッ!
ユルされるコトではないッ!
裁: ふむう‥‥
すっかり、放心状態ですな。
?: あ。ちょっと。
ちょっといいかな、みんな。
裁: ‥‥‥?
どなたですかな。
成: (な、なんだ‥‥このオジサン。
妙にアツ苦しいオーラが、
法廷中に乱反射しているような)
茜: あのオジサンが現れてから、
室温が3度、上がりました!
成: (いったい‥‥ナニモノなんだ!)
裁: あ。あなたは‥‥‥
?: や。どうもどうも。いやいや。
道がこんでてさー。チョイ、遅く
なっちゃった。ゴメンねホント。
や。や。ひさしぶり、チョーさん。
最近どう? 泳いでる?
裁: あ‥‥! そのセツはどうも。
最近は忙しくて‥‥
?: あ。ダメダメ。ダメよチョーさん!
ヒマはさ。作るモンだよコレ。
裁: は、はあ。マッタク。
おハズカシイ‥‥ほっほっ。
茜: ”チョーさん”‥‥って、
裁判長のコト、かな‥‥
成: オソロシイことに‥‥
どうやら、そうみたいだね。
あの‥‥すみません。あなたは?
?: あ。あ。キミがナルホドちゃん?
弁護士の。ウワサ聞いてるよー。
成: え! はあ、どうも‥‥
?: なんか、ゴメンねホント。ウチの
御剣ちゃん、メイワクかけてさ。
今度さ。今度。どう、コレ。
泳ぎに行こうよ。みんなでさ。
成: み‥‥‥‥‥
”みつるぎちゃん”‥‥?
裁: コラッ、弁護人!
あなた、地方警察局長のカオも
知らないのですかッ!
成: け‥‥‥‥‥
ケーサツキョクチョー‥‥?
裁: このへんの警察で
イチバン偉いヒトです!
巌: あ。巌徒 海慈(がんとかいじ)。
よろしく。よろしくね、みんな。
裁: あの‥‥それで、今日はいったい
どうしたのですかな?
あなた自身が法廷にお出ましなど
‥‥2年ぶり、ではないですか。
巌: いや、ホラ。御剣ちゃんたらさ。
あんな感じ、じゃない?
だからね。とりあえず‥‥ボク。
持ってきたワケ。コイツをね。
成: あ! そ、それは‥‥
茜: お姉ちゃんの‥‥マフラー‥‥?
成: (やっぱり‥‥おキョウさんの
見マチガイじゃなかったんだ!
事件があったとき‥‥彼女は
クビに、あのマフラーを‥‥!)
巌: それにしてもさ。御剣ちゃんの
クルマの排気パイプにねー‥‥
しかも! その中に。こんなモノが
包まれてる、なんてさあ‥‥
‥‥ホント。コマっちゃうんだ。
ウチとしてもさあ‥‥
裁: な‥‥なんですか、それはッ!
巌: 飛び出しナイフ‥‥かな。
ホント。どうなってるんだろ。

(ざわめきが起こる)

(御剣検事「異議あり!」)
御: ‥‥局長ッ!
いったい、あなたは部下に
どんな教育をしているのだッ!
裁: み、御剣検事‥‥
御: そんな重要な手がかりを
見落とすなど‥‥考えられぬ!
警察の捜査がそんなにズサンでは、
検事局が、まともな立件など‥‥
巌: ちょ、ちょっと。
待ってよぉ、御剣ちゃんさ。
御: イイワケなど、聞くつもりは‥‥
巌: 待て、と言ってるんだよ。
あれ。聞こえなかった?
御:‥‥!
巌: あのね。ホラ。書類を見てよ。
‥‥捜査セキニンシャのトコ。
サインしてあるのよ。ハッキリ。
”御剣 怜侍”‥‥って。
御: そ、それは‥‥しかたあるまい!
事件があった日、私は‥‥
巌: 賞をもらって、浮かれてた、と。
わかる。わかるよ。ケドさあ‥‥
セキニンシャ、キミなんだから。
‥‥あとでさ。始末書。たのむね。
御: な‥‥なんだと‥‥!
巌: ま。なんとか処理しておくよ。
この、キミのミスを‥‥ね。
御:‥‥‥!
茜: 御剣検事さん‥‥めずらしく、
コトバに詰まっちゃいましたね‥‥
裁: マッタク‥‥御剣検事らしくない
大失態でしたな。
御: ぐ‥‥‥ッ!
裁: それでは、証拠品を受理します。
‥‥と。その前に、弁護人。
成: は、はい。
裁: いちおう、念のため‥‥
このナイフの”刃”を
見ておきたいのですが。
成: は、はあ‥‥”刃”ですか。
いいと思いますけど。
裁: 私のかわりに、ひとつ
おねがいできますかな。
成: え。でも‥‥それなら、たぶん。
スイッチを押せば‥‥
裁: 指を切って、木づちが叩けなく
なったら、商売になりません。
成: (指を切って、人を指せなくなった
ら、商売にならないんだけどな)
茜: もう! 早く調べてみましょうよ!

