第4話『さらば、逆転』探偵パート2日目(その6)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
堀田(自称)…黄
荷星 三郎…紺
オバチャン…灰
大沢木 ナツミ…橙
王都楼 真悟…紫
華宮 霧緒…藤
虎狼死家 左々右エ門…桃
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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成: (真宵ちゃん‥‥
ぼくは‥‥どうすればいい!)
御: ‥‥これで‥‥
キミもやっと
たどりついたわけだ‥‥。
この事件のスタートラインに。
成: ‥‥御剣‥‥
御: ここはマズい。
‥‥刑事課へ行こう。


同日 某時刻
警察署内 刑事課

御: どうする気だ? 成歩堂。
弁護の方針を変えるのなら‥‥
春: だ‥‥ダメです!
それだけは‥‥ダメ‥‥
御: ‥‥そうだった。人質‥‥か。
成: ‥‥‥‥‥‥
ぼくは‥‥どうしたらいいんだ‥‥
御: ‥‥‥‥‥‥
私の知ったことではないな。
春: み‥‥みつるぎ検事さん‥‥
御: ‥‥成歩堂。それは、
キミにしか決めることはできない。
1年前の事件で、私は”検事”と
いうものが、わからなくなった。
だから私は‥‥
検事局を去るしかなかったのだ。
新しい答え‥‥正しい答えを知る
までは、法廷に立てるわけがない。
‥‥成歩堂。
今度は、キミの番だ。
成: ぼくの‥‥
御: キミにとっての”弁護士”には、
いったい何ができるのか‥‥?
答えを探し出すしかないのだよ。
‥‥キミ自身で。

(「王都楼のこと」を聞く)
成: ‥‥ぼくは弁護士だ。
でも‥‥殺人を犯した人間を
無罪にするなんて‥‥
王都楼 真悟‥‥あんな男を!
御: ‥‥どんな人間だって、
正当な弁護を受けるケンリがある。
当然のことだろう‥‥?
成: ”正当な弁護”‥‥
それって、なんなんだ?
ハッタリとヘリクツで
ムリヤリ無罪をモギ取ることか?
御: ‥‥ハッ。今さら何を言っている。
キミはジッサイ、今まで
そうやって戦ってきたではないか。
成: え。
ま、まあ‥‥たしかにそうだけど。
でも! それは‥‥
ぼくが依頼人の無実を
ココロから信じていたからだ!
王都楼に無罪判決を与える‥‥
そんなのは、正当な弁護じゃない!

(「真宵のこと」を聞く)
成: ”苦しんでいるヒトを
救うことができたら‥‥”
そう思って、弁護士になった。
春: ‥‥‥‥‥‥
成: ‥‥でも。
こんなときになって‥‥
イチバン身近にいる彼女を、
ぼくは救うことができないんだ。
ぼくが弁護士として戦えば‥‥
彼女は帰ってこない。
彼女を救うことができないんだ!
御: ‥‥‥‥‥‥
成歩堂。‥‥カンちがいするのも
いいかげんにしろ。
成:え‥‥
御: われわれはヒーローではない。
‥‥たかが人間なのだ。
”だれかを救う”‥‥?
そんなことが、カンタンに
できるワケ、ないだろう。
春: そ、そんな‥‥
御: キミは、弁護士だ。
そこから逃げることはできない。
キミは‥‥戦うしかないのだ。

(「戦う理由」を聞く)
成: きみや狩魔 冥はいつでも、全力で
ぼくをねじ伏せようとする。
‥‥最後のさいごまで。
おぼろげに真相が見えたとしても。
‥‥ぼくにはムリだ。アキラカに
有罪の人物のために、
ウソの判決をダマし取るために
戦うなんて‥‥!
御: ‥‥‥‥‥‥
狩魔 冥は‥‥自分自身のために
戦っている。
”カンペキに勝利するため”
‥‥それだけのために。
成: それは、お前だって
同じじゃないか!
だから‥‥お前は逃げだしたんだ。
‥‥1年前。
お前の”勝利”がつぶされた‥‥
そんなくだらない理由で!
御: ‥‥‥‥‥‥
どうやら‥‥
キミが私を憎んでいる理由は
わかったような気がする。
しかし‥‥それは
まちがっている。
成: ‥‥な、なんだって‥‥?
御: キミによって、カンペキな
勝利への道をとざされたとき‥‥
私は、自分のあやまちに
気づき始めたのだ。
”カンペキな勝利”など、
なんのイミもない。
春: え‥‥っ!
成: ウソだ。‥‥それなら、
なぜ検事局から消えた?
そして‥‥
どうして今、ここにいる?
御: その答えは‥‥
キミ自身で見つけだすんだな。
‥‥明日、判決が出るまでに。
その答えがわからなければ‥‥
結末を変えることはできない。

