第3話『逆転サーカス』第2回法廷(その4)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
マックス…赤
ミリカ…黄
トミー…紺
ベン…灰
リロ…橙
アクロ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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裁: ライオンというのは
‥‥笑うのですか?
冥: 聞いたことはないわ。
しかし‥‥
成: クシャミはします。
裁: な、なな、な、なな、な、ななな、
成: レオンは‥‥バットさんに
かみつく気なんてなかった。
‥‥ただ、クシャミをした
だけだったんですよ。
スカーフにふりかけられた
コショウのせいで!
裁: なんですってェェェッ!
冥: バカなあああァァァッ!

(ざわめきが起こる)
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥信じられません、そんな‥‥!

(狩魔冥「異議あり!」)
冥: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: ど、どうしましたか、狩魔検事?
冥: あ、あまりのコトに、
コトバを失ってしまった‥‥
成歩堂 龍一!
あ、あなたはホンキでこんな‥‥
こんな冗談みたいなコトが
起こったと言うつもりなの!
成: もちろん!
‥‥ジッサイに、起こったんです!
そして、バットさんは‥‥
意識を断たれた‥‥。
こんな”冗談みたいな”事故で
アクロさんは弟を失ったのです!
だからこそ、復讐しようとした。
‥‥ミリカさんに。
冥: ‥‥バ、バカな‥‥!
ア: ふ‥‥。
ふっふっふっ‥‥
”冗談みたい”ですか‥‥。
あなたのイマジネーションには
感服しましたよ、成歩堂さん。
成: ‥‥‥‥!
ア: まさか、こんな事故をマジメに
主張してくれる人がいるとは‥‥
成: ‥‥ぼくの言ったことに、
まちがいないんですね‥‥?
ア: ‥‥‥‥‥‥
真: ア、アクロさん‥‥
冥: ま、まさか‥‥
まさか、証人‥‥?
裁: み、認めるんですか?
‥‥弁護側の主張を‥‥!
ア: ‥‥‥‥成歩堂さん。
オレ‥‥。まだ、つかまる
ワケには行かないんですよ。
成: ‥‥なんですって‥‥
ア: コショウ‥‥スカーフ‥‥
ライオン‥‥
‥‥こんなバカげたハナシ、
だれが信じられますか?
それに‥‥。何より大きな
モンダイがあります。
裁: なんですか‥‥それは?
ア: 決まってるでしょう。
証拠ですよ、証拠‥‥。
オレが団長めがけて
マックスの胸像を投げつけた‥‥
そんな証拠が
どこにあるんですか?
成: う‥‥
裁: ふむう‥‥
”決定的な証拠”‥‥ですか。
冥: その場合、モンダイはやはり、
”凶器”ということになるわね。
成: きょうき‥‥
裁: 弁護人の主張する”胸像”‥‥。
たとえば、もしアクロ氏の
部屋から、その胸像が見つかって、
さらに被害者の血液が付着
していれば、決定的なのですが‥‥
冥: ‥‥たしかにそれは、決定的ね。
成: (あの”胸像”か‥‥)
真: なるほどくん!
‥‥なんとかならないの!
成: (これが、最後の1歩だ‥‥
正しく踏み出せれば、勝てる!)

(「ようすを見る」を選択)
成: (家宅捜査を要求する
というのも手だけど‥‥)
真: ど、どうしてそうしないの!
冥: ‥‥どうやら、あなたにも
わかってきたようね。
狩魔家の”カンペキ主義”
のイミが‥‥。
成: まあね。
きっときみなら、それぐらいは
やってるだろうと思ったんだ。
冥: そのとおり!
われわれはすでにきのう、
アクロ氏の家宅捜査を行った!
裁: け‥‥結果は!
冥: 言うまでもないでしょう。
もしそんなモノが出てきたら、
証人として呼ぶわけがない。
この証人の部屋に、
マックスの胸像はなかった!
‥‥凶器はいまだ、行方不明よ。
ア: お聞きのとおりです。
‥‥成歩堂さん。
オレの部屋には胸像はない。
冥: 家宅捜査は、イトノコギリ刑事が
抜き打ちでおこなった。
そしてアクロ氏には、そのまま
検事局に出頭してもらったのよ。
‥‥以上。
成: (ちょ、ちょっと待ってくれ‥‥
そんなはずは‥‥)
ア: ふっふっふっ‥‥
どうやら、最後のサイゴ‥‥、
ツメが甘かったみたいですね。
成: し‥‥しかし! あのメモや
スカーフは‥‥!
ア: それがどうかしましたか?
ダイジなのは”団長を殺害した
証拠”でしょう?
成: ぐっ‥‥!
真: なんとかならないの!
せめて‥‥せめて、そうだよ!
凶器が‥‥あの胸像が今、
どこにあるのか!
成: (‥‥胸像がどこにあるか‥‥?)
真: なるほどくんなら‥‥
わかるでしょ? わかるよね!
成: (手がかりはゼロ‥‥
わかるわけがない!)
裁: どうやら‥‥
ここまでのようですね。
弁護人の反証は、今1歩、
およばなかったようです。
冥: ごくろうさま‥‥。
成: ‥‥くッ‥‥!
ア: 申しわけありません
‥‥成歩堂さん。
裁: では、この証人に対する
尋問を、これにて終了します!


