第5話『華麗なる逆転』第1回法廷(その2)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
ゴドー検事…薄橙
裁判長…緑
裁判官…黄
矢張 政志…紺
天龍斎 エリス…桃
毘忌尼…橙
葉桜院 あやめ…藤
美柳 ちなみ…紫
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(さらに詳しい状況)
毘: 『オバサンが見たとき、カタナは
もう、刺さっていましたねェ。』(証言1)
『考えてみれば、あの子が刺した
瞬間は、見ていないみたい。』(証言2)
『オバサン、あんなに血ィが出るのを
見たの、初めてだから‥‥』(証言3)
『それで、キゼツしちゃった
のよねェ。ムリもないけど。』(証言4)
『それで、目がさめたら‥‥
供子さまが、エリスさまを‥‥!』(証言5)
裁: ぬううううむ‥‥
どうやら‥‥狩魔検事の主張が
ウラづけられたようですな‥‥。
冥: ‥‥狩魔は、カンペキをもって
よしとする‥‥
このテイドは、当然のレベル。
そうでしょう? 御剣 怜侍‥‥
御: (”カンペキ”など、
あり得ないのだ、狩魔 冥‥‥
どうやら、まだ
わかっていないようだな‥‥)

(「証言3」をゆさぶる)
御: ‥‥被害者の血を
目撃した、と‥‥?
毘: そ、そうなの! あの。
あ、あやめにも少し、返り血が‥‥
冥: 被告人・あやめは、逮捕されたとき
自室でメイソウをしていた。
返り血で汚れた装束は、キチンと
たたんで、わきに置いてあったわ。
御: な、なんだと‥‥!
(返り血をあびた、装束が‥‥)
裁: ぬううううう‥‥やはり、
決定的なようですなあ‥‥。
御: (どうする‥‥?
さらに追求するべきか‥‥)

(「さらにゆさぶる」を選択)
御: ‥‥先ほどの話にもあったが‥‥
刺された瞬間の出血量は、それほど
たいしたものではないという。
しかし‥‥あなたは、被害者の
”出血”を目撃したそうだが‥‥?
毘: あらあら。オバサンだってねェ。
見るモンは見てるんだから。
裁: ど、どういうことですかな?
毘: たしかにオバサン、カタナを刺す
ところは見なかったけど‥‥
あの子が、カタナを抜くところは
ハッキリ見ましたからねえ。
御: カタナを‥‥”抜いた”‥‥?
毘: まあ‥‥”抜いた”というより
”抜けた”という感じだったけど。
裁: 証人! 今の発言、
証言に加えていただきましょう!
毘: あ、あの‥‥。
重要なコトだったのかしら‥‥?
御: (‥‥あなたが
想像もつかないほどに‥‥)
毘: 『根元まで刺さった凶器を抜く瞬間は
見たの。するする、スムーズに‥‥』(証言6)

(「証言6」に「七支刀」をつきつける)
御: 毘忌尼さん。
あなたは、信頼できる証人だ‥‥
そう思いたいのだが‥‥
その証言に、ムジュンが多すぎる。
毘: な、なんなのよ!
ヒトをウソつきみたいにィィ!
‥‥まあ‥‥。ちょっと
イイ男だから、ユルすけど。
冥: ”ムジュン”‥‥
どういうことかしら?
御: 証人が見たと主張する
光景では‥‥
凶器は、その根元まで
被害者をつらぬいていたという。
さらに‥‥ハンニンは、その凶器を
スムーズに死体から抜いている。
‥‥しかし!
そのいずれも、あり得ないのだ。

(ざわめきが起こる)
裁: ‥‥どういうコトかな‥‥?
説明をおねがいしま
うははははははははははッ!
冥: どういうコトなの!
説明しなさいッ!
御: そもそも‥‥こんな凶器を、根元
まで刺すことができるだろうか?
被告人は、それほどチカラのある
女性には見えないが‥‥?

