昔、人間の嫌いなジョーという青年が住んでいたが、ジョーが村のアンという娘に恋をし、ひたすら アンを手に入れたいと願った結果、アンはジョーの持つ人形となってしまった、という伝説の残る塔。 それ以来、塔を訪れた人間は皆、人形に姿を変えられてしまうという。
　宿屋のおじさんは、その対抗策として、リナたちに着ぐるみを貸して くれた。これがおじさんの判断だったのか、それともこの対抗策も言い伝えなのかは不明。
　言い伝え自体は何百年も前の話だが、どうやら人形は手つかずの状態で残っているらしい。リナたちが 入った時は、人形にも魔力が入って（残って？）いたようだが、もしかすると アンとジョー（仮名）の魔族が入れた魔力かもしれないので、果たして元からそんなに強い魔力 だったのかどうかはわからない。そもそも、言い伝えはあくまで言い伝えで、本当にジョーとアンの話が 事実だったかもわかっていない。さすがに、魔族が人形を運びこんだ、ということだけは、考えたくない が……。