第5話『華麗なる逆転』第2回法廷(その5)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
ゴドー検事…薄橙
裁判長…緑
裁判官…黄
矢張 政志…紺
天龍斎 エリス…桃
毘忌尼…橙
葉桜院 あやめ…藤
美柳 ちなみ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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裁: せ‥‥静粛に! 静粛に!
な、なんということでしょう‥‥
ち: たしかに、綾里 真宵を
襲ったのは、このアタシ‥‥
<<美柳 ちなみ>>の意識だったわ。
‥‥でも‥‥
その凶器を奪い、綾里 舞子の
息の根を止めた<<殺人者>>は‥‥
‥‥綾里 真宵だったのよ!

(成歩堂「異議あり!」)
成: う‥‥ウソだッ!
そ、そんなバカな話‥‥
ち: バカな話かどうか‥‥
考えれば、わかるじゃない。
‥‥アンタの大好きな
<<証拠>>があるでしょう?
成: な‥‥
なんだと‥‥!
い、いったい‥‥
どんな証拠があると言うんだ!
ち: ‥‥綾里 真宵が、消えたこと‥‥
成:え‥‥‥
ち: 今さら、<<修験洞にいる>>なんて
バカなこと、言わないでね。
<<奥の院>>側から逃げることは
できなかった。それなら‥‥
彼女のいる場所は、ただ1つしか
あり得ないわ。
裁: そ、それは‥‥?
ち: 決まってるでしょ。
‥‥吾童川の底、よ。
ゴ: ご‥‥吾童川‥‥!
ち: 綾里 真宵は、自分の母親を
殺してしまったのよ。
お人好しのあの子には、
とても耐えられなかった。
‥‥だから‥‥
あの川に、身を投げたのよ。
‥‥死体の上がることのない
あの急流に‥‥
‥‥いかがかしら。
リュウちゃん‥‥?
成: う‥‥‥ううううう‥‥‥‥
電: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ゴ: ‥‥‥おっと。
電話が、オレを呼んでるぜ。
成: (なんの曲なんだよ、あれ‥‥)
電:
‥‥ピッ‥‥
ゴ: ‥‥ゴドーだ。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥わかった。ごくろうだったな。

‥‥ピッ‥‥
裁: な‥‥なんですか‥‥?
ゴ: たった今、修験洞の<<錠>>が
すべて解除された。
成: なんですって!
それで‥‥真宵ちゃんは!
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
修験洞の中から、
ひとりの女が保護された。
裁: 綾里 真宵さん‥‥ですか!
ゴ: 葉桜院 あやめ。‥‥被告人だ。
成:え‥‥‥
ち: 当然でしょ。
‥‥アタシがきのう、
閉じこめておいたんだから。
成: じゃ、じゃあ‥‥
真宵ちゃんは‥‥?
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
修験洞の中には、
他にだれもいなかった。
成: そ‥‥‥そんな‥‥‥
ち: ‥‥だから、言ったじゃない。
あの子はもう、死んだ‥‥って。
成: う‥‥‥‥‥‥‥‥
うおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおッ!

(ざわめきが起こる)

裁: ‥‥どうやら‥‥
結論が出たようですな。
とても、悲しい結論が‥‥
天流斎 エリス‥‥いや、
綾里 舞子さんを殺害したのは‥‥
実の娘である、綾里 真宵だった。
そして、彼女は‥‥
罪の重さに耐えかねて、
吾童川の急流に身を投げた!
成: (‥‥なんてこった‥‥)