(狩魔冥「異議あり!」)
冥: ”そうは見えない”‥‥
そんなコトバは無力よ。
私だって、見た目は
このとおり、か弱いけれど‥‥
その気になれば、オトコの
ひとりやふたり、泣かせてみせる!
裁: 異議を認めます!
さっき、この私ですら、ちょっと
泣いてしまいましたからな。

(御剣怜侍「異議あり!」)
御: ‥‥モンダイは、
それだけではない。
もし、このカタナが根元まで
刺さってしまえば‥‥
これだけ枝分かれしているのだ。
”スムーズ”に抜けるハズがない!
冥: そ、それは‥‥‥
御: それに、出血量の問題がある。
カタナで刺された場合、その凶器が
”フタ”になることは考えられる。
しかし! このようなフクザツな
カタチとなれば、話はベツだ。
傷口は広がり、出血は
おさえられなかっただろう!

(狩魔冥「異議あり!」)
冥: ‥‥そ、そんなもの‥‥
スイソクにすぎないわ!
現に、被害者は七支刀で
刺されているのよ。
こんなカタチの凶器でも‥‥
スムーズに抜けることもあるし、
出血を止めることもあるッ!

(御剣怜侍「異議あり!」)
御: それだけではないのだよ。
さらにもう1つ‥‥
決定的なムジュンがある。
裁: ま‥‥まだ、あるのですか!
御: ‥‥カンタンなコトだ。
もし、このカタナが
根元まで刺さったのであれば‥‥
なぜ、その血痕が、カタナの
切っ先にしか残っていないのか?
冥: あ‥‥‥ッ!
御: ‥‥もし、この証人の
証言が正しいのならば!
刀身の全体に、痕跡が
残っているはずではないかッ!
冥: ぐうううううううッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静
うはははははははははははッ!
冥: さすがは‥‥御剣 怜侍ね。
たった1本の凶器から、ここまでの
ムジュン点をすくい上げるなんて。
私の知っている弁護士なら‥‥
おそらく、1コがせいぜい。
裁: しかし! これはいったい、
どういうことなのですか!
凶器に、多くのムジュンが
あることはわかりましたが‥‥
御: ‥‥そこまでわかれば、
コタエは1つしかなかろう。
冥: そ、それは‥‥‥?
御: 被害者のイノチをうばった
<<凶器>>は‥‥
このカタナ、
<<七支刀>>ではなかったのだッ!
裁: な‥‥なんとォォォッ!
冥: バカの、バカによる、
バカ中心的でバカげた考えね‥‥
御: そもそも‥‥これが凶器だと
考えられたのは、なぜだろうか?
毘: そ、それは、モチロン‥‥
供子さまが‥‥その手に、
お持ちになっていたから‥‥
御: ‥‥そのとおり。
しかし!
逆に考えれば、コンキョは
それだけなのだ。
‥‥あの光景の印象が強すぎた。
それゆえ、我々は思いこんだ。
この七支刀こそが
”凶器である”‥‥と!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
うはははははははははははッ!
冥: ”凶器が<<七支刀>>では
なかった”‥‥
もし、そうだったとしても‥‥
何も変わらないわ、御剣 怜侍!
ジューショクさまは、
目撃しているのだから!
被告人が<<カタナのようなもの>>で
被害者を刺しつらぬいた光景を!
裁: ぬうううううう‥‥
それは、そうですな!
いかがですかな、弁護人!
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
それならば‥‥検察側に、当然の
ギモンの答えをいただきたい。
裁: 当然の‥‥ギモン?
御: ‥‥そう。すなわち‥‥
ホンモノの凶器は
いったい、どこへ消えたのか?
冥:‥‥‥!
御: 当然、警察は葉桜院内、および
その周辺を捜査したはずだ。
‥‥<<カタナのようなもの>>は
発見されたのかな?
冥: そ、それは‥‥‥
裁: どうなのですか! 狩魔検事!
冥: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
それらしき証拠品は
発見されていないわ‥‥

