《原爆の図》紹介

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第1部 幽霊
原爆の図 幽霊
第2部 火
原爆の図 火
第3部 水
原爆の図 水
第4部 虹
原爆の図 虹
第5部 少年少女
原爆の図 少年少女
第6部 原子野
原爆の図 原子野
第7部 竹やぶ
原爆の図 竹やぶ
第8部 救出
原爆の図 救出
第9部 焼津
原爆の図 焼津
第10部 署名
原爆の図 署名
第11部 母子像
原爆の図 母子像
第12部 とうろう流し
原爆の図 とうろう流し
第13部 米兵捕虜の死
原爆の図 米兵捕虜の死
第14部 からす
原爆の図 からす
第15部 長崎
原爆の図 長崎

原爆の図 第2部 《火》

原爆の図 火

青白く強い光。爆発、圧迫感、熱風
――天にも地にも人類がいまだかつて味わったことのない衝撃。

次の瞬間に火がついた。
めらめらと燃えあがり、広漠たる廃墟の静寂を破って、
ごうごうと燃えていったのでありました。

うつぶせて家の下敷きになったまま失心した人、
気がついて抜け出ようとして、
紅蓮(くれん)の 炎につつまれていった人。
グラスの破片がざくりと腹につきささり、
腕がとび、足がころがり、
人々は倒れ、 焼け死んでいきました。

倒れた柱の下敷きになり、こどもを抱いたまま、
母親は逃れ出ようとあせりました。
「早く早く」
「もうだめです」
「子供だけでも」
「いいえ、あなたこそ逃げてください。
わたしはこの子と死にます。路頭に迷わすだけですから」

母と子は助け出そうとする人の手をふりきって、
炎にのまれていきました。

(原爆の図 第2部 《火》 1950年 屏風四曲一双 縦1.8m×横7.2m)