(待った!)

真: マックスの胸像がどこにあるか‥‥
べ、弁護側には
立証するじゅんびがあらりまる
‥‥うう。キンチョーして
べろ、かんじゃった‥‥。
裁: な‥‥
冥: な‥‥‥‥
成: なんだってええッ!
‥‥いたッ!
冥: なんであなたがイチバン
おどろいてるのよ!
裁: ほ‥‥ホントですか!
弁護人‥‥成歩堂くん!
成: え‥‥え! ぼくですか!
真: あとはまかせた!
なるほどくん!
成: そ、そんな‥‥
真: アクロバットって、
命がけなんだよね?
アクロさんは今まで、
そうやって生きてきた。
あたしたちも、わたるんだよ!
‥‥この細い、ロープを!
そうしなきゃ、
負けちゃうんだから!
裁: ‥‥それでは、弁護人に
うかがいましょう。
ア: まさか‥‥わかるはずがない。
成: (‥‥ロジックのツナわたり‥‥
ミスはゆるされない!
イチかバチか‥‥
もう、進むしかない!)
冥: 凶器は‥‥マックスの胸像は、
今、どこにあるのッ!

(「法廷内のどこか」を選択)
成: もちろん、この法廷内です!
裁: も、もちろん‥‥?
成: もっとハッキリ言うならば
ズバリ、ここです!