(ざわめきが起こる)
裁: ぬううううう‥‥
また1つ、ナゾが増えたようです。
凶器が発見されないとなると、
審理はヤッカイなことに‥‥
毘: あの‥‥
ちょっといいかしらねェ。
オバサン、思い出した
コトがあるんだけど‥‥
冥: ‥‥何かしら?
ジューショクさま‥‥
毘: もしかしたら‥‥
アレは、ああいうコト
だったのかもしれないねぇ‥‥
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ゼンゼン、わかりません。
毘: キョーキよ、キョーキ!
‥‥もしかしたら‥‥
オバサン、知ってるかも!
カタナを捨てた場所をッ!
御: なんだと‥‥ッ!
冥: ‥‥どうやら‥‥
ジューショクさまの証言‥‥
もう一度、聞く必要があるようね。
御: (バカな‥‥!
この上‥‥いったい、何を見たと
言うのだ、このオバサンは!)

(”凶器”のゆくえ)
毘: 『オバサンが、事件を目撃したのは
11時ごろだったワケだけど‥‥』(証言1)
『事件の通報をたのんだあと、
山門のトコロに出てみたの。』(証言2)
『そこに‥‥スノーモービルが
走ったアトが残っていたの!』(証言3)
『おぼろ橋まで歩くと15分だけど、
あれを使えば、5分もかからない!』(証言4)
『オバサンがキゼツしたあと、凶器を
吾童川に捨ててきたんじゃない?』(証言5)
『‥‥あやめなら、それができた。
スノーモービル、運転できるし‥‥』(証言6)
裁: ぬうううううううむ‥‥
証人。証言を、小出しに
しないようにおねがいします。
毘: ま。オバサンもアレよね。
コシがアレだし、トシもアレだし。
冥: たしかに‥‥
山門の前には、スノーモービルの
シュプールが残っていたわ。
これが、その写真よ。
裁: スノーモービル‥‥ですか。
‥‥あり得ますねえ‥‥。
冥: シュプールは、葉桜院の前から
始まって‥‥
おぼろ橋の前まで
つながっていたわ!

証拠品<<シュプールの写真>>の
データを法廷記録にファイルした。
冥: ‥‥これで、問題ないようね。
吾童川は、流れが早いため、
冬でも凍結することはない。
凶器を捨てるには、まさに
絶好のポイントよ!
御: (凶器を‥‥川へ捨てに行った?)
裁: それでは、弁護人!
‥‥尋問をおねがいします。

(「証言5」に「シュプールの写真」をつきつける)
御: たしかに‥‥この写真は、
証明している。
事件当夜、スノーモービルが
使用されたことを。
冥: 認めざるを得ないようね。
‥‥御剣 怜侍。
御: ただし‥‥。
それならば、なぜ。
シュプールは1本なのだろうか?
冥: どういうこと‥‥かしら?
御: 葉桜院から凶器を持ち出して、
川に捨てて戻ってきたら‥‥
当然! 雪の上には
2本のシュプールがあるはず!
橋へ向かうときのものと、
橋から帰ってくるときのもの‥‥
毘: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
あ‥‥!
そりゃそうだわねぇ‥‥
冥: フッ‥‥
ひとつ、忘れていることが
あるようね‥‥御剣 怜侍。
御:‥‥‥?
冥: 事件当夜は、雪が降っていたのよ。
橋へ向かうシュプールは、
その雪が消してしまった‥‥
そう考えれば、なんの
ムジュンもないでしょ?
裁: なるほど! 川に凶器を捨てている
あいだに、雪がやんで‥‥
帰ってくるときのシュプールだけが
雪の上に残されたワケですか‥‥
冥: さあ、いかがかしら!
‥‥御剣 怜侍!
御: (‥‥狩魔検事の主張‥‥
オカシイところは、ないか?
”雪がシュプールを消した”
‥‥という主張‥‥)

(「ムジュンしている」を選択)
御: ”川へ向かうシュプールは、
雪によって消された”‥‥
狩魔検事。
‥‥それは、あり得ないのだよ。
冥: ‥‥‥‥‥‥‥‥
その無礼につきつけられた、
人差し指‥‥
説明してもらえるかしら?
御: ‥‥その必要はない。
証拠品が、すべてを語るだろう。
裁: 事件当夜、被告人は凶器を捨てる
ため、おぼろ橋まで往復した。
その”行き”のシュプールは、
雪によって消されてしまった‥‥
‥‥それが、検察側の主張です。
それでは、弁護人。
証拠を提示していただきましょう!
”行き”のシュプールが、雪で
消されたのではないという証拠を!

