第4話『逆転、そしてサヨナラ』探偵パート3日目(その2)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
大沢木 ナツミ…橙
矢張 政志…紺
星影 宇宙ノ介…黄
ボート小屋のオジさん…灰
サユリさん…黄緑
狩魔 豪…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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12月27日 某時刻
留置所 面会室

御: ‥‥‥‥‥‥
成: あいかわらず、シブいカオ
してるなあ‥‥。
御: ‥‥フン。
真: あの、御剣検事。聞きましたよ、
学級裁判の話。
御: ‥‥学級裁判? なんのことだ?
真: え。おぼえてないんですか?
御: ああ、おぼえていない。
真: 給食費を盗まれたんですよね?
小学校4年生のとき‥‥。
御: 給食費‥‥?
‥‥‥‥‥‥
あ、ああ。
そんなこともあったな‥‥。
真: なるほどくん。
‥‥誰もおぼえてないよ。
成: ま、まあ、ぼく以外の人間には
どうでもいいことだろうからね。
真: 御剣検事、知らないんですか?
なるほどくん、あれがキッカケで
弁護士になったんですよ。
御: ‥‥‥‥‥‥
バカな。
成: (‥‥ミもフタもない
コメントだな‥‥)
御: ‥‥しかし。
とてもキミらしい話だ。
‥‥変わっていないな、成歩堂。
その、あきれるほどの単純さ‥‥。
成: まあな。だが‥‥、
お前は変わっちまったな、御剣。
御: ‥‥‥‥‥‥
そうだな。

(「なぜ検事に?」を聞く)
成: なあ、御剣。どうしてお前、
検事になったんだ?
あんなに父親を尊敬して、
弁護士にあこがれていたのに‥‥。
御: ‥‥‥‥‥‥
私は、キミほどバカには
なれなかったんだよ。
成: ‥‥どういうことだ?
御: オヤジをうばわれ、それでも
犯罪者の味方になれるほど‥‥、
私はそこまで、お人よしではない!
真: お父さんが亡くなった事件‥‥
容疑者が1人、逮捕されましたね。
御: ‥‥そうだ。父とエレベータに
閉じ込められた男‥‥。
灰根 高太郎という名前だ。
どう考えたって、犯人は
あいつしかいないんだ!
なのに‥‥無罪になった。
あの弁護士のせいで!
成: (被害者の、
生倉弁護士のことか‥‥)
御: ‥‥15年前の、あの日。
我々3人は、5時間、
エレベータに閉じ込められた。
助け出された時は
極度の酸欠状態になっていて、
私は、事件に関する記憶を
なくしていたのだ。
成: 記憶を‥‥?
御: 今も思い出せない。エレベータで、
何があったのか‥‥。
法廷で、灰根の弁護士も
そう主張した。
酸欠で、灰根は
心神喪失状態にあった、と。
‥‥結局、灰根は証拠不十分。
無罪になった。
それからだ。
私が、弁護士というものに
憎しみを抱きはじめたのは‥‥。

(「狩魔検事」を聞く)
成: 狩魔検事とは、どういう‥‥?
御: 彼は、私が最も尊敬する先輩だ。
私の法廷テクニックは、
彼にイチから仕込まれた。
真: なるほどくんで言えば、
お姉ちゃんみたいなもんだね。
御: 彼はすべてにおいて、
カンペキ主義者だ。
法廷においても、
人生においても‥‥。
カンペキであることに、
異常なほどのこだわりがあるんだ。
真: ”カンペキ”‥‥?
御: 彼があつかった事件で、未解決の
まま時効になったものは、
ただの1つもない。
‥‥もちろん、敗訴も。
真: でも‥‥それって‥‥。
御: わかっている。
中には、無実の人間が
いたかもしれない。
しかし、私たちに、それを正確に
見抜くことは、不可能なのだ。
狩魔検事は、彼のするべき仕事を
カンペキに遂行しているだけだ。
とにかく。
彼の弱みを見つけるのは、
不可能に近い。
それをモミ消すためならば、彼は
どんな手段でも使ってくるだろう。
成: ‥‥あのなあ、御剣。
その話が本当なら、
お前も明日、有罪になっちゃうぞ。
真: そ、そうですよ!
ホメてる場合じゃないでしょ!
御: ムム‥‥。
それが‥‥ツラいところだ。
成: (やれやれ‥‥)

(「金庫の中の手紙」をつきつける)
成: 御剣。
‥‥この手紙なんだけど‥‥。
御:
成: 例の、ボート小屋の管理人の
金庫から出てきたんだ。
御: ほほう‥‥。
‥‥‥‥‥‥!
この私に‥‥復讐だと‥‥?
真: いったい、誰なんですか!
あのオジさん‥‥!
御: し‥‥知らん。
成: お前がムカシ有罪にした、
無実の被告人、とか‥‥?
御: イヤなことを言うな。
あんなオジさん、おぼえがないぞ。
真: とにかく、オジさんは、この
手紙どおりに犯行を‥‥。
御: つまり、この事件には
黒幕がいた、ということか‥‥。
<<お前の人生を破滅させた2人の
男に、今こそ復讐するのだ>>
2人の男‥‥この私と、
生倉弁護士のこと‥‥か?
真: <<これが最後のチャンスだ>>
とも書いてありますよ。
成: 最後のチャンス‥‥?
もしかして、それって‥‥
”時効”のことじゃないか?
御: ‥‥‥‥
まさか‥‥
まさか、あのオジさんが‥‥!
真: ど、どうしたんですか!
何かわかったの‥‥?
御: 灰根‥‥だったのか‥‥
あのオジさんが‥‥!
真: はいね‥‥
御: DL6号事件の容疑者で
無罪になった、あの男だ‥‥。