‥‥‥‥クッ!‥‥‥‥

ゴ: まるほどう‥‥
こんなコトバを知ってるかい?
<<あり得ないことを、すべて
消去していけば‥‥
最後に残るのは‥‥
たった1つの”真実”>>
‥‥たとえそれが、どんなに
信じがたいものであっても、な。
裁: ど‥‥どういうことですか?
ゴドー検事‥‥
ゴ: ‥‥この女は言った。
『綾里 真宵は、
吾童川に身を投げた』‥‥と。
しかし。‥‥本当にそれは
<<真実>>なのか‥‥?
成:‥‥‥!
ゴ: ‥‥思い出すんだ。
この女の証言を。
『中庭で事件が起こったとき
‥‥橋はすでに、燃えていた』
つまり‥‥綾里 真宵が
川に身を投げようとしたら‥‥
奥の院側のガケっぷち‥‥橋の
たもとから、ということになる。
ち: そうよ! 綾里 真宵は、
そこから‥‥
ゴ: ‥‥あり得ねえのさ。
そこから、川に身を投げるのは‥‥
不可能だった!
成: ‥‥‥!
(な‥‥なんだって‥‥!)
ゴ: いいか。ココロを揺らされるな、
まるほどう‥‥
落ちついて、もう一度‥‥
よく考えてみろ。
成: (真宵ちゃんが‥‥
吾童川に身を投げるのは
<<不可能>>だった‥‥?)
裁: ‥‥いかがですか、成歩堂くん。
<<綾里 真宵は、奥の院側の
橋のたもとから川に身を投げた>>
美柳 ちなみの主張をくつがえす
証拠を、提示できますか!

(「葉桜院の見取り図」を選択)
成: ‥‥<<奥の院>>側から、吾童川に
身を投げることはできない‥‥
それは、証人がイチバン
よく知っているはずです!
ち: ‥‥なんですって‥‥?
成: ‥‥10年ほど前。きみも、身を
投げたじゃないか‥‥吾童川に。
ち: ‥‥‥‥!
成: 現場付近の
上面図を見てください!
ごらんのとおり‥‥
<<奥の院>>側のガケの下には、
岩場が広がっています!
裁: お‥‥‥おおおおおッ!
た、たしかに‥‥
成: もし、身を投げたとしても‥‥
その身体は、川には届かない。
つまり‥‥‥
この写真の岩場に、彼女の死体が
写っていなければならないのです!
ち: あ‥‥‥!
ゴ: クッ‥‥!
やっと気がついたかい、アンタ!
ち: う‥‥‥
きゃあああああああああああっ!

(ざわめきが起こる)
裁: せ‥‥静粛に! 静粛に!
ち: む‥‥ムダな悪あがきは
み、見苦しいわ!
綾里 真宵は、
吾童川の底に沈んでいるのよ!
それ以外に‥‥あのガキが
身をかくす場所なんか、ないッ!
成: ちなみさん。‥‥こういうコトバを
知っていますか?
<<あり得ないことを、すべて
消去していけば‥‥
最後に残るのは‥‥
たった1つの”真実”>>
ち: ‥‥さっき、聞いたわ。
成: ‥‥綾里 真宵は、
修験洞の中にはいなかった。
そして‥‥吾童川に
身を投げたのでも、ない。
ゴ: ‥‥そう。
今度こそ‥‥
すべての可能性が消去された。
成: そして、残ったのは‥‥
たった1カ所だけです。
裁: な‥‥なんですと‥‥!
まだ、あるのですかッ!
<<可能性>>が‥‥
ち: は‥‥ハッタリに決まってる!
いったい‥‥‥彼女の死体が
どこにかくされているというの!
成: (どうやら‥‥やっと
わかったような気がする‥‥
”生者”の力では、決して
手の届かない、”死者”‥‥
その美柳 ちなみに、究極の
<<罰>>を与える方法が‥‥)
‥‥教えてあげよう。
美柳 ちなみさん‥‥
真宵ちゃんが‥‥
今、どこにいるのか!

(「法廷内のどこか」を選択)
成: たった1つ‥‥
残された、可能性。
それは‥‥‥
この、法廷内なのです!
ち: な‥‥なんですって!
ゴ: あ‥‥綾里 真宵が!
裁: こ‥‥この法廷内にいる、
ですッとォォッ!

(ざわめきが起こる)
成: ‥‥美柳 ちなみさん。
きみは、さっき‥‥
こう言っていた。
『1つだけ、カンちがいを
していた』‥‥と。
ち: そ、それがナニよ!
成: きっと‥‥もう1つ、
きみはカンちがいをしている。
ち: なんですって‥‥
成: それじゃあ‥‥
聞かせてくれるかな。
たった”今”‥‥‥この瞬間!
<<美柳 ちなみ>>を霊媒している
のは、いったいだれなのか!
ち: そ、そんなの‥‥
決まってるじゃない!
綾里 春美よ! 何も知らない
あの、おめでたいオコサマでしょ!
成: ‥‥そうじゃない。
春美ちゃんには‥‥
できなかったんだから。

春: 『こんなことは、初めてです。
霊を呼べない、なんて‥‥』
成: 『何か、考えられないの?
霊が呼べない理由は。』
春: 『‥‥‥‥‥‥‥‥‥
わたくしより先に、だれかが
その霊を呼んでいる場合です。』

ち: 春美より先に‥‥
だれかが、アタシを‥‥?
成: 春美ちゃんは、事件の翌日も
きみの霊媒をこころみた。
でも‥‥できなかった。
それが、何をイミするか‥‥?
そろそろ、きみにも
わかるんじゃないかな?
ち: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ああああああああッ!
成: 春美ちゃんには、きみが
呼べなかった!
それより先に、この人物が
きみを霊媒していたからだッ!

(「綾里 真宵」を選択)
成: ‥‥これ以上、カンタンな
話はありません。
春美ちゃんではなかった。
綾里 舞子さんは、もういない。
残るのは‥‥たったひとり!
裁: そ、それは‥‥‥
いったい、ダレなのですかッ!
成: 美柳 ちなみさん!
今、きみを霊媒しているのは‥‥
綾里 真宵しか、あり得ない!
ち: な‥‥‥‥
なんですってェェェェェェェッ!

(ざわめきが起こる)
裁: そ‥‥そんな
バカな話がありますかッ!
この証人の‥‥美柳 ちなみの
目的を、考えてごらんなさい!
ゴ: ”目的”なら、モチロン‥‥
<<綾里 真宵の殺害>>だろうぜ。
裁: そのとおりです!
それなのに、自分の命を狙っている
殺人者を霊媒してしまったら‥‥!
‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ゴ: クッ‥‥!
どうなるかな? ジイさん。
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ま‥‥まさか‥‥
成: どうやら‥‥
おわかりになったようですね。
ち: な‥‥ナニよ!
どーいうことなのッ!
成: 真宵ちゃんが、なぜ‥‥
きみを霊媒したか‥‥?
‥‥コタエは
1つしかないだろう?
きみから‥‥<<美柳 ちなみ>>から
身を守るためだよ。
ち: あ‥‥アタシから‥‥
身を‥‥守る‥‥?
成: 事件当夜‥‥。
きみの目的は、ただ1つだった。

『綾里 真宵を探し出して
‥‥殺害する!』
成: <<奥の院>>側は閉ざされて、
どこにも逃げ場はない。
‥‥そこで、問題になるのは‥‥
<<どこにかくれるのが
最も、安全か>>‥‥?
ち: あ‥‥‥ああああああああああッ!
そ、それが‥‥あ。アタシ‥‥?
成: きみは、春美ちゃんに霊媒されて
いると思いこんでいた。
‥‥だから、
気づくことができなかった。
綾里 真宵のかくれ場所は‥‥
他のどこでもない、
”きみ自身”だったんだ!
ち: そ‥‥‥そんな‥‥‥‥‥‥
バカなコトがァッ!

(ざわめきが起こる)
ち: こ‥‥このアタシが‥‥
美柳 ちなみが‥‥
手玉にとられたと言うの!
あんな、ガキに!
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
ち: 綾里 真宵は自殺したのよ!
そうとしか考えられないわ!

