《原爆の図》紹介

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第1部 幽霊
原爆の図 幽霊
第2部 火
原爆の図 火
第3部 水
原爆の図 水
第4部 虹
原爆の図 虹
第5部 少年少女
原爆の図 少年少女
第6部 原子野
原爆の図 原子野
第7部 竹やぶ
原爆の図 竹やぶ
第8部 救出
原爆の図 救出
第9部 焼津
原爆の図 焼津
第10部 署名
原爆の図 署名
第11部 母子像
原爆の図 母子像
第12部 とうろう流し
原爆の図 とうろう流し
第13部 米兵捕虜の図
原爆の図 米兵捕虜の図
第14部 からす
原爆の図 からす
第15部 長崎
原爆の図 長崎

原爆の図 第1部 《幽霊》

原爆の図 幽霊

それは幽霊の行列
一瞬にして着物は燃え落ち
手や顔や胸はふくれて、
紫色の水ぶくれはやがて破れて、
皮膚はぼろのようにたれさがった。

手をなかばあげてそれは幽霊の行列、
破れた皮を引きながら力つきて人々は倒れ、
重なりあってうめき、
死んでいったのでありました。

爆心地帯の地上の温度は六千度、
爆心近くの石段に人の影が焼きついています。
だが、その瞬間にその人のからだは、蒸発したのでしょうか。
飛んでしまったのでしょうか。
爆心近くのことを語り伝える人はだれもいないのです。

焼けて、こげただれた顔は見分けようもなく、
声もひどくしわがれました。
お互いに名乗りあっても信じることはできないのです。

赤ん坊がたった一人で
美しい膚のあどけない顔でねむっていました。
母の胸に守られて生き残ったのでしょうか。
せめてこの赤ん坊だけでも、
むっくり起きて生きていってほしいのです。

(原爆の図 第1部 《幽霊》 1950年 屏風四曲一双 縦1.8m×横7.2m)