中禅寺湖の特徴は既にご存知の方も多いと思いますが、いろいろな釣り方で挑戦してみることも楽しさのひとつだと思います。ここではフライフィッシングとレイクトローリングについて少し高度なテクニックも含めてご紹介致します。

blook.gif (2625 バイト)フライフィツシングについて

Pf01.gif (3845 バイト)中禅寺湖フライパターン

Brown-2.gif (4431 バイト)レイクトローリングについて

Brown01.gif (3025 バイト)中禅寺湖必殺ルアー

Honmasu.gif (2395 バイト)過去のトローリングデータ

Iwana.gif (4050 バイト)中禅寺湖の達人たち

 

フライフィッシング

中禅寺湖のフライフィッシングの発祥は大正14年、イギリスのHANS.HUNTER氏が帝室林野局より広大な日光の土地を借り受けたことから始まった。

彼は日本で自分の夢を叶えるべく 「東京アングリング・エンド・カンツリー倶楽部」 を発足させ、政財界、日本駐在の外国大使、外務省を中心とした官僚たちをゲストに迎え昭和2年、中禅寺湖の西岸千手ヶ浜に現在も残るレストハウスのオープンとともにスタートしたと言われている。

以来約70年、時代の変化と共にフライフィッシングも普及したが、現在でも多くのアングラー達から「聖域」と呼ばれるのは、このような伝統と生息する鱒達の大きさ、美しさによるものと考えて良いのではないだろうか。

《ここ数年の傾向》

中禅寺湖の水質の悪化は1990年以降でかなり進行したように感じられる。

湖水の透明度は以前に比べかなり低下し、浅場に発生する藻も水質の悪化の現われであろう。

水質の悪化により鱒類の食性は年々変化し、フライフィッシングで好成績を狙うには若干難しい状況であることは否定できない。

食性の変化とフライフィッシング・・・・・・1970年から80年代になると思うが、中禅寺湖でいちばんエキサイトなフライフィッシングはモンカゲロウのドライフライでの釣りであったように記憶している。

当時、宇都宮インターレイクの金野氏の推奨する「レークピット」に代表されるような、本来考えられないぐらい大型のドライフライを使ったフライフィッシングでより大きな鱒を釣り上げていた。当時はモンカゲロウのスーパーハッチが5月下旬から6月にかけて必ず数回有り、そのタイミングに居合わせた幸運なフライマンは非常に良い思いをしたと聞いている。

しかし、水質の悪化に伴い湖底に棲息する水生昆虫の種も変化し80年代後半からモンカゲロウのハッチも徐々に少なくなり、鱒達が狂喜乱舞するほどのスーパーハッチはまったく見られなくなった。

それに変わって登場したのは水質悪化に伴い台頭してきた「クロノミド」(ユスリカのピューパ)であった。キロワールドのビデオ「ザ・ホンマス」をご覧になった方はお分かりだと思うが、1991年からの3年程は「クロノミド」の天下だったように思う。

本当に誰がやっても(ビギナーでも)釣れてしまう程いたって簡単に釣れた時期もあった。

しかしここ90年代後半になりその傾向も薄れ、更に餌の中心的存在であったワカサギの量も激減し「中禅寺湖の鱒」の食性とフライの関係は大きく見直す時期がやってきたように感じられる。

戦略的フライフィッシングとは・・・・・・・・・簡単に言えばフライフィッシングでの釣り方の組み立てを自分が納得できる方法で作り上げることが大切だと思う。

過去の食性の変化を充分に理解し、今何が最も有効なフライセレクトであるかを自分が組み立てた仮定に基づいた戦略でトライすることが釣果以上に重要なポイントと考えてほしい。

まあこんなカッコイイことを言っても所詮釣れない時には誰だって挫けてしまうと思うが、最終的には他人が釣った自慢話より、自分が実際に中禅寺湖で釣りをして「バラシた」「あたりが有った」「小物でも釣れた」などの経験の方がずっと重要だと考えて今後の参考にして頂きたい。

釣れるかもしれないフライの紹介
達人たちのアドバイス

 

レイクトローリング

中禅寺湖のレイクトローリングは過去先人達が色々な手法を試みてきており、現在に至っていると言えるであろう。特に中禅寺湖独特のヒメマスを対象にした「ヒメトロ」は現在でも過去の伝統が継承されており、一部で職漁師が存在する程の歴史がある。又、日本ではこの中禅寺湖ぐらいにしか棲息しない大型魚「レイクトラウト」が対象魚となることも魅力のひとつである。

《ここ数年の傾向》

水質の問題についてはフライフィッシング同様90年代からの水質悪化に伴う鱒達の食性の変化がかなり影響しているように見受けられる。フライフィッシングも同様に釣り人を取り巻く環境は年々悪化を辿っているような気がする。

食性の変化とレイクトローリング・・・・・・・中禅寺湖の釣りの主役はやはり「ヒメトロ」に代表されるヒメマスを狙ったレイクトローリングであると思う。

低い水位の年は多少岸釣りに有利と言うことを考慮しても、実際に岸から攻めることはかなり難しいと言える。

特に沖合いを回遊する魚種(ヒメマス)はよほど条件に恵まれない限り岸釣りのターゲットにはなり得ないと言える。「ヒメマス」のレイクトローリングは別として、ここ数年影響が見られていることは他の鱒達が主食のひとつとしているワカサギの激減 だ。中禅寺湖の鱒達の主食であったワカサギの減少はレイクトローリングでのルアー選択にひとつの課題を投げかける結果となったと考えている。

年ごとに状況は変化するのはあたりまえだとは思うが、90年前半から比較すると湖水の状態は必ずしも好転しているとは言い難い実態と言える。ルアーの選択から言えば、89年から92年は「アワビ系」のルアーが絶好調の時期があり、94年位からは牛の角を使ったルアーがかなりの成績を示している。

又、大物狙いの釣り人には自作ミノー(特にヒメマスをイメージしたようなもの)がかなりの好成績を示しているのは事実だ。

そんな状況下でも釣るために・・・・・・・・・結論から言えば、例年好成績を示していたポイントでは岸釣りとのポイントの取り合いでかなり攻めづらい状態であることは間違い無い。

しかし、岸釣りの釣り人が鱒達を沖合いに追いやっていることを考慮した攻め方を実践できれば、ある程度満足のいく結果が得られるのではないだろうか。

ヒメマスもそうであるが対象魚の数は決して少なくはない。ここ数年の稚魚放流量からしてみても、かなりの数の越年魚が残っている。

過去の経験と現在の状態について・・・・・レイクトローリングのメリットはじっとしている釣りと違ってある程度広範囲に渡って魚を探すことができる点にあると思う。

この数年間の釣況から得たデータをご覧頂き、これからトローリングに挑戦する方を初め、多くの方の参考にして頂ければ幸いである。

過去の経験から有効であったルアー達