(「タグ」を調べる)
茜: ナイフに、小さなタグが
ついてますね。
成: <<SL9号−2番>>‥‥
そう書かれているみたいだ。
茜: どういうイミですか?
成: さ、さあ‥‥
(似たヒビキのコトバを知ってる。
DL6号‥‥”事件”)
茜: でも‥‥なんだか。
成: ? どうしたの?
茜: なんか‥‥どこかで見たような
気がするんですよねー。
この、タグの文字と‥‥
”よく似た”文字を‥‥最近。

(「スイッチ」を調べる)
茜: きゃあああ! びび、
ビックリさせないでくださいっ!
成: ビックリしたの、こっちだよ!
茜: ‥‥この、ナイフの刃‥‥
先が欠けてますね!
成: (それに、この赤黒いシミ。
”血”かな、やっぱり‥‥)

<<飛び出しナイフ>>のデータを
法廷記録にファイルした。
御: とにかく! 事件当日の警察局の
動きは、ナットクできない!
できれば、局長自身のクチから
説明をおねがいしたい。
裁: 申しワケないのですが‥‥
証言していただけますかな?
検事局と警察局の行きちがいと‥‥
この、ナイフについて。
巌: あ。いいよ。も。ゼーンゼン。
モンダイないからさ。ホント。

(警察局の”事情”)
巌: 『このナイフ、特別なモノなんだけど
‥‥この場じゃ、言えないのよ。』(証言1)
『ナイフと多田敷ちゃんを結びつける
証拠でもあれば、ベツだけどさ。』(証言2)
『あの日ね。ウチも大変だったのね。
正直、捜査どころじゃなくて。』(証言3)
『警察局で、捜査官が殺されちゃって
‥‥もう。シャレにならないよね。』(証言4)
『犯行時間。これが、5時15分。
グーゼンってコワいね。ホント。』(証言5)
『今のトコ、公式には検事局の事件と
関係ないから。詳しく言えないの。』(証言6)
裁: け‥‥‥‥警察局内で
捜査官が殺害された、ですとッ!
巌: これね。ナイショよ、チョーさん。
まだね。発表してないからさ。

(御剣検事「異議あり!」)
御: ま、待っていただきたい!
”5時15分”といえば‥‥
‥‥検事局で、多田敷捜査官が
殺害された時刻ではないかッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
巌: とにかくね。ウチ‥‥警察局も
今、大コンランでさ。
ゴクヒ捜査の、まっ最中なワケ。
あ。みんなもしゃべらないでね。
裁: ‥‥警察局の事情はわかりました。
いかがですかな? 弁護人。
成: (検事局と警察局‥‥2人の捜査官
が、同時刻に殺害された‥‥)
茜: 不自然、ですよね‥‥ものすごく。
成: ‥‥弁護側は、
尋問のケンリを主張します。
裁: わかりました。‥‥ただし。
2つの事件が無関係であるかぎり、
よけいな質問は認めません。

(「証言2」に「多田敷のメモ」をつきつける)
成: ちょっと待ってください!
巌: お。来たね、サッソク。
弁護士名物『異議あり!』
成: このナイフ‥‥多田敷捜査官と
何か、関係があるはずです!
裁: ど、どういうことですかッ!
巌: お、来たね、これまたサッソク。
裁判長名物『どういうことですか』
成: このナイフ、タグがついています。
<<SL−9>>‥‥
裁: それが、どうかしましたかな?
成: その一方で‥‥ここに、被害者が
身につけていたメモがあります。
裁: これが‥‥ナニか?
6、まいなす7えす、12月2日
‥‥ですかな。
成: ‥‥裁判長。”逆”なんですよ。
裁: ぎゃく‥‥?
成: メモ用紙に名前が印刷されている
ため、正しいように見えますが‥‥
しかし! 被害者は、
おそらく、こう書いたのです!

(メモを逆さまにする)
裁: あ‥‥‥
ああああああッ!
成: メモを書いたとき‥‥たまたま、
用紙が逆を向いていたのでしょう。
裁: <<SL−9>>‥‥ナイフのタグの
文字と、カンゼンに一致しますッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
いかがですか、局長!
巌: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ま。いいか。
見抜かれちゃしかたないもん。
ね。ナルホドちゃん。
成: え‥‥! あ、はあ。
(よゆうタップリ、だな‥‥)


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