第5話『華麗なる逆転』第2回法廷(その3)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
ゴドー検事…薄橙
裁判長…緑
裁判官…黄
矢張 政志…紺
天龍斎 エリス…桃
毘忌尼…橙
葉桜院 あやめ…藤
美柳 ちなみ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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(「ムジュンしている」を選択)
成: この絵は、アキラカに
ムジュンしていますッ!
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
そんなコトは
わかっていますッ!
成: いやいやいや! そういう
イミではありません!
天流斎 マシスは、
何度も証言しています。
‥‥このスケッチは、
<<見たまま>>を描いた、と。
‥‥しかし!
その証言を信じると、
この絵の中には‥‥
現実とムジュンしている
ポイントがあるのです。
あ: ムジュン‥‥‥
ゴ: クッ‥‥!
‥‥おもしれえ。
‥‥どうやら、そのコリない
人差し指の登場らしいな。
いったい、このスケッチ‥‥
現実とムジュンする点は、どこか?

(「橋をささえるワイヤー」を選択)
成: それは‥‥この、
橋から伸びたワイヤーです!
裁: ‥‥ワイヤー、ですか‥‥
ゴ: クッ‥‥!
ソイツが、”現実”と
ムジュンしてる、ってワケかい‥‥
成: ‥‥そのとおり。
ゴ: それなら‥‥その”現実”って
ヤツを、示してもらおうか。
‥‥このスケッチのワイヤーと
ムジュンする<<証拠>>を‥‥!

(「おぼろ橋の写真」を選択)
裁: それは‥‥
おぼろ橋の写真、ですか。
成: <<スケッチ>>と<<写真>>‥‥
よく見くらべてみてください。
スケッチでは、ワイヤーは
<<手すりの上>>から伸びています。
‥‥しかし。
現実のおぼろ橋では‥‥‥
裁: あああああああッ!
成: ワイヤーは‥‥‥<<手すりの下>>
から伸びているのです!
ゴ: ‥‥なにひィィィッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
たしかに、スケッチは”現実”と
食いちがっているようです!
‥‥しかし‥‥
これは単なる、
”見まちがい”‥‥なのでは?
あ: ”描きまちがい”かも
しれませんわ!
ゴ: いっそ、アンタが
”場ちがい”だぜ、まるほどう!
成: ‥‥このオトコのことですから、
”見まちがい”はあり得ます。
‥‥しかし。
そこで問題になるのは‥‥
彼が<<なぜ、見まちがえたか>>?
‥‥その”理由”です。
ゴ: ‥‥アンタに、それが
わかる、って言うのかい‥‥
成: みなさん!
思い出していただけますか。
天流斎 マシスが、あの瞬間を
目撃したときの<<状況>>を‥‥
‥‥あの晩、彼は極楽庵で、来る
はずのないコイビトを待っていた。
やがて、待ちくたびれた彼は
うたた寝を始めます。
‥‥そのとき! 運命の落雷で
橋は燃え上がり‥‥
彼は、その瞬間を目撃した。
‥‥こんな状態でッ!
あおむけに見た一瞬の光景が、
彼の目に焼きついてしまった‥‥
裁: ‥‥‥”あおむけ”‥‥‥
成: ‥‥そう。
それが<<コタエ>>だったのです。
なぜ、スケッチのワイヤーが
”上下、逆に”伸びていたか‥‥?
裁: あああああああああッ!
ゴ: ま‥‥まさか‥‥‥ッ!
成: 天流斎 マシスは、あおむけに
寝た状態で、事件を目撃した。
‥‥つまり!
彼の目撃した光景は‥‥
上下が<<逆転>>していたのです!

(ざわめきが起こる)
裁: そ、それでは!
‥‥このスケッチは‥‥
成: どうやら‥‥お気づきになった
ようですね。
天流斎 マシスの描いた
<<スケッチ>>の、正しい見かたが!
‥‥これこそが、この絵の
<<正しい姿>>だったのです!

(ざわめきが起こる)
成: 被害者の死体は、橋の”上空”を
飛んだのではなかった!
橋の”下”を、くぐったのです!
‥‥そう! まるで、
<<振り子>>のように!
ゴ: ぐぶるほほほおおおおおォォォッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に‥‥

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: よりによって‥‥
なんで<<振り子>>なんだッ!
成: ‥‥橋はすでに燃え上がって、
とてもわたれる状況ではなかった。
しかし‥‥被害者の死体は、
奥の院で発見されてはならない‥‥
そこで犯人は、イチかバチかの
<<賭け>>をしたのです。
燃える橋を使って、死体を対岸に
わたすためには‥‥
<<振り子>>を使うしかなかった!