‥‥ピピピピピピ‥‥
春: な、なるほどくん!
トランシーバーが‥‥!

‥‥ピッ‥‥
?: 『‥‥先ほどはシツレイしました。
どうですか? 明日こそ、
無罪判決をもらえるでしょうね?』
成: ‥‥‥‥‥‥
?: 『おや。どうしましたか?
‥‥いつもの強気なハッタリが
感じられませんね。』
成: ‥‥教えてくれ。
なぜ、王都楼なんかのために、
真宵ちゃんを誘拐する?
あんな‥‥人殺しのために!
御: 成歩堂‥‥
?: 『‥‥‥‥‥‥
ゴカイなさらぬよう。
彼は、殺人を依頼しただけです。』
成: ふざけるな!
そんなの、殺人と同じだ!
?: 『‥‥‥‥‥
‥‥理由をおたずねでしたね。
私がなぜ、誘拐などしたのか‥‥。』
成: ‥‥ああ。
?: 『それは‥‥いわば、
アフター・ケアでございます。』
成: な‥‥なんだと?
アフター・ケア‥‥?
?: 『私は、自分の名前に
ホコリを持っております。
依頼人には、ゼッタイ殺人の容疑が
かからないようにする。
‥‥それが”信頼関係”であり、
殺し屋の仁義なのです。』
成: こ‥‥”殺し屋の”‥‥?
?: 『今回は、不幸にも依頼人が
逮捕されてしまいました。
だから、ウデキキの弁護士さんに
働いてもらっているのですよ。
‥‥それこそ、
死にものぐるいで‥‥。』
成: お‥‥お前‥‥お前の名前は‥‥!
?: 『以前に一度、名乗ったのですが‥‥』
成: たしか‥‥
?: 『そう。
私の名前は‥‥コロシヤです。
コロシヤ サザエモン。』
御: さ‥‥左々右エ門だと!
左: 『‥‥お忘れのないように。
あなたに選択の余地はありません。
虎狼死家は、シゴトは
かならず、やりとげます。
もし、あなたがしくじれば‥‥』
成: ま‥‥真宵ちゃん!
左: 『殺し屋の仁義にかけて、
彼女には死んでいただきます。』
春: いやああああああああああああっ!
左: 『‥‥では、シツレイします。
電波の発信源をたどられては
ヤッカイですからね。』

‥‥にゃあん。

‥‥ピッ‥‥
春: 真宵さま! 真宵さまあ‥‥
御: な、なんということだ‥‥
成: ‥‥御剣!
御:うム?
成: ‥‥聞いたか?
今、通信の最後に‥‥

‥にゃあん‥
御: あ? ああ。あれは‥‥
ネコが鳴いていたようだな。
春: ‥‥ねこ‥‥?
成: (まさか‥‥あのネコ‥‥)
春: どうしたのですか‥‥?
成: 虎狼死家 左々右エ門が‥‥
誘拐犯がいる場所がわかった!
御剣! 警官隊を回してくれ!
‥‥大至急、王都楼の屋敷に!
御: ‥‥!
わかった!
キミもすぐに来るんだ!
成: 春美ちゃん!
‥‥まだ、勝負はこれからだ!
春: は、はいっ!

