第3話『逆転のトノサマン』第3回法廷(前編)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
荷星 三郎…紺
オバチャン(大場 カオル)…灰
スタッフの子…黄
大滝 九太…黄緑
カントク(宇在 拓也)…橙
姫神 サクラ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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10月20日 午前10時
地方裁判所 第4法廷

裁: これより、荷星 三郎の
法廷を開廷します。
御: 検察側、
準備完了しております。
成: 弁護側も、
準備完了しています。
裁: 今日は、審理の最終日になります。
検察側、弁護側とも、決定的な
証拠の提出をするように。
では、御剣検事。
‥‥冒頭弁論をおねがいします。
御: 昨日の法廷で、弁護人によって
新しい説が提示された。
殺人現場は、実は
第2スタジオだった、という。
本日は、実際にコテージにいた
人間を証人として呼び、
その事実関係をハッキリさせたい。
裁: ふむう‥‥わかりました。
成: (御剣のヤツ‥‥今日はちょっと
ひかえめだな‥‥)

(ざわめきが起こる)
裁: では、
証人を呼んでいただきましょう。
御: 事件当日、第2スタジオの
コテージで会議をしていた、
姫神 サクラプロデューサーを。

御: 証人。
‥‥名前と、職業を。
姫: ‥‥‥‥。
姫神 サクラ。
英都撮影所のプロデューサー。
御: 証人は、事件当日、
第2スタジオのコテージで‥‥
姫: ‥‥そんなことは、みんな
知ってるでしょ。
御: ‥‥‥‥?
姫: よけいなことはキライ。
どうしてもやりたいなら、
アタクシぬきでやりなさい。
御: むぐぐ。
裁: で、では、証人。
事件当日のことを、
<<証言>>してください。
真: なるほどくん!
コイツがハンニンなんだよね!
成: ああ。‥‥そうさ!
(ゼッタイ、シッポを
つかんでやるぞ‥‥)

(事件があった日のこと)
姫: 『‥‥正午の少し前、第2スタジオの
コテージに入ったわ。』(証言1)
『会議が始まったのは、正午。
終わったのは4時。』(証言2)
『それから、リハーサルがあるから
第1スタジオへ。』(証言3)
『‥‥‥‥そう、つかれてたから、
宇在に運ばせたわ。』(証言4)
『会議の休憩は、
2時30分から15分間だった。』(証言5)
『宇在といっしょに、コテージの前で
ホネつきステーキを食べていたわ。』(証言6)
第1スタジオに行って、そこで
イブクロの死体を見つけたわけ。
‥‥そんなところね。
裁: ふむう‥‥。
証言で、1つだけ
気になったことがあります。
”つかれていたから、宇在に
運ばせた”‥‥というのは?
姫: 車。
裁: ‥‥は?
姫: ライトバンがあったでしょ?
第2スタジオ。
あれ、宇在に運転させたの。
‥‥サルマゲどんのクビも
あって、あぶなかったし。

<<ライトバン>>のデータを
法廷記録にファイルした。
裁: な、なるほど‥‥。
では、弁護人。
<<尋問>>‥‥を。
真: 最後の勝負だよ。
‥‥がんばって!

(「証言6」に「ステーキの皿」をつきつける)
成: 思ったとおり、そう来ましたね!
姫: ‥‥‥‥。
成: ”ホネつきステーキを
食べていた”‥‥。
しかし、それはおかしいんです!
裁: ど‥‥どういうことですか?
成: これを見てください。
裁: 皿‥‥ですか。
成: これは、スタッフエリアの
テーブルにあった皿です。
ごらんのように、
大きなホネが残っている。
御: 当然だろう。
‥‥ホネつきステーキなんだから。
成: そう。‥‥当然です。
しかし。
‥‥思い出していただきたい。
コテージの外にあった、
テーブルの上を‥‥。
このテーブルの皿の上には‥‥、
ホネは残っていない!
姫:
‥‥‥‥。
成: 姫神さん。
もしホネつきステーキを
食べたのなら、
当然ですが、ホネが残ります。
つまり、あなたは‥‥

(「ステーキは食べなかった」を選択)
成: あなたは休憩時間中、
ステーキは食べなかったのです!
きっとステーキは、焼却炉にでも
捨ててしまったのでしょう!
姫:
‥‥‥‥‥‥。
裁: で、では‥‥、
姫神さんは休憩中、
何をしていたと‥‥?
成: 決まっているじゃないですか!

(「トノサマンに会っていた」を選択)
成: もちろん、トノサマンに
会っていたんですよ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に!
ま、まさか‥‥!
成: そのとおりです!
ステーキを食べるため、
コテージを出た姫神さんは、
トノサマンに出くわしたのです!
そしてあなたは、彼を‥‥
殺害したんです!
‥‥その手で!
姫: !!