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: ‥‥とりあえず、地に足をつけて
考えるとするぜ‥‥。
おぼろ橋の全長は、
約20メートルもある。
つまり、<<奥の院>>から対岸まで、
それだけ離れている、ってワケだ。
成: ‥‥そうなりますね。
ゴ: そのキョリを<<振り子>>で
クリアするためには‥‥
少なくとも、10メートルの
長いロープが必要になる。
そんな長いロープなんぞ、
カンタンに用意できるワケがねえ!

(成歩堂「異議あり!」)
成: (あの晩、橋に落雷があったのは、
あくまでもグーゼンだった。
だから、犯人が前もってロープを
用意しておいたハズはない。
‥‥つまり、犯人は‥‥)
‥‥わざわざ
用意するまでもなかった‥‥
犯人の目の前に、
<<ロープ>>はあったのです!
ゴ: な、なんだと‥‥!
成: だから、それを使った。
‥‥それだけのことです。
裁: では、弁護人に
提示していただきましょう!
犯人が、死体の<<振り子>>に
使用した、<<ロープ>>のありかを!

(「おぼろ橋の写真」を選択)
裁: こ、これは‥‥?
成: 犯人が使った<<ロープ>>なら‥‥
目の前にブラ下がって
いるじゃないですか!
裁: ああああああああッ!
これは‥‥
おぼろ橋のワイヤー‥‥ですか!
成: 落雷によって、橋は炎上した!
そして、その際‥‥
ワイヤーのうちの1本が、
留め具からハズれかかっていた!
‥‥犯人に、迷っている
時間は、ありませんでした。
そのワイヤーに、死体を
結びつけて‥‥
これ以外に、死体を運ぶ
方法はありません!
ゴ: ‥‥‥‥クッ‥‥‥‥!
うごふごふごふごふごふごふごふ
ごふごふごふごふごふごふごふご

(ざわめきが起こる)
裁: いかがですか、ゴドー検事!

(ゴドー検事 コーヒーを飲みつづける)
裁: どうやら‥‥
あまりのコトに、検察側は
コトバもないようです。
たしかに、現場に<<ロープ>>は
ありました。
<<不可能ではない>>
‥‥そう考えていいでしょう!

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: <<可能>>か<<不可能>>か‥‥?
そんなコト、問題じゃねえぜ。
‥‥ダイジなのは、1つだけ。
ジッサイに、やったかどうか‥‥?
それならば、まるほどう!
‥‥見せてもらおうじゃねえか。
ジッサイに、死体が<<振り子>>で
飛ばされたという証拠を!

(「水晶」を選択)
成: <<証拠>>を提示する前に、
少し、整理して考えてみましょう。
この写真によると、
切れたワイヤーは、1本。
上面図で見ると、コイツです。
<<奥の院>>の前につながっていた。
裁: では‥‥犯人は、
その場所から死体を‥‥!
成: もちろん、そうでしょう。
‥‥そのときの死体の動きを、
上面図で考えてみましょう。
‥‥このポイントから
投げ出された死体は‥‥
‥‥対岸の、このあたりに
落下することになります。
裁: ら‥‥”落下”‥‥ですか?
成: おそらく、対岸で死体を受けとめる
のに、シッパイしたのでしょう。
あ: なぜ‥‥そんなことが
わかるのですか!
成: 死体が対岸に”落下”したことを
説明する証拠があるからです。
あ: そ‥‥
そんな証拠が‥‥!
成: ‥‥この、<<解剖記録>>を
見ていただきましょう。
こう書かれています。
『死後、3mの高さを落下』
裁: さ‥‥3メートル‥‥
成: おそらく、対岸との高さの差が
あったためでしょう。
死体はワイヤーからはずれて、
3メートルの高さから落ちた。
そして、そのときのショックで‥‥
‥‥この水晶が
ハズれてしまったのです!
あ: ‥‥! そ、それは‥‥‥
成: ‥‥もちろん、
この血痕の残った水晶は‥‥
被害者・天流斎 エリスさんの
ツエに、はまっていたものです!
そして! さらに重要なのは‥‥
水晶が発見された場所です!
裁: た、たしか‥‥‥上面図に
記されていたはずです!
水晶が落ちていたのは‥‥
‥‥ああああああッ!
成: ‥‥そうなんです。
そこは、まさに‥‥
<<振り子>>の到達点なのです!