(「ホテル・ロビー」に移動する)

(「王都楼邸・応接間」に移動する)


同日 某時刻
王都楼邸 応接間

成: ‥‥真宵ちゃん!
春: へんじをしてください!
真宵さまあ!
御: このエリアは、完全に包囲した。
逃げることは不可能だ。
まだ、このあたりに
いれば、のハナシだが‥‥。
成: まさか‥‥あの執事が
虎狼死家だったなんて‥‥
御: なんといっても、彼らは
共犯関係にあるわけだからな。
万が一の場合にそなえて、
打ち合わせをしておいたのだろう。

(「クマのアクセサリー」を調べる)
春: あ。これ‥‥クマさんの
アクセサリーですよ!
‥‥なんだか、切れ目が
いっぱい入っていますけど。

証拠品<<アクセサリー>>のデータを
法廷記録にファイルした。
成: ”クマ”‥‥といえば、
イサオさんだけど。
どうしてこんなところに
置いてあるんだ‥‥?
御: ‥‥成歩堂。ドアの下を見ろ。
ネコ用の入り口がついている。
春: あ‥‥
きっと、シュウちゃんの‥‥。
成: もしかしたら‥‥コイツは、
その小さな入り口から‥‥?
御: うム‥‥! このドア‥‥
カギがかかっているぞ!
成: ドアをコワすのは慣れているよ。
‥‥行くぞ、御剣。

‥‥ドカッ! ‥‥ドカッ!
バァン!
成: くそッ!
だれもいないか‥‥
御: ここは‥‥どうやら、
王都楼の私室らしいな。
‥‥見ろ、成歩堂!
成: 電波を受信するアンテナと
ビデオデッキがある‥‥
デッキの中を見てくれ!
ビデオテープは、重要な証拠だ!
(なにしろ、犯行の瞬間が
記録されているんだからな!)
御: ‥‥‥‥‥‥
ザンネンながら‥‥
ビデオデッキの中はカラだ。
テープは入っていない。
春: そ、そんな‥‥
御: しかし、コイツを使って
録画していたのは、まちがいない。
おそらく‥‥だれかが
テープを持ち去ったのだろう‥‥

(「王都楼邸・ワイン庫」に移動する)
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
(やっぱり‥‥逃げられたのか)
御: ザンネンだが‥‥
エモノはすでに、
飛び去ったようだ。
成: これで‥‥また、
手がかりを失ったわけか。
御: 希望を捨てるな。
‥‥あの子が、キミを見ている。
春: ‥‥‥‥‥‥
成: ‥‥ああ、そうだな。
御: すでに、手は打ってある。
街から出るすべてのルートに
検問を配備した。
‥‥あとは、われわれのシゴトだ。
成: (‥‥真宵ちゃん‥‥)

(「写真立て」を調べる)
成: これは‥‥
由利恵さんの写真‥‥だな。
(”愛をこめて‥‥ユリエ”)
春: 由利恵さんというのは、
たしか‥‥
成: イサオさんのマネージャーだ。
春: どうしてそんな方の写真が
王都楼さんの屋敷に‥‥?
成: (”愛をこめて”‥‥か。
どうやら、つながったな‥‥)

証拠品<<由利恵の写真>>のデータを
法廷記録にファイルした。
春: ‥‥あっ!
成: どうしたの、春美ちゃん。
春: ちょ、ちょっとその写真立て、
貸してください!
成: (なんだ‥‥? 写真立ての
ウラを見ているけど‥‥)
春: ウラに‥‥写真立てのウラに、
何か書いてあります!
‥‥”マヨイ”‥‥
真宵さまからです!
真宵さまが‥‥お手紙を!
成: な‥‥なんだって!
真: 『やっぱり来てくれたね。
あたし、信じてたんだよ。
いい? 王都楼のコト‥‥
かならず有罪にしてやってよね!
あんなヒドいヤツを無罪にしたら
‥‥あたし、ユルさないから!
あたしのことなら、だいじょうぶ。
シンパイ、いらないから。
‥‥書きたいこと、いっぱい
あるけど‥‥時間がないみたい。
はみちゃん。そこにいるよね?
なるほどくんを助けてあげてね。
まだまだ‥‥たよりないから。
‥‥‥‥‥‥‥‥
じゃあ‥‥またね、なるほどくん。
さよなら。』
春: ‥‥そ、そんな‥‥イヤ。
‥‥イヤです!
‥‥真宵さまあ‥‥うううう‥‥
御:成歩堂!
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
御: どうした? ボンヤリして。
成: あ、ああ‥‥なんでもない。
御: ここが最後の部屋だ。
‥‥やはり‥‥逃げられたか。
成: ‥‥御剣。
御:なんだ?
成: 事件の手がかりは、
これでだいたい、そろった。
御:‥‥‥‥
成: しかし‥‥最後に1つ。
足りないものがある。
御: ‥‥それは?
成: (霧緒さんのサイコ・ロック‥‥
彼女のヒミツを知ることが
できれば‥‥
ぼくは明日、法廷に
立つことができる。
‥‥真実を暴くために‥‥)
御: ‥‥いいだろう。
留置所には連絡を入れておく。
成: ああ‥‥すまないな、御剣。
さあ、行くよ。春美ちゃん。
‥‥最後のカギを開けるんだ。