(「灰根高太郎」を聞く)
御: 灰根 高太郎は、
法廷の係官だった。
15年前。私たちは偶然、
エレベータに乗り合わせた。
‥‥ヒドい揺れだった‥‥。
気がついたら我々は闇の中にいた。
永遠とも思える、長い長い時間。
うすれてゆく空気‥‥。せまい
箱の中で、闇が迫ってくる‥‥。
‥‥しだいに我々は、落ちつきを
うしなっていった。


「助けてくれッ! い、息が‥‥」
「うるさい! ダマるんだ!
‥‥こっちまでおかしくなる!」
「出せ! ここから
出してくれえッ!」
「大声を出すな! 酸素をよけいに
消費するぞ!」
「‥‥‥‥‥‥!」

御: ‥‥私の記憶は、そこまでだ‥‥。
気がついたら、私は病院の
ベッドで、天井をながめていた。
裁判では、灰根の精神状態が
問題になった。
酸欠と緊張状態が原因で、
灰根は心神喪失状態にあったとか。
結局、その主張が認められて、
灰根は無罪になったのだ‥‥。
真: ‥‥ふうん‥‥。
でも、ちょっとおかしいですね。
この手紙‥‥。御剣検事に
復讐しろ、って書いてありますよ。
なんで”復讐”なんですか?
それも、あなたに‥‥?
御: ‥‥‥‥‥‥
成歩堂。
成: ん?
御: この数日間、ずっと悩んでいた
ことがある。
キミに話すべきかどうか‥‥。
成: もしかして、今日の
法廷で言っていた‥‥
御: 『私の‥‥悪夢の話だ。
私が犯した罪の記憶‥‥。』
成: 『お前の‥‥罪?』
御: 『‥‥殺人‥‥の記憶だ。』
御: ‥‥どうやら。
キミに聞いてもらうときが
来たようだな‥‥。

(「”悪夢”」を聞く)
御: この15年間、毎日のように
同じ夢を見る。
そのたびに私は、
恐怖にハネ起きるのだ。
真: ‥‥どんな夢なんですか‥‥?
御: あの事件の夢だ。すべてが
闇に閉ざされた、あの事件。


「助けてくれッ! い、息が‥‥」
「うるさい! ダマるんだ!
‥‥こっちまでおかしくなる!」
「出せ! ここから
出してくれえッ!」
「大声を出すな! 酸素をよけいに
消費するぞ!」
「い‥‥息ができねえ‥‥!
お前が空気をヨゴすからだ‥‥」
「な‥‥なんだと!」
「オレの空気を吸うな!
い‥‥息の根を止めてやる!」
「う‥‥うわっ!
何をする‥‥やめろ‥‥!」
「オレの空気を吸うなァァァァ!」
(おとうさんが‥‥
おとうさんが、
おそわれている‥‥!)

御: ‥‥ふと気がつくと、足元に
ピストルがころがっている。
その日の裁判の証拠品だったのか、
係官の持ちものだったのか‥‥。
私は、夢中でそのピストルを
拾い上げる。

御:
(ぼくのおとうさんから‥‥
おとうさんから、
はなれろぉっ‥‥!)

‥‥パァン!‥‥

うぐおおおおおおおおおおおおお
をををををををををををををッ!

御: ‥‥その悲鳴で、目がさめるんだ。
ものすごい悲鳴だ。
この15年間、耳からはなれたこと
がない、ものすごい悲鳴‥‥。
真: ‥‥‥‥‥‥
で、でも。
‥‥それって、ただの”夢”
なんですよね‥‥?
御: ‥‥‥‥‥‥
そう思って、この15年間、
生きてきた。
しかし‥‥。
これが”現実”だった
としたら‥‥?
人は、自分の精神を守るため、
記憶を閉ざすことがあるという。
父親の命をうばったのは、
他ならぬ、私かもしれない!
真: そ‥‥そんなことって‥‥!
御: ‥‥そう考えると、この手紙も
なっとくできる。
<<御剣 怜侍に復讐しろ>>
‥‥そう。灰根は本当に無実
だったのだ‥‥。
だから、復讐しようとしたのだ
‥‥この、私に。
成: 待てよ、御剣!
‥‥それって、つまり‥‥!
御: オヤジを撃ったのは‥‥
DL6号事件の真犯人は‥‥
この‥‥私‥‥!
成: ‥‥なんてこった‥‥。
真: なるほどくん‥‥どうしよう。
とんでもないことに‥‥。
成: くやしいけど‥‥
ぼくたちじゃ、どうしようも
ないよ‥‥。
DL6号事件の情報を、
詳しく知っている人がいれば‥‥。
真: ‥‥‥‥!
いるじゃない、なるほどくん!
あの人に、助けてもらおうよ!

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