(ざわめきが起こる)
裁: べ‥‥弁護人!
そ、その発言は、問題が‥‥

(御剣検事「異議あり!」)
御: どういうことだ!
成歩堂、キミは‥‥
姫: かまわないわ。
‥‥‥‥。
アタクシがやった、と?
成: ‥‥はい。
姫: ‥‥おもしろいわ。
ひさしぶりに、タイクツを
わすれられそうね‥‥。
‥‥‥‥。
いいわ。
これから、アナタとアタクシの
チエくらべと行きましょう。
成: (受けて立つぞ‥‥!)
真: なるほどくん!
‥‥しっかりね!
姫: そうね‥‥。
たしか、凶器は
トノサマン・スピアーだったわね。
成: ‥‥はい。
姫: アタクシ、見たとおり、
かよわい女よ。
こんなアタクシが、重いスピアーを
自由にあつかえると思って?

(「ムリだと思う」を選択)
成: ‥‥まあ、あなたでなくても、
あれを武器にして戦うのは、
フツーなら、ムリでしょうね。
姫: ‥‥フッ。
わかってるじゃない。
成: でも。
そんなことは、このさい
関係ないんですよ‥‥。
姫: ‥‥‥‥。
どういうこと?
成: 凶器は、トノサマン・スピアーでは
なかったんですからね。
姫: なッ!

(ざわめきが起こる)
裁: な、何を言い出すんですか!
スピアーは、死体のそばに
ころがっていたんですよ!
成: 証拠をお見せしましょう。
トノサマン・スピアーが
凶器ではないという証拠を‥‥!

(「トノサマン・スピアー」をつきつける)
成: 証拠は、言うまでもなく、
こいつですよ。
御: 凶器‥‥そのものかッ!
成: いいですか。
午前中の打ち合わせで、
このスピアーは一度、折れている!
折れたスピアーを修理したのは
‥‥オバチャンです。
ガムテープでね。
そんなもので、
ぶあつい着ぐるみをつけた被害者の
胸を、刺せるわけがない!

(ざわめきが起こる)
裁: せ、静粛に‥‥!
御: 弁護人! どういうことだ!
自分が何を言ってるか‥‥
姫: おだまり!
アタクシをムシしないこと。
御: うむむ‥‥。
姫: どういうことかしら?
自分が何を言ってるか、
わかってるの?
トノサマン・スピアーが
凶器じゃないというなら、
いったい、衣袋は
どうやって殺されたと言うの?
裁: どうですか? イブクロさんを
殺害した凶器を、提示できますか?

(「もちろんできる」を選択)
成: できなければ、こんなことは
言いませんよ。
裁: いつもながら、ウサンくさいほどの
自信ですね‥‥。
では、示していただきましょう。
イブクロさんを殺害した凶器を。

(「5年前の事故の写真」を選択)
成: ‥‥この写真を見てください。
裁: な‥‥なんですか、これは‥‥。
‥‥階段の上にいるのは‥‥
い、衣袋 武志ですか‥‥!

(ざわめきが起こる)
裁: せ、静粛に! 静粛に!
さわぎがおさまらなければ、
審理を中止しますぞ!
弁護人!
どういうことですか
これは!
成: ‥‥今から5年前。
英都撮影所で、
不幸な事故がありました。
見てのとおりの事故が、ね。
このことは、いっさい
外部には知らされなかった。
英都だけのヒミツだったのです。
御: それが、今回の事件と
なんの関係があるというのだ!
成: 御剣検事‥‥。
‥‥まだわかりませんか?
階段から転落して、鉄柵で
胸を刺された、この男を見て‥‥。
御: ‥‥あ、ああッ!
な‥‥なんということだ‥‥。
成: この事故があったのは、今から
5年前でした。
それと同じコトが、
ふたたび、起こったのです!
姫: !!

(ざわめきが起こる)
裁: 成歩堂くん!
‥‥つづけなさい!
成: 事件のあった日の、
午後2時30分!
姫神 サクラは、コテージのそとで
イブクロさんと会ったのです!
そして彼女は、
故意か事故かはわかりませんが、
イブクロさんを‥‥
つきおとしたのです!
‥‥鉄柵の上に。
5年前、イブクロさん自身が
そうしたように‥‥。
姫: ‥‥‥‥!
御: つまり、被害者は‥‥
衣袋 武志は‥‥、
自分が人を死なせてしまった、
そのやり方で、
今度は‥‥自分が‥‥
死んでしまったわけか!
成: そうなりますね。
なんとも、ヒニクな話ですが。
姫: ‥‥‥‥‥‥
フ‥‥フッ。
よくできた話。
その、出まかせの才能‥‥。
ウチの脚本家としてほしいわね。
成: 何か、反論がありますか?
姫: ‥‥‥‥。
‥‥いい?
アナタの言うとおり、衣袋が
コテージで死んだとしましょう。
でも実際は、死体は
第1スタジオで見つかったのよ。
アクダイカーンの着ぐるみの
中からね。
死体を第1スタジオに運んで、
着ぐるみの中に入れる‥‥、
そんなの、休憩時間の15分じゃ
ゼッタイに不可能よ。
いったい私は、どうやって
死体を始末できたと言うの?
成: ‥‥‥‥。
御: コテージでは、2時30分から
15分だけ、休憩をとった。
その間に、衣袋 武志を階段から
つきおとして殺害して、
第1スタジオに運んで、
着ぐるみの中に入れる‥‥。
たしかに、時間的にムリが
あるな‥‥。
裁: ふむう‥‥たしかに。
いかがですか? 弁護人。
‥‥死体の問題については?