同日 某時刻
留置所 面会室

霧: こんばんは、成歩堂さん。
‥‥どうしたんですか?
まっ青よ‥‥顔色が‥‥
成: 霧緒さん。
あなたのサイコ・ロックを
はずしに来ました。
霧: サイコ・ロック‥‥?
成: 何がなんでも
聞かせてもらいます。
‥‥あなたのヒミツを。
霧: いいわ。
‥‥できるものなら、ね。

(「真宵の勾玉」をつきつける)

(罪を着せた理由)
成: 聞かせてもらいましょう‥‥
王都楼さんに罪を着せた理由を。
霧: 何度も言ったでしょう。
王都楼が犯人だと思ったから。
成: (ちがう! 霧緒さんは
王都楼さんに悪意を持っている)
‥‥霧緒さん。さっき、ポツリと
こう言いましたね?
”フクシュウ”‥‥と。
霧: ‥‥私が王都楼に復讐を
したと言うの‥‥?
ば、バカバカしい。
私には‥‥そんな理由がないわ。
成: (‥‥いつも、他人の言うとおりに
しか行動できない霧緒さん‥‥
そんな彼女に復讐を
決意させた事件がある‥‥)

(「自殺の報告書」を選択)
霧: ゆ‥‥、由利恵さん‥‥
成: あなたが”復讐”を考えるほど
強い感情を持つとしたら‥‥
‥‥その原因は、彼女の自殺しか
考えられません。
霧: な、何を言ってるの‥‥?
由利恵さんは、藤見野 イサオの
マネージャーだったのよ。
成: ‥‥‥‥‥‥
霧: それに! 遺書をかくしたと
言われてるのも、藤見野 イサオ。
‥‥どこに王都楼 真悟の
名前が出てくるって言うの!
成: ‥‥そのとおりです。
あなたが王都楼さんを
ニクんでいるということは‥‥
由利恵さんの自殺と王都楼は、
つながっていなければならない。
霧: その‥‥つながりを証明できるの?
由利恵さんと‥‥王都楼の!

(「由利恵の写真」を選択)
成: これ‥‥由利恵さんの
写真ですよね。
亡くなったときより、
若く見えますけど。
霧: ‥‥あ‥‥
成: ”愛をこめて。ユリエ”
‥‥由利恵さんの字ですよね?
霧: ‥‥‥‥‥
どこで手に入れたのか‥‥
聞く必要もないみたいね。
成: ええ。
‥‥王都楼さんの私室で
見つけました。
霧: ‥‥‥‥‥‥
‥‥とうとう‥‥
たどりついたってわけね。
‥‥私のヒミツに‥‥

(解除成功)