(「証人席」を選択)
成: ‥‥アクロさん。
すみませんが、その車イスの
ヒザかけを取ってください。
ア: ‥‥‥‥‥‥
よく聞こえませんでしたね、
成歩堂さん。
成: ‥‥あなたは、体が大きい。
当然、車イスだって‥‥大きい。
そのヒザかけの下になら、
ちょっとしたものをかくせる。
‥‥そう。胸像の1個ぐらい、
カンタンに、ね‥‥。
ア: ‥‥ふっふっふっ‥‥
冗談がお好きなようですね
‥‥成歩堂さん。
成: この状況で笑えるのは、
たいしたものだと思います。
‥‥でも‥‥。
胸像は、そこにあるはずなんです。
ア: ‥‥‥‥‥‥‥‥
成: あなたは、1人では
宿舎から出ることができない。
そんな状況で‥‥きのう、
狩魔検事が捜査令状を持ってきた。
凶器の像を発見されてしまっては、
すべてがおしまいです。
とっさに、それをかくせる
場所は‥‥1つしかなかった。
‥‥その車イスの、中です。
ア: ‥‥‥‥‥‥‥‥
成: アクロさん。もう一度、言います。
ヒザかけを取ってください。
ア: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
おみごとです。
冥: ‥‥そんな‥‥バカなッ!
こんなハズは‥‥
ア: オレの負けです。
さすが、プロですね。
‥‥おふたりとも。
成: (‥‥”おふたり”‥‥?)
ア: 狩魔検事。
冥: ‥‥な、何よ‥‥!
ア: 1つうかがいたいのですが‥‥。
どうして、きのうになって急に
家宅捜査なんか、したんです?
冥: ‥‥‥‥?
ア: 決定的な証拠は、2つ。
マントと、マックスの胸像‥‥
マントは、部屋で燃やして
ゴミといっしょに捨てました。
‥‥ゴミは毎朝、ミリカが
持ち出してくれるんですよ。
でも‥‥胸像は
そういうワケには行かない。
突然の家宅捜査‥‥。オレは、
それをかくすしかなかった。
そして、かくす場所は‥‥
この、車イスの下しかなかった。
‥‥そこまで、読んでいたんじゃ
ないんですか?
オレは、あなたがたの
クールな作戦にハマってしまった。
法廷の真ん中で‥‥凶器を
かくしてるのを見つかっちゃあ、
‥‥もう、言いワケしようが
ないですからね。
負けましたよ、
成歩堂さん‥‥狩魔検事さん。
裁: ‥‥ふむう‥‥
やはり、さすがですなあ‥‥。
真: か、かるま検事‥‥
そこまで考えていたんだ!
成: うーん、あのカオを
見るかぎり‥‥
そうは思えないんだけど‥‥
冥: ‥‥あり得ない‥‥
この私が‥‥しくじるなんて!
なぜ私は、家宅捜査なんかした?
あんなことさえしなければ‥‥
裁: ‥‥どうやら、私たちは
真相にたどりついたようですね。
アクロさん。
ア: ‥‥はい。
裁: あなたは‥‥立見 七百人を
殺害しましたか?
ア: はい。オレがやりました。
真: アクロさん‥‥
ア: ‥‥‥‥‥‥
弟は‥‥ミリカの気を引こうとして
‥‥よくイタズラをしていました。
ある日、弟はミリカに
コショウをふりかけたんです。
ミリカは、ひどいクシャミをして
‥‥みんなで笑いました。
それで、ミリカは弟に仕返しを‥‥
成: それが‥‥
あのスカーフだったんですか。
ア: 彼女には、悪気はなかった。
‥‥それはわかっていました。
ただ単純に、弟にクシャミを
させたかっただけ‥‥。
でも‥‥オレには、それが
ユルせなかった! どうしても。
自分が何をしでかしたのか?
‥‥彼女には、永久にわからない!
”弟が星になった”‥‥
そんなバカげたことを信じて、
ムジャキに‥‥あまりにも
ムジャキに笑っている!
どうしても‥‥
ガマンできなかったんです。
成: それで‥‥ミリカさんを‥‥
冥: なんて‥‥コト‥‥
裁: あるイミ‥‥あなたも被害者
だった、ということですか。
ア: ‥‥いいえ‥‥。
ただの殺人犯人ですよ。
‥‥オレは。
最初は、自殺を考えました。
次に、自首をしようかと‥‥。
‥‥でも。オレはまだ、
いなくなるワケにはいかなかった。
だから‥‥マ、マックスに‥‥
オレの‥‥罪を‥‥!
マックス‥‥すまない‥‥!
‥‥オレは‥‥
まだ、いなくなるわけには‥‥

裁: ‥‥フシギな事件でした。
まるで‥‥そう、
サーカスを見ているような。
冥: ‥‥バカ‥‥な‥‥
この私が‥‥
キサマごときに、
二度までも‥‥
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: とにかく、今度こそ
ギモンの余地はありません。
‥‥被告人に
判決を言いわたしましょう。


(無罪判決)

裁: ‥‥では、本日はこれにて閉廷!


同日 午後 4時27分
地方裁判所 被告人第5控え室

マ: んゴオオォォージャスゴージャス!
‥‥って、スナオに
よろこべないな。
真: アクロさんも、団長さんも、
ミリカちゃんも、バットさんも‥‥
悪いヒト、
いなかったんですよね‥‥?
マ: どうなんだろう。
ボクにはわからないよ。
ト: おめっとーさん!
おめっとさんミスタ・マックス!
マ: あ‥‥ありがとう。
‥‥‥‥‥‥
真: ‥‥‥‥‥‥
ト: もお! どーしたの、
このシメっぽいフンイキは!
真: アクロさんのコト考えると‥‥
ト: ダーメダメ!
ヒトのこと気にしてたら、一生
スナオになんかよろこべないって!
真: はあ‥‥。
ミ: うわああああああああああああん!
ト: ‥‥ミリカもさっきから、
このとおりだよ。
ミ: うわああああああああああああん!
‥‥ミリカのせいなんだあ!
マ: ス‥‥スウィート・ハニイ‥‥
ミ: バットも、アクロも‥‥
もう帰ってこないんだあ!
このまま‥‥みんな、
ばらばらになっちゃうんだあ!
真: ミリカちゃん‥‥
ミ: 弁護士さん! ねえ、教えて!
成: ‥‥な、なんだい。
ミ: さっきアクロ、言ってたよね!