(「他の方法があった」を選択)
成: 死体を運び出す方法が、
他にもあったら、どうです?
姫: ‥‥どういうこと?
成: 何も、ムリにすべてを
15分におさめることはない。
あなたには、死体を運び出す
方法が、1つだけあったのです。
姫: !!
い‥‥いいわ。
聞かせてもらいましょう?
裁: では、弁護人。
示してもらいましょう。
‥‥死体を運んだ方法を。

(「ライトバン」を選択)
成: 姫神さん。
あなたは、死体を第1スタジオに
運んだのです。
この、ライトバンに乗せて。
姫: !!

(ざわめきが起こる)
成: あなたはさっき、
こう証言しましたね‥‥。
姫: 『会議のあと、リハーサルがあるから
第1スタジオへ。
つかれてたから、宇在に
運ばせたわ。
ライトバンがあったでしょ?
‥‥宇在に運転させたの。』
成: あなたは、ライトバンに死体を
乗せて第1スタジオへ行ったんだ!
そして、みんなが集まる前に、
死体を着ぐるみに入れたんです!
姫: ‥‥ッ!

(御剣検事「異議あり!」)
御: ちょっと待て!
ライトバンを運転したのは、
宇在カントクだったはずだ!
弁護人は、宇在カントクが
共犯だったと言うのか!

(「もちろん共犯」を選択)
成: トーゼン、宇在カントクは
共犯です!
死体をライトバンに積み込むのも、
着ぐるみに入れるのも、
姫神さん1人では、
ムリですからね!
それに、トノサマンの着ぐるみも
始末させたんじゃないですか?
イブクロさんの血が
ついていますからね!
おそらく、あの小さな焼却炉で
焼いたのでしょう‥‥。
どうですか! 姫神さん!
‥‥まだつづけますか?
姫: ‥‥‥‥‥‥‥‥。
もう、ケッコウ。
アナタ‥‥見かけ以上に
やるわね。
フッ‥‥。
アタクシの負け。
‥‥楽しかったわ。
成: (‥‥やった‥‥)
‥‥
御: ‥‥‥‥
裁: ‥‥‥‥‥‥

‥‥‥‥‥‥‥‥
成: ‥‥あの。
それで?
姫:
成: ”?”じゃありませんよ。
何か言うことはないんですか?
姫: 何を言えばいいの?
成: え?
”負けましたわ”とかなんとか。
姫: それならさっき、言ったわ。
成: つ、つまり!
姫神 サクラさん!
‥‥あなたですね?
衣袋 武志を殺害したのは!
‥‥
御: ‥‥‥‥
裁: ‥‥‥‥‥‥

‥‥‥‥‥‥‥‥
姫: わからないわ。
成: は?
姫: なんでそうなるのかしら?
いい?
アタクシ、あなたとチエくらべを
したのよ。
その結果、たしかにアタクシ、
犯行は可能だったみたい。
成: そのとおりです!
姫: ‥‥でも、それはあくまで
可能性の話。
証拠となると、またベツよ。
決定的な証拠、ないじゃない。
成: ‥‥な、な、な、な、な、な、な、
な、な、な、な、な、な、な‥‥
なんですってェェェェェェェェェ!

(ざわめきが起こる)
裁: せ‥‥静粛に!
御剣検事‥‥
どう思われますか?
御: う‥‥ううむ‥‥、むむむ。
も、もちろん、証人の
言うとおりである‥‥!
‥‥‥‥。
たしかに、きわめてアヤシイが、
証拠となると‥‥ない‥‥。
成: (‥‥!
御剣のヤツが‥‥迷っている!)
姫: ‥‥‥‥。
どうしたのかしら?
アタクシは今日、
証人としてここに来たのよ。
質問がなければ、もう帰るわ。
成: (く‥‥くそっ!
‥‥どうする‥‥!)

(「質問を思いつかない」を選択)
成: ‥‥‥‥。
裁: どうしましたか? 弁護人。
成: ‥‥机を叩いているあいだに
質問を考えようと思いましたが、
何も浮かびませんでした。
裁: ‥‥‥‥。
それは、ごくろうさまでした。
成: (‥‥く‥‥くそ!
今度こそ、これまでか‥‥)

(ざわめきが起こる)
裁: では、質問もないようなので‥‥、
これで姫神さんに対する
質問を終了します!


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