(「罪を着せた理由」を聞く)
霧: 彼女‥‥結婚するはずだったわ。
藤見野 イサオと。
成: たしか‥‥ダメになった、
って聞きました。
春: イサオさんが、一方的に
婚約を解消したんですよね‥‥
霧: そうよ。
王都楼 真悟のせいでね。
春: お‥‥オートロさんのせい‥‥?
成: (なんとなく、見えてきたな)
霧: 由利恵さん‥‥、ムカシは、
王都楼のマネージャーだったの。
あのころの彼女は、
とても幸せそうだった‥‥
当時、アルバイトをしていた私は、
よく2人のすがたを見ていたわ。
成: ‥‥あの写真立て‥‥
”愛をこめて”って
書いてありましたね。
春: おふたりは‥‥
おつきあいしていたのですね?
霧: そんなリッパなものじゃ
なかったわ。
由利恵さんは王都楼に遊ばれて‥‥
‥‥そして、捨てられたわ。
春: そんな‥‥。
霧: 王都楼は、サワヤカな
イメージで売っていたから、
当然、スキャンダルは
もみ消されたわ‥‥強引に。
由利恵さんは‥‥それで
光映プロダクションに移ったの。
そして、今度は
藤見野 イサオと出会った。
さいわい、藤見野は王都楼より
マシに見えたわ。
ふたりは、婚約するところまで
行ったのだから。
でも‥‥ケッキョク、
ダメになったわ。
婚約が解消された晩
‥‥由利恵さんは亡くなった。
これは‥‥
私と由利恵さんの復讐なの。

(「復讐」を聞く)
霧: 藤見野が婚約を解消した理由
‥‥わかるでしょう?
王都楼が、藤見野にバラしたの。
自分と‥‥由利恵さんの関係を。
成: そうだったんですか‥‥。
春: ‥‥で、でも!
どうしてそんなことで
婚約を解消してしまうんですか!
‥‥わたくしには
わかりません‥‥
霧: 男のくだらないプライド、
ってヤツなのかしら?
藤見野と王都楼は、おたがいに
異常なライバル意識を抱いていた。
婚約発表を待って、王都楼は
藤見野に事実をブチまけたの。
‥‥藤見野のダメージが、
一番大きいタイミングを狙って‥‥
春: 由利恵さんが‥‥
かわいそうです!
霧: ‥‥話はまだ、終わらないわ。
あの日‥‥由利恵さんは、
やっぱり遺書をのこしていたの。
そこには‥‥王都楼の仕打ちが
詳しく書かれていたわ。
彼に、二度までもキズつけられて
‥‥死を選ぶ、と。
死体を発見した藤見野は‥‥
その遺書をかくしてしまった。
春: ‥‥ど、どうして
そんなことを!
霧: カンタンなコトよ。
その遺書は、王都楼 真悟に
とって、決定的な弱みになるわ。
なにしろ、彼‥‥”春風のように
サワヤカなアイツ”だから。
‥‥とにかく。
プライドをキズつけられた
藤見野は、復讐をたくらんだの。
成: 復讐‥‥。
霧: 藤見野はもちろん、
遺書を公表しようと考えていたわ。
王都楼に与えるダメージが、
一番大きいタイミングを狙って。
成: それが‥‥授賞式後の
記者会見だったんですか‥‥。
霧: 私は、ゼンブ知っていたわ。
‥‥藤見野から聞いたの。
それを探るために‥‥
彼に近づいたんだから。
サイテーの男たちでしょ?
由利恵さんの死までも‥‥
もてあそんだ男たち。
あの晩‥‥藤見野の死体を
見つけたとき‥‥
当然、犯人は
王都楼だと思ったわ。
あの2人‥‥おたがいのコト、
さぐりあっていたから。
私、必死で由利恵さんの
遺書を探したわ。
できれば、公表されるまえに
始末してしまいたかった。
燃やしてしまうつもりで、
ライターも用意していたわ‥‥。
‥‥でも‥‥
遺書は見つからず‥‥、
私は、復讐を思いついたの。
いかにも私らしい
‥‥ズルい復讐を。
由利恵さんは‥‥あの2人に
殺されたのよ。
藤見野の死体にナイフを刺すとき
‥‥私は罪を感じなかったわ。
春:‥‥!
霧: ‥‥これで私の話はおしまい。
成: ‥‥‥‥‥‥
霧: どうするの? 弁護士さん。
これでも助けてやると言うの?
‥‥あの男を。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
ぼくは‥‥弁護士ですからね。
霧: そう‥‥。
イヤな商売ね、弁護士なんて。
成: ‥‥お話につきあってくれて、
ありがとうございました。
霧: ‥‥いいわ。
どうせ、眠れそうにないから。
成: (ぼくも‥‥眠れそうにないな)


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