『‥‥オレはまだ、いなくなる
わけにはいかないんですよ‥‥』
ミ: ‥‥やっぱりアクロ、
まだミリカのコト‥‥
ミリカにフクシュウしようと
しているんでしょ!

(「それはちがう」を選択)
成: そ、そんなことはないよ。
ミ: ‥‥ホント? ホントにそうなの!
ミリカ‥‥信じてもいいの?
成: うん。‥‥アクロさんはもう、
復讐なんて考えてないと思うよ。
ミ: それなら、ミリカにも!
ミリカにもショーコを見せて!
成: え。
ミ: アクロがあんなコトを言った、
本心を教えてよう!

(「バット」を選択)
成: アクロさんは、なんとしても
つかまりたくなかったんだよ。
‥‥弟さんが目をさますのを
待つために。
ミ: ‥‥バ‥‥バット‥‥!
真: そうだね。バットさん‥‥
まだ、生きてるんだから!
ミ: そうだったんだ‥‥
でも‥‥、
つかまっちゃったね。アクロ。
真: ‥‥そうだよね。
ミ: わかった!
真: ‥‥?
ミ: ミリカが。
‥‥ミリカがかわりに、
ずっとバットのそばにいる!
バットが目をさまして‥‥
アクロに会える日まで!
成: ‥‥そうだね。
それがいいと思うよ。
ミ: ごめんね‥‥バット‥‥
アクロ‥‥。
成: (これでよかったのかな‥‥)
ト: なあ、マックス。
マ: なんだい?
ト: アンタにはホント、
メイワクかけちまったな。
いいぜ、いつ出ていっても。
契約は解消する。カネもはらうよ。
マ: ゴージャス! 了解した。
明日にでも出ていこう。
‥‥‥‥‥‥
これから、このサーカスは
どうなるんだい?
ト: ああ、それな。
‥‥オレたちの団長の
チカラはホント、スゴいよ。
マ: ‥‥?
ト: いなくなっても、まだみんなを
ガッチリまとめちまってる。
芸人もスタッフも、みんな‥‥
出ていきたくない、って言うんだ。
それでな‥‥
マ: それで?
ト: つづけることにしたよ。
オレっちが団長になって、さ。
アンタに負けない、ゴージャスな
‥‥世界一のサーカスを目ざす!
マ: ‥‥‥‥世界一だって?
ト: あ、ああ。‥‥笑うなよな!
成: それ、すごいですね。
真: わあ! 楽しみだなあ!
マ: それなら‥‥
ハナシはちがってくるな。
ト: え?
マ: 世界一のサーカスには、
ゼッタイ必要なものが1つ、ある。
世界一のイリュージョン‥‥
そう、大魔術が!
ト: ‥‥マックス‥‥
マ: ゴージャスに行こうじゃないか!
‥‥団長クン!
ト: あ‥‥ありがとう。
成: ホラ。ミリカちゃんも。
ミ: ミ、ミリカはもう‥‥いいよぉ。
ト: ナニ言ってんだよ、ミリカ。
今日、なんのために
連れてきたと思ってるんだい?
ミ: ‥‥え。
ト: みんなで、生まれ変わるんだよ。
タチミ・サーカスは!
ミ: ト、トミーさん‥‥
マ: そういうコトだ!
スウィート・ハニイ!
ミ: ‥‥マックス‥‥。
真: なるほどくん!
成: ‥‥なんとか、うまく
おさまったみたいだね‥‥
真: ゼッタイ、見に行くよ!
世界一のサーカス!
マ: 最高にゴージャスな席を用意して、
お待ちしているよ。
ト: ‥‥ま。
チョイと時間はかかるケド。
あひゃ! あひゃひゃあひゃ。
ひゃらひゃらあひゃらひゃら。


‥‥そうか‥‥
決め手は、やはり‥‥?
糸: ご指示のとおりだったッス。
きのうの家宅捜査が効いたッス!
‥‥あの。見抜いていたッスか?
きのうの時点で‥‥真相を。

まさか‥‥
ただ、もし彼が犯人ならば、
結末はこれしかないと思った。
‥‥弁護士があの男なら、な。
糸: ‥‥成歩堂 龍一‥‥ッスか。

‥‥さて。そろそろ
飛行機が出る時間だ。
アクロ氏のことなら、
悪いようにはしない。
‥‥私がそっちへ行って、
検事局長とかけあうつもりだ。
糸: ハッ!
では、お待ちしているッス!
‥‥御剣検事どのッ!


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