(ざわめきが起こる)
裁: どうやら‥‥‥
これで、立証されたようです。
<<事件当夜‥‥いかにして、
死体が移動したのか‥‥>>
今回も、キワどいところ
でしたな。‥‥成歩堂くん。

(成歩堂 コーヒーまみれ)
裁: な‥‥‥成歩堂くんッ!
ゴ: ‥‥その、ぬるいコーヒーで
ネツをさますことだ‥‥
裁: ど‥‥どういうコトですかッ!
ゴドー検事ィ!
ゴ: ‥‥なかなか、苦味とコクのある
スイリだったぜ、まるほどう‥‥
‥‥しかし。まだ1つだけ‥‥
足りねえものがある。
裁: そ、それは‥‥
なんですかっ!
ゴ: ‥‥‥<<香り>>さ。
成: ‥‥かおり‥‥?
ゴ: 立ちのぼる深いアロマは
コーヒーの最大の共犯者、だぜ‥‥
成: ‥‥あの、すみません。
わかるようにおねがいします。
ゴ: <<犯人が、死体を対岸に飛ばした>>
‥‥それならば、当然!
その死体を”受け取った”人物‥‥
<<共犯者>>がいる、ってコトだ。
裁: 共犯者‥‥ッ!
ゴ: ‥‥犯人自身は、おぼろ橋を
わたることはできなかった。
それならば‥‥いったい、
ダレに死体をたくしたのか‥‥?
聞かせてもらおうじゃねえか!
‥‥まるほどうッ!
成:‥‥‥!
裁: た‥‥たしかに、この犯行は
ヒトリでは不可能です!
弁護人! よろしいですね?
成: ‥‥‥はい。
(協力者がいなければ、死体が
葉桜院に移動するハズがない!)
裁: ‥‥それでは、うかがいます。
<<奥の院>>の対岸で、死体を
受け取った人物とは、だれですか!

(「あやめ」を選択)
成: ‥‥あやめさん。
あなたですよ、もちろん。
あ: え‥‥‥
えええええええええッ!
あ‥‥あの‥‥私‥‥
成: ‥‥そんなに驚くことは
ないと思いますけどね。
おぼろ橋から死体を運ぶには、
スノーモービルを使うしかない。
ビキニさんは、致命的にコシを
痛めていて、死体など運べない。
‥‥あなたしか、いないんです。

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: アンタ‥‥証人の話、
聞いていたかい‥‥?
このカワイコちゃんは、
事件当夜‥‥
奥の院の中庭で、親子ゲンカの
後始末をしていたんだぜ。

(成歩堂「異議あり!」)
成: あなたこそ、お忘れですか?
‥‥ゴドー検事。
この証人は‥‥葉桜院でも
目撃されているんですよ。
被害者の死体に
細工しているところを‥‥
裁: ふ‥‥ふむう‥‥‥
‥‥ジツに奇妙です。
まるで、事件当夜‥‥
葉桜院と奥の院‥‥ふたりの
被告人が存在したかのようです!
成: ‥‥あやめさん。
1つだけ、聞かせてください。
なぜ‥‥最初から
証言してくれなかったのですか?
あ: あ、あの。何をでしょうか‥‥?
成: ‥‥モチロン、
<<振り子>>のことですよ。
事件当夜の現場の状況、
目撃証人のスケッチ‥‥
炎上した橋を使って死体をわたした
方法は、立証されました。
‥‥あなたは、それを
知っていたハズですからね。
あ: そ‥‥そんな!
私、知りません!
<<振り子>>なんて‥‥
思いつきもしませんでしたわ!
成: 死体の受けわたしには、あなたの
協力がゼッタイに必要でした。
‥‥それならば、当然!
あなたは<<振り子>>のことを
知っていなければオカシイのです。
‥‥もし、あなたが‥‥
本当に<<あやめさん>>ならば。
あ: え‥‥‥
な‥‥何を言いだすのですか!
成歩堂さま‥‥
裁: な‥‥ナニをバカなことを!
‥‥こ、この証人が、
葉桜院 あやめではない‥‥

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: ‥‥ま、まるほどう!
もしかして‥‥
こ‥‥‥コイツは‥‥‥
このオンナは‥‥ッ!
成: (あの晩‥‥死体を受け取ったのは
あやめさん以外、あり得ない!
どうやら‥‥ハッキリしたな。
この”違和感”の正体が。
‥‥彼女の証言が、きのうから
急に変わってしまった理由‥‥
そして‥‥真宵ちゃんに罪を
着せようとしている理由‥‥)
‥‥たった今、
証言台に立っている人物‥‥
この証人の、本当の名前はッ!