(「現場写真」を選択)
御: ‥‥ケッキョクのところ、
ポイントは、たった1つ‥‥だ。
すなわち‥‥
被害者が刺された瞬間、境内に
雪が降っていたかどうか‥‥?
冥: ‥‥そういうことね。
しかし、それを立証するのは‥‥
御: きわめて、たやすい。
冥:‥‥‥!
御: 境内の状況を知りたければ‥‥
写真を見ればよい。
‥‥さよう。
<<現場写真>>だ、モチロン。
ごらんのとおり‥‥すべてが
雪でおおわれている。
‥‥ただ1つのものをのぞいて。
冥: そ、それは‥‥?
御: 被害者・天流斎 エリスだ。
なぜ、彼女の上にだけ、
雪がつもっていないのか‥‥?
答えは、わかりきっている。
彼女が殺害されたとき、
雪はすでにやんでいたッ!
冥: ぐ‥‥‥ッ!
御: つまり!
犯行のあと、犯人が吾童川に
凶器を捨てに行ったのであれば‥‥
この写真にはやはり! シュプール
は2本、残っているハズなのだッ!
冥: きゃああああああッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
こ、これはどういうことなの
ぎゃッほほお!
冥: い‥‥いったい‥‥
どういうことなの、御剣 怜侍!
御: (正直なトコロ‥‥
私にも、よくわからないが‥‥)
事実を整理すると‥‥
こういうコトになる。あの晩‥‥スノーモービルを使い、
だれかが葉桜院をはなれた。
シュプールから見て、行き先は
おぼろ橋と考えるべきだろう。
そのとき‥‥
まだ、雪は降っていた。
冥: 当然ね。‥‥そのときの
シュプールは消えているのだから。
御: そして‥‥その人物が
葉桜院に帰ってきたとき‥‥
すでに雪はやんでいた。
だから、シュプールが残った。
裁: ぬううううううううう‥‥む。
毘: ちょっと、いいかしら?
‥‥なんだか、
オカシイ気がするのよねェ‥‥
冥: ‥‥なにかしら?
ジューショクさま。
毘: スノーモービルのキーは‥‥
1本しか、ないんですよ。
御:‥‥‥!
冥: そして‥‥事件当夜、被告人が
持っていたことがわかっている。
事件発生後、キーは
彼女の部屋から発見されたわ。
毘: ‥‥だから、あの晩、
スノーモービルは‥‥
あやめが奥の院に行くときに
使ったことになりますよねえ‥‥
御: (まあ‥‥彼女は奥の院には
”行ってない”と言っているが。
ここは、話を
聞いておくべき、だな‥‥)
毘: スノーモービルで吊り橋を
わたることはできないから‥‥
あの子は橋のたもとに置いて、
奥の院に来たんでしょうねぇ。
裁: ‥‥そうなりますね。
毘: でも‥‥オバサンがあやめを残して
葉桜院に帰る途中‥‥
おぼろ橋のたもとには‥‥
何もなかったけどねぇ。
冥: そ‥‥それは、ジューショクさま。
きっと、見落としたのよ。
毘: それにねぇ。オバサンが
葉桜院に帰ってみると‥‥
門のトコロに、ちゃんとあったの。
‥‥あのスノーモービル。
‥‥まちがいないわ。
すっぽり、雪がつもってたねぇ‥‥
御: そ‥‥そのようなこと‥‥
あり得ないッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
‥‥これは、どういうことですか!
冥: ‥‥ううう‥‥
御: いったい‥‥スノーモービルは、
なんのために使われたのか‥‥?
まず‥‥被告人が、奥の院に
行くときに使ったのではない。
それならば、証人が帰ってきた際、
山門の前にあるはずがないからだ。
さらに‥‥犯行の後、凶器を
捨てに行ったわけでもない。
それならば‥‥この写真には、
シュプールが2本、あるはず‥‥
しかし‥‥
これだけは、たしかだ。
雪がやんだ後‥‥だれかが、
あれを使って葉桜院に戻った!
裁: ぬううううう‥‥
御: (まさか‥‥スノーモービルが、
ここまで問題になるとは‥‥)
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
どうやら‥‥この証人は
ここまで、のようですね。
毘: ええ、ええ。
そうみたいですねぇ‥‥
オバサンね。もお、ゼーンブ
話しちゃったから。知ってるコト。
裁: さて‥‥コマりましたな。
‥‥どなたか‥‥
スノーモービルを目撃した
証人がいれば、いいのですが‥‥
御: (‥‥”目撃”か‥‥)
裁: 事件当夜‥‥おぼろ橋付近をサンポ
していた関係者は、いませんかな?
毘: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
それはちょっと、ムリなハナシね。
あの晩は、耳がモギ取れるほど
寒かったから‥‥
オモテをほっつき歩くバカは
いなかったと思いますよぉ。
‥‥よっぽどダイジな
用でもないかぎりは‥‥。
裁: ぬううううううううう‥‥
ザンネンですなあ。
御: (‥‥待てよ‥‥
どうも、ココロに引っかかる。
あのサムい晩、オモテを
ほっつき歩いていたバカ‥‥か)
‥‥裁判長!
私に‥‥ヒトリだけ、
思い当たる人物がある。
裁: な‥‥なんですって‥‥!
冥: ‥‥事件当夜、スノーモービルを
目撃した人物、かしら‥‥?
御: それを見ているかどうかは
わからない‥‥しかし。
その人物について、2つ。
‥‥思い当たることがある。
裁: それは‥‥?
御: 1つ。‥‥その人物は事件当夜、
<<トンでもないもの>>を目撃した。
冥: ‥‥もう1つは?
御: 私の知っている、その人物は‥‥
あのサムい晩、オモテをほっつき
歩くほどのバカだ、ということだ。
裁: 弁護人! その人物とは、
どなたですかッ!