(成歩堂「異議あり!」)
成: ザンネンだけど‥‥吾童川に
身を投げることはできなかった。
‥‥そう。これが、
最後に残された方法だったんだよ。
世界から孤立した<<奥の院>>で、
真宵ちゃんが”消える”方法‥‥!
ち: あ、アタシは‥‥信じないわ!
‥‥あんなアタマの悪そうな、
世間知らずの女の子が‥‥
そんなこと、思いつくワケがない!
いったい、ダレが‥‥
そんな知恵を、あの子に与えたの!
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
それは‥‥‥

‥もちろん、私よ‥
成: ち‥‥‥千尋さん!
ち:
‥‥綾里 チヒロォォ‥‥ッ!
千: ‥‥ひさしぶりね。
美柳 ちなみさん‥‥

(ざわめきが起こる)
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥やっぱり‥‥
アンタだったのかい。
千: ‥‥‥ええ。
ゴ: クッ‥‥!
ヤッカイな女、だぜ‥‥
ち: あ‥‥アンタが‥‥
いったい、なぜ‥‥!
成: そのアタマ‥‥
春美ちゃん、ですね?
千: ‥‥いいかしら、ちなみさん。
もう一度‥‥あの夜のことを
思い出してごらんなさい。
あなたは‥‥<<奥の院>>の中庭で、
真宵を追いつめた。
そして‥‥最後の瞬間に、
意識を失ったそうね。
ち: アタシは、刺されたのよ!
綾里 真宵に‥‥!
千: じつは、そのとき‥‥
真宵のほうも気を失ったらしいの。
ゴ: ‥‥綾里 真宵が‥‥?
裁: 殺されそうになったのだから、
ムリもないのでは‥‥
千: ‥‥意識を取り戻したとき、
あの子は修験堂にいたそうよ。
そして、真宵は‥‥
すぐに、この私を霊媒したの。
自分のおかれた立場を、
メモに書き記して‥‥
これからどうするべきか?
‥‥私に相談してくれたわ。
ち: あの、コムスメが‥‥
アンタに、相談を‥‥?
千: 私にも、詳しい状況は
わからなかった。
でも‥‥1つだけ、
ハッキリしていることがあったわ。
裁: そ、それは‥‥?
千: <<美柳 ちなみ>>を自由にしては
いけない、ということ。
成: ”自由”‥‥って、
どういうことですか?
千: ‥‥一刻を争う状況だったわ。
私は、真宵に2つのことを命じた。
『すぐに<<美柳 ちなみ>>を
霊媒すること』
『そして、助けが来るまで、
自分を閉じこめておくこと』
成: (あの<<錠>>をかけたのは
真宵ちゃんだったのか‥‥)
裁: それにしても‥‥
どうして、そんな命令を?
千: もし、ぐずぐずしていたら‥‥
美柳 ちなみは、他の人物に
霊媒されていたでしょうからね。
‥‥そう。綾里 春美に!
成: は‥‥‥春美ちゃん、ですか?
千: あの子は、今回の計画を
正しく理解していなかった。
だから‥‥綾里 キミ子の指示を
守ることだけを考えていたの。
もし、あの子が<<美柳 ちなみ>>の
霊媒に成功してしまったら‥‥
おそらく‥‥サイアクの事態が
起こったでしょうね。
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥そういうコト、か。
<<美柳 ちなみ>>は、
綾里 春美の身体を使って‥‥
綾里 真宵を、殺害しただろうな。
‥‥どんな手を使っても。
裁: た、たしかに‥‥
恐らく、そうなっていたでしょう!
ち: ば‥‥バカ‥‥な!
この‥‥この、アタシが‥‥
成: いいかげん、認めたらどうですか?
‥‥美柳 ちなみさん。
きみたちの計画は‥‥
ミゴトにシッパイしたんです!
千: そのとおり。
‥‥またしても‥‥、ね。
ち: な‥‥何よ、それ。
”またしても”‥‥?
成: ‥‥美柳 ちなみさん。
思い出してみたらどうかな。
きみの犯行は‥‥ただの一度も、
成功したためしがないんだよ。
ち: な‥‥‥なんですって‥‥‥
成: 今から、10年ほど前‥‥