(「美柳 ちなみ」を選択)
成: ‥‥この名前を、二度と口に出す
ことはないと思っていました。
まして、本人を目の前にして。
‥‥ひさしぶりですね。
美柳 ちなみさん。
あ:‥‥‥!
裁: ‥‥‥みやなぎ‥‥‥
成: あやめさんには、
双子の姉がいました。
‥‥それが、彼女。
美柳 ちなみです。
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
いつか、どこかで‥‥
その名を聞いたような気がします。
ゴ: クッ‥‥
気のせいじゃねえさ、ジイさん。
ここに‥‥美柳 ちなみに
関するデータがあるぜ。
裁: ‥‥‥‥‥‥‥
そうだったのですか‥‥
5年前‥‥、あのときの!

美: 『‥‥お名前は、美柳 ちなみと
申しますわ。
ふつつか者ですが‥‥なにとぞ、
よろしくおねがいいたしますね。』
亜: 『こちらこそ!』
裁: 『よろしくおねがいしますぞ!』

裁: ‥‥し、しかし!
この記録によると‥‥
美柳 ちなみは‥‥‥
すでに死んでいるではないですか!
‥‥先月、死刑が
執行されたばかりです!
ゴ: ‥‥”死”だって?
そんなもの‥‥‥
この法廷じゃァ、
なんのイミもねえのさ!
裁: なんですッとぉぉぉぉぉぉッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
あ: ‥‥ま、待ってください!
私のお姉さまは‥‥もう、
お亡くなりになったのですよ!
い、今さら‥‥

(成歩堂「異議あり!」)
成: ‥‥あなたには、説明するまでも
ないでしょう。
その身体には、倉院流霊媒道の
家元の血が流れているのですから。
裁: くらいんりゅう‥‥れいばい‥‥
成: ‥‥そう。正確には、あなたは
<<美柳 ちなみ>>ではありません。
霊媒師の身体を借りた、
<<霊体>>なのですから!

(ざわめきが起こる)
ゴ: ハナシとしてはオモシロイが‥‥
さすがに、ムリがあるぜ。
事件の晩、美柳 ちなみの霊が
霊媒された、ってワケかい?
彼女の双子の妹・あやめがいる
<<葉桜院>>で‥‥
成: ‥‥そのとおりです。

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: そんなグーゼン、
あるわけがねえぜ!

(成歩堂「異議あり!」)
成: ‥‥もちろん、
グーゼンではありません。
すべては、<<計画>>どおり、
実行されていたのです。
この<<指示書>>に書かれている
とおりに‥‥!
あ: あ‥‥ッ! そ、それは‥‥
成: あなたたちの母親、綾里 キミ子が
書いたものです。
<<美柳 ちなみ>>が霊媒される
ことは、最初から決まっていた!
あの晩‥‥
葉桜院には、ふたりの
<<あやめさん>>が存在したのです。
ゴ: ‥‥”ふたり”‥‥だと?
成: この手紙では、霊媒をする
時間が指定されています。
『<<消灯の鐘>>が聞こえたら』‥‥
すなわち、午後10時です。
しかし、夕食より以前から
<<あやめさん>>は、いました。
裁: つまり‥‥それは”ホンモノ”
ということですね‥‥
成: 彼女は、葉桜院で
ぼくに、このずきんをくれました。
つまり、ビキニさんが<<奥の院>>で
会ったという<<あやめさん>>は‥‥
修験者の装束を着た、別人‥‥
<<美柳 ちなみ>>だったのです!

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: アンタ‥‥自分で言ってることが
わかってるのかい?
事件当夜、<<美柳 ちなみ>>が
霊媒された‥‥
計画書が残っている以上、
それは、たしかだろうぜ。
‥‥しかし!
これだけはハッキリしている。
そこの証言台に立っている証人は、
ホンモノの<<あやめ>>だぜ!
成: ‥‥‥な、なんですって‥‥‥!