(「矢張 政志」を選択)
裁: どなたですかな? この、決定的に
キンチョー感を欠いた青年は。
御: 矢張 政志。‥‥被害者、
天流斎 エリスの弟子、だ。
裁: 被害者の‥‥?
それは、おもしろい。
彼は、なぜ‥‥事件当夜、オモテを
ほっつき歩いていたのですか?
御: そ、それは‥‥
(あやめさんのことをブチまける
のは、たやすいが‥‥
証人としての信頼を、呼び出す
前から失うおそれがある‥‥)
まあ‥‥彼もまた、芸術家の
はしくれだ。
雪景色に、何かココロ打たれる
ものを感じたのではないだろうか。
‥‥保証はしないが。
冥: それで‥‥この、
たよりなさそうなオトコが‥‥
いったい、ナニを
見たというのかしら?
御: それを、この場で
聞き出そうと言っている。
裁: ‥‥大至急、その青年を
証人として召喚しましょう!
冥: ‥‥‥‥‥‥‥‥
やむを得ないようね。
御: 彼はおそらく、この法廷を
傍聴しているはず。
召喚に、時間はかかるまい。
裁: ‥‥わかりました。
御: (‥‥矢張‥‥
きのうは、うまく
逃げられてしまったが‥‥
今度こそ、すべてを
引きずり出してやるぞ!)
裁: ‥‥これより、20分間の
休憩をとりたいと思います。
検察側は、証人の手配を
おねがいします。
冥: ‥‥了解したわ。
裁: よろしい‥‥。
それでは!
休憩に入ります!


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