あの狂言誘拐事件が‥‥
きみの最初の犯行だ。
2億円のダイヤは手に入れた。
‥‥でも‥‥
尾並田さんが脱走して、美柳 勇希
に会いに行ったことから‥‥
すべては、バレてしまった。
ち: う‥‥うるさいッ!
あれは、アタシのせいじゃないわ!
‥‥あの、バカな死刑囚と、
気の小さい婦人警官のせいよ!
成: そして‥‥その、1年後。
きみは、今度は‥‥
このぼくを殺そうとした。
ち:‥‥‥!
成: まあ‥‥。あいにく
ぼくは今も、生きているけど‥‥。
きみは、ちがう人物を
殺害してしまったあげく‥‥
ついに、死刑を宣告されたわけだ。
‥‥つくづく、マヌケな話だね。
もう、笑う気にもなれない。
ち: だ‥‥ダマれ! この‥‥この
お人好しの、ガキが‥‥!
成: そして、今回!
きみは、またしくじったのさ!
綾里 真宵を取り逃がした。
きみのエモノは、
ずっと目の前にいたのにね!
ち: ‥‥ぐ‥‥ぐぐ‥‥‥‥ッ!
あ‥‥アヤサト チヒロ‥‥
アヤサト チヒロォォォォ‥‥ッ!
き、キサマが‥‥
キサマさえ、いなければ!
アタシは、綾里 真宵を
殺していた!
シャクにさわる、このオトコも
有罪判決を受けていたし‥‥
アタシも、死刑になることは
なかったのよ!
千: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
そうよ。
ち:‥‥‥!
千: ‥‥美柳 ちなみさん。
やっと、わかったかしら。
‥‥あなたは、
私には勝てないの。
ち: な‥‥なんですって‥‥
千: 一生かかっても‥‥いいえ。
死んでも、勝てやしない。
この私の前で‥‥
永久に、恥をかきつづけるのよ!
ち: う‥‥ううううう‥‥うううう‥‥
成: ‥‥審理の最初に、
きみは、こう言っていた。
‥‥ぼくたちは、きみを
罰することはできない。
なぜなら‥‥
きみは、<<死者>>だから。
ち: そ、それが、なによ!
成: そして‥‥こうも言った。
『肉体は消えても、その魂は‥‥
プライドは、永遠に残る』と。
千: ‥‥そうなの、ちなみさん。
それこそが‥‥あなたに対する、
逃れられない<<罰>>なのよ。
ち: ‥‥‥‥!
千: あなたは、永久に
<<美柳 ちなみ>>なの。
だれにも‥‥私にすら勝てない、
無力で、ヒキョウな存在‥‥
そして‥‥そこから逃れる道は、
もう存在しないわ。
‥‥あなたの死刑が執行された、
その日に‥‥
あなたの細い橋は、
燃え落ちてしまったのよ!
ち: ‥‥ウ‥‥ウウウウウ‥‥
‥‥チ‥‥チガウ‥‥
‥‥ソンナ‥‥ハズガナイ‥‥
‥‥コ、コノ‥‥アタシガ‥‥
‥‥キサマラナンカニィィィ‥‥
成: ‥‥でも。
‥‥そんなことはね。
もう、どうでもいいんだ。
それよりも‥‥‥
‥‥さっさと、真宵ちゃんから
出ていってもらおうかッ!
ち: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ウウウウウウウウウウウウウウウウ
オオオオオオオオオオオオオオオ
オオオオオオオオオオオオオオオオ
オオオオオオオオオオオオオオオ
オオオオオオオオオオオオオオオオ
ヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ
ヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ
ヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ

(美柳 ちなみがはなれる)

ち: ‥‥アタシ‥‥‥‥マ‥‥ダ‥‥‥
‥‥キエ‥‥タク‥‥ナイ‥‥‥‥

真: ‥‥なるほどくん‥‥
‥‥おねえちゃん‥‥

(綾里 真宵たおれる)

(ざわめきが起こる)


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