(ざわめきが起こる)
ゴ: 事件当夜のこと‥‥、落ちついて
よく思い出してみな。
霊媒された<<美柳 ちなみ>>は、
住職に会ったあと‥‥
落雷によって、<<奥の院>>に
閉じこめられてしまった。
死体が<<振り子>>で運ばれたのは、
それよりも後、だ。
成: ‥‥そうなりますね。
ゴ: このとき、対岸で死体を
受け取った<<あやめ>>は‥‥
当然、<<本物>>ということになる。
‥‥ここまでは、いいか?
成: ‥‥はい。
ゴ: 事件の通報を受けて、警察は
葉桜院の本堂にかけつけた。
そして、自室にいた
<<葉桜院 あやめ>>を逮捕した。
‥‥それ以来、彼女は留置所で
警察の管理下にあった‥‥。
成: た、たしかに‥‥
(そういうことになる‥‥な)
あ: ふう‥‥よかったですわ。
やっと、ナットクして
もらえたようですね‥‥
成: (しかし‥‥
やはり、何かがちがう!
今日の<<あやめさん>>は‥‥
あの晩の彼女とは、別人だ!)
ゴ: クッ‥‥!
それなら、アンタ‥‥
こう主張するつもりかい?
本物の<<あやめ>>と、
霊媒された<<ちなみ>>‥‥
どこかで入れ替わった、
とでも‥‥?
裁: い、入れ替わった‥‥!

(ざわめきが起こる)
裁: ‥‥正直なところ‥‥
私にはまだ、よく
わからない点もありますが‥‥
証人の身元が確定しないかぎり、
審理を進めることは不可能です。
成: (‥‥あやめさんに、<<ちなみ>>を
霊媒する霊力は、ない。
そうなれば、たしかに‥‥
どこかで、入れ替わるしか
ないわけか‥‥)
裁: いかがですか、弁護人!
葉桜院 あやめが逮捕されてから、
今日、証言台に立つまでの間‥‥
<<美柳 ちなみ>>と入れ替わる
機会は、あったのですか?

(「一度だけあった」を選択)
成: ‥‥裁判長!
一度だけ‥‥チャンスが
あったかもしれません。
裁: な‥‥なんですと‥‥
成: きのう‥‥数分間ですが、
空白の時間が存在したのです。
ゴ: 空白の‥‥時間‥‥
どういうイミだ?
成: もちろん‥‥
あやめさんが、だれにも見られず
自由に行動できた時間ですよ。
裁: いったい、ダレですか!
殺人事件の容疑者に、そんな
<<自由>>を与えたのは!
成: (‥‥悪いな。
おまえのせいじゃないけど‥‥)
あやめさんの<<空白の時間>>‥‥
それを与えた人物とは!

(「御剣 怜侍」を選択)
裁: こ、これは‥‥たしか。
御剣検事、ですな‥‥?
成: ‥‥裁判長。
きのう、大きな地震が
ありましたね?
裁: じしん‥‥ですか‥‥

毘: 『じ、地震よおお‥‥ッ!
た‥‥タイヘン!
この揺れ‥‥奥の院が危ないよ!』

御: 『わ‥‥私としたことが‥‥
”脱走”、だ。
‥‥取り逃がしてしまった。』

成: ぼくたちは、すぐに
<<奥の院>>へ向かいました。
‥‥そこには、たしかに
<<あやめさん>>がいました。
しかし‥‥
‥‥すでに、
入れ替わりは終わっていた。
あのとき、修験堂にいたのは
<<美柳 ちなみ>>だったのです!

(ざわめきが起こる)
裁: い‥‥いいかげんに
しなさいッ! ‥‥弁護人!
よろしいですかッ!
<<霊媒>>などというものを
認めてしまっては、裁判など‥‥
?: ‥‥おだまりなさいな。
おひさしぶりね‥‥
オジサマ。
裁: ‥‥‥‥!
そ、その‥‥しぐさは‥‥‥
ゴ: どうやら‥‥あらためて、
聞く必要がありそうだな。
?: ‥‥‥‥‥‥‥‥
ゴ: ‥‥カワイコちゃんには、
名前と職業を聞く。
それが、オレのルールだぜ。
ち: 美柳 ちなみよ。
今は‥‥‥死者、やってるわ。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
ゴ: クッ‥‥!
もう、正体をかくすつもりは
ねえようだな。
ち: ‥‥まあ、そうね。
アタシ、もう死んでるから。
アンタたちには‥‥、もうアタシを
罰することはできないでしょ?
裁: ‥‥な、なんという‥‥
成: (‥‥美柳 ちなみ‥‥
まさか‥‥こんな状況で
<<再会>>するなんて‥‥
今こそ‥‥決着をつけるんだ!
彼女と、ぼく自身